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コラム

川端 暁彦の千態万状Jリーグ

2016/9/9 16:16

「優勝争い」「残留争い」に求められる月間MVP級の活躍(♯42)

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明治安田生命Jリーグの8月度月間MVP候補が、J1・J2から各3名ずつ選ばれている(8月の月間MVPノミネート選手はこちら)。毎月のMVPを選んでいく理由は一様ではないのだと思うが、どうしてもJリーグアウォーズの選考は終盤戦の印象が強くなってしまうので、月ごとに活躍した選手を振り返れることの価値は意外に小さくないように思う。

J1の受賞者を振り返ると、2・3月に中村 憲剛(川崎F)、4月が李 忠成(浦和)、5月が金崎 夢生(鹿島)、6月が小笠原 満男(鹿島)、7月が小林 悠(川崎F)というラインナップ。6月までは1stステージで優勝争いを演じていたチームの選手たちで、7月は川崎Fの快進撃の原動力となった日本代表FW小林が受賞している。

首位川崎Fと勝点差3で6位につける柏。ディエゴ オリヴェイラがMVPを獲得すれば、最年少での受賞となる。
首位川崎Fと勝点差3で6位につける柏。ディエゴ オリヴェイラがMVPを獲得すれば、最年少での受賞となる。

彼らに続く8月度の候補はディエゴ オリヴェイラ(柏)、長沢 駿(G大阪)、ペドロ ジュニオール(神戸)の3名。いずれも2ndステージでの巻き返しを誓って戦うチームのストライカーたちが名を連ねた。ここまでの受賞者で27歳の金崎が最年少なのは(※もしオリヴェイラが受賞すれば、25歳の彼が最年少となるが)、ベテランの元気な現在のJリーグらしいとも言えるかもしれない。

日本代表ウィークによる“プチ中断”を経て、J1リーグの2ndステージは9月10日から再開となる。全17節のうち10節まで消化して、優勝争いは1位川崎Fと2位浦和が勝点で並び、3位鳥栖が1差で追う展開。「追うほうが有利」と不敵に言ったのは4位G大阪のDF丹羽 大輝だったが、首位から5位神戸、6位柏までの勝点差が3(つまり1勝差)という予想不能の大混戦模様である。

年間勝点を争う戦いからも目が離せない。鹿島を勝点7差で追う広島の森保 一監督は3位の座をあきらめていない。
年間勝点を争う戦いからも目が離せない。鹿島を勝点7差で追う広島の森保 一監督は3位の座をあきらめていない。

現行ルールではステージ優勝以外にもう一つポイントがあり、それがチャンピオンシップ出場権を得られる年間勝点3位を狙う戦いだ。2ndステージでは8位と苦しい広島は、この年間順位では4位につける。3位鹿島との差は少々開いているものの、2ndステージにおける鹿島の低調ぶりと広島の地力を思えば、逆転不能という差でもないだろう。少なくとも、逆境で燃える指揮官・森保 一監督はあきらめていないはずで、ここからは年間順位という「もう一つの順位表」も密かに注目だ。

 

田中 マルクス闘莉王の復帰は名古屋を降格危機から救うことができるのか。
田中 マルクス闘莉王の復帰は名古屋を降格危機から救うことができるのか。

また同様に年間順位で競うJ1残留争いに目を転じると、16位名古屋、17位湘南、18位福岡が現状の「3弱」という構図。15位甲府と名古屋の勝点差は7と開いており、連勝街道に乗らない限りはいずれも残留が難しい情勢となっている。Jリーグ発足メンバーの「オリジナル10」の一角を担う名古屋は、監督交代に田中 マルクス闘莉王の復帰とダイナミックな術策も駆使した上で、今週末の新潟との直接対決に臨む。ここで星を落とすようなら、いよいよ崖っぷちだ。

2ndステージは残り7節。今年は11月3日に最終節が設定されており、より短期決戦の構図が強まった。登頂を競うチームにとっても、背水の陣で戦うチームも、時間は2カ月も残されていない。この確実に厳しさを増していく終盤戦の中で経験豊富な選手たちが存在感を出してくるのは間違いないが、若手の中からも月間MVPに名前が挙がるような活躍を見せる選手が出てきてくれればと思う。