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【プレビュー:クラブW杯 準決勝】アルゼンチンの強豪相手でも広島は「これまでの形を崩さない」

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2015年12月16日(水) 10:54

【プレビュー:クラブW杯 準決勝】アルゼンチンの強豪相手でも広島は「これまでの形を崩さない」

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【プレビュー:クラブW杯 準決勝】アルゼンチンの強豪相手でも広島は「これまでの形を崩さない」
敵将に警戒する選手として名前を挙げられた青山。厳しいマークが予想される

1980年から始まったトヨタカップ(現FIFAクラブワールドカップ)は、テレビで海外サッカーを見る機会すら希だった当時のサッカーファンにとっては、まさに夢の舞台だった。ジーコのフラメンゴ、プラティニのユベントスなど、スーパースター、ビッグクラブが次々と来日し、スペシャルなプレーを見せてくれた。「日本ではサッカー人気沸騰は無理」と言われていた時代が少しずつ変わっていったのは、もちろんJリーグ発足もあるが、この大会の貢献を忘れることはできない。

アルゼンチンを代表するビッグクラブ=リバープレートも、1996年のこの大会に出場している。対戦相手はジダンやデシャン、デル・ピエロなどスーパースターが揃うユベントス。リーベルにもオルテガやフランチェスコリといったビッグスターを擁し、率いたのはかつて横浜マリノス(現横浜FM)で得点王に輝いたラモン・ディアス。スター軍団のユベントスに敗れたとはいえ、細かなパスワークでゴールを目指すスタイルは、まさにアルゼンチンの情熱を感じさせた。

このビッグゲームでベンチに座っていたのが、マルセロ・ガジャルドという20歳の若者だ。彼は後にこの偉大なクラブで10番を背負うスターに成長。そして2014年、彼は愛するリーベルの監督に就任し、今年はリベルタドーレスカップを制覇。選手・監督の両方で南米一に輝いたクラブ史上初の人物として、歴史に名前を刻んでいる。

39歳のガジャルド監督は「頭を使ってプレスをかけたい」と戦略を口にした
39歳のガジャルド監督は「頭を使ってプレスをかけたい」と戦略を口にした

今年39歳の若き名将は、試合前日記者会見で広島に対しこう言及した。
「彼らはボールコントロールに長けていてクオリティも高く、粘り強く戦う選手たちが揃っている。ただボールを追いかけ回すのではなく、頭を使いながらプレスをかけていきたい。広島には興味深い選手がたくさんいる。自発的な意志に長け、DFが前に出てリスクを取り、得点に結びつけていく。特に軸となっているのは、キャプテンである青山 敏弘だ。彼を中心にして攻撃にかかっていくのが広島の特長だろう」

このコメントについて、どう思うか。海外のジャーナリストが青山自身に質問した。その時、広島のキャプテンは微動だにせず、こう返した。
「僕には関係のないこと。自分がマークされればされるほど、他の選手にとってはチャンスが生まれる。僕を止めても、このチームは止まらない」

絶大なる仲間への信頼。僕らは誰かの力に頼って勝ってきたのではなく、全員で戦い、結果を出してきた。そんな自負を強烈にはき出した。さらに、彼はこうも語った。
「ここからが、自分にとっての勝負。明日は、戦います」

リーベルには、かつてバルセロナでプレーした経験もあるサビオラやアテネ五輪金メダリストのルイス・ゴンザレスらのベテランがいるだけでなく、若手も多士済々。特に森保 一監督が名指しで警戒を口にしたクラネビッテルは、今大会後にスペインのアトレティコ・マドリッドに10億円強の違約金で移籍が決まっている22歳のタレント。粘り強い守備と的確な組み立てで攻守のリズムをつくるボランチである。また、指揮官が明日の先発として予告した23歳のFWアラリオは、リベルタドーレスカップ決勝でゴールをあげた184センチの大型ストライカー。経験豊富なベテランと将来有望な若者たちが絡み合い、「彼らは試合開始から強烈なプレッシャーをかけてくる」(森保監督)。スルガ銀行杯でガンバ大阪のビルドアップを機能不全に仕立てた彼らの圧力をまともに受ければ、広島はかなり苦しくなる。

森保監督はこれまで培ってきた戦い方に自信を見せた
森保監督はこれまで培ってきた戦い方に自信を見せた

ただ、紫の戦士たちは、リーベル戦に向けて実に楽しそうだ。
「こういう機会はクラブ単位で考えるとなかなかないこと。どれだけできるのか、楽しみで仕方ありません」(水本 裕貴)
「日程は厳しいですが、それよりも充実感や試合をやりたい気持ちの方が強い。強い精神力と気持ちを持って、責任を持って広島のサッカーを発信しようと思います」(柏 好文)
「相手のレベルが1つ上がる。チームとしても個人としても、どれだけできるのか、すごく楽しみです」(茶島 雄介)

どういう試合になるのか見当もつかない。善戦するのか、大敗するのか、あるいは勝利するのか。いずれにしても、広島は広島の道を行く。
「これまでやってきた我々の形を崩してまで戦うつもりはありません」 
名将・森保一の言葉である。

アルゼンチンメディアによれば、1万~1万5000人のリーベル・サポーターが既に大阪に集結しているという。16日の長居は、彼らの大音量の歌声が響きわたることになるかもしれない。だが、青山はこう言った。
「何万人のサポーターが来るのかわからないけれど、おそらく浦和の方が上でしょう。僕らはアウェイで浦和のサポーターの大声援の中、戦って勝利してきた。何の問題もない」

力強い主将と共に、広島の若者たちは明日、世界の強豪と戦う。失うものなど、何もない。ただ、闘うのみだ。

[文:中野 和也]

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