およそ1か月ぶりに再開する明治安田生命Ｊ３リーグ。残り10試合と終盤戦に突入するなか、各チームはそれぞれの思惑を携えて、クライマックスの戦いへと挑んでいく。
首位の栃木は土曜日にＣ大23の本拠地に乗り込む。前節、Ｆ東23と引き分け連勝が10でストップした栃木は、天皇杯も地区予選で敗れてしまったため、8月7日以来の公式戦となる。実戦感覚が不安視されるなか、中断前まで示していたしたたかな戦いを継続できるかがポイントとなる。対するＣ大23は前節、鹿児島に敗れており、連敗は避けたいところ。持ち前のアグレッシブなスタイルを、首位チームに対しても臆することなくぶつけたい。
もうひとつの土曜日開催の一戦は、2連勝中の秋田がホームにYS横浜を迎える。天皇杯で川崎Ｆに善戦しており、その手応えをこの試合にもつなげたいところ。YS横浜は5試合勝利がなく、最下位に沈む。ただし前節は相模原との神奈川ダービーに引き分けるなど、内容は徐々に良くなっている。課題の得点不足を中断期のトレーニングで解消できたかどうか。この一戦が試金石となりそうだ。
日曜日開催の6試合の中で注目したいのは、相模原vs大分の一戦だ。4戦負けなしで7位に順位を上げてきた前者に対し、3位に付ける後者もここ4試合で3勝と好調を維持。加えて大分には天皇杯で甲府を撃破した勢いが備わる。相模原にとっては、安永 聡太郎新監督の初陣となる。新監督が求めるアグレッシブなサッカーを体現し、さらなる上位進出を実現したい。
2位の鹿児島は鳥取をホームに迎える。3戦負けなしと再び調子を上げてきており、首位栃木に食らいつくためにも地元で確実に勝利を収めたい。一方の鳥取は水曜日に天皇杯を戦ったばかりとあって、コンディションが懸念材料に。とはいえリーグ中断前は調子を上げていただけに、その勢いをこの試合にも持ち込みたいところだ。
4位の富山は藤枝とのホームゲームに臨む。中断前に行われた鳥取との一戦（第5節の順延試合）を4-1でモノにするなど、攻撃陣が調子を上げているのは好材料。藤枝も攻撃スタイルを標榜するチームなだけに、互いのゴール前を行き来する激しい攻防が期待できる。
3試合勝利から見放されている5位の長野は、ここが踏ん張りどころ。今節はホームにＧ大23を迎える。前節は藤枝に3ゴールを許すなど、自慢の堅守がやや崩れてきているのが不安材料。とはいえ天皇杯では名古屋を撃破しており、チームのムードは悪くない。Ｇ大23の攻撃をいかに凌ぎ、少ないチャンスをものにできるかどうか。前線の決定力がカギを握りそうだ。
長野と同様に天皇杯で仙台を下し、ジャイアントキリングを達成した盛岡の戦いも興味深い。今節の対戦相手はＦ東23。公式戦8試合負けなしとまさに絶好調の盛岡は、持ち前のパスワークを武器に相手に揺さぶりをかけたい。Ｆ東23は3試合勝利がなく、厳しい戦いが続く。トップチームとの兼ね合いもあり選手起用も不透明のなか、アピールを狙う若手の思い切りのよいプレーに期待したい。
琉球と福島はともに状態はいいとは言えない。特に福島は現在3連敗中で、水曜日に天皇杯を戦ったばかりと日程面での不利もある。この苦境をいかに抜け出せるかどうか。アウェイでの一戦で、好転のきっかけをつかみたい。
■第21節の見どころをチェック
秋田vsYS横浜
Ｃ大23vs栃木
盛岡vsＦ東23
相模原vs大分
長野vsＧ大23
富山vs藤枝
鹿児島vs鳥取
琉球vs福島
