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「全国のサッカーを愛する皆さん、こんにちは。Ｊリーグチェアマンの大東和美です。
明日の、FUJI XEROX SUPER CUPを皮切りに、Ｊリーグの2011年シーズンがスタートします。私も今から、ワクワクして、楽しみにしています。
今年、日本サッカー界にとってとても良い年の始まりを迎えました。多くの皆様が覚えていらっしゃる『アジアカップ』。苦しい戦いの連続でしたが、宿敵・オーストラリアに勝利し、4度目のアジアタイトルを獲得しました。その瞬間、現地にいた私は、感動のあまり、万歳して飛び上がってしまいました。そして同時に思いました、ひたむきで、一生懸命戦ったすばらしい選手達は、皆Ｊリーグで活躍している、または活躍していた選手達なんだと思うと、また熱いものがこみ上げてきました。
次はＪクラブが活躍する番です。Ｊリーグから、4クラブがAFCチャンピオンズリーグに出場します。是非、Ｊのクラブもアジアで優勝することを強く希望します。タイトルを取ること、これが日本サッカー、Ｊリーグの発展にとっても重要なことだと考えるからです。
さて、2011年、Ｊリーグは記念すべき設立20周年を迎えます。
日本サッカーのレベルをアップさせること、地域に根ざしたスポーツクラブを全国につくり、豊かなスポーツ文化を作り上げることを目標にＪリーグはスタートしました。現在、日本代表の目覚ましい活躍や、Ｊリーグ入会を目指して全国各地にクラブが生まれていることから、我々の理念は着実に実現し続けています。
今シーズンは、「ガイナーレ鳥取」が加入し、Ｊリーグは、38クラブ28都道府県に広がりました。Ｊリーグがサッカーを通じて日本にスポーツの新しい価値観や文化をもたらしてきました。しかしなから、クラブ間に格差があるのも事実です。20周年を節目の年ととらえ、私は原点に立ち返り、今年、次の3つの項目に取り組んでまいります。
まず、1つ目は将来を見据えた【ビジョンの策定】であります。
今年は法人設立20周年、来年はＪリーグ初の公式戦であるヤマザキナビスコカップが20回目の開催を迎えます。さらに2013年はＪリーグ開幕から20年と、節目の時期を迎えます。その中、これまでの20年の良かったこと、悪かったことを振り返りながら、将来を見据えた『Ｊリーグのビジョン策定』プロジェクトを、今年、着手いたします。
二つ目は、【クラブライセンス制度の導入】です。
この制度は、アジアサッカー連盟加盟各国に2013年シーズンからの導入が求められているもので、毎シーズン、全クラブのリーグ戦への参加資格をチェックするための基準です。審査基準は、競技・施設・組織運営・財務・法務基準など多岐に渡っており、ハードルの高いものであります。しかし、今一度、Ｊクラブのクオリティーを高めるためには絶好の機会だと考えて、この制度を確実に実行していきます。
三つ目は、【育成への取り組み】です。
今年もアカデミーに所属する選手を対象に、世界レベルを体感することと、国際交流を目的として、今年は、これまでのU-13、U-14、U-15の海外キャンプに加えて、U-16の海外キャンプもオランダで実施し、一貫した強化をはかります。
以上の、3つを実践します。
Ｊリーグは、20年という短い期間に走りながら考え、これまで誰も成し遂げてこなかった新しい挑戦を次々と続けてきました。スポーツが生み出す情熱や感動は、どんな時代にも可能性に挑むための希望となり、人々の心に勇気を与えます。私自身、同じ『フットボール』に携わってきた身として、常にスポーツに力をもらってきた者として、どんな状況でもスポーツが不滅の文化として、存在することを願ってやみません。そして、20年という節目を迎える今こそ、先人の教えを胸に、Ｊリーグは日本のスポーツを引っ張る存在でありたい。その為には我々が描く理想を、実現可能な目標に変えていかなければなりません。
最後になりましたが、Ｊリーグを支えてくださるパートナーの皆様をはじめ、多くの方々のご支援と、いつも熱く応援してくださるファン・サポーターの皆様に心から感謝を申し上げます。
皆様とともに、新しい挑戦を続け、世界に伍するＪリーグの実現に向けて、邁進していく所存です。そのために、私は『明日のために 今、走る』。これを実践していきます。
2011Ｊリーグ、開幕します」
