いよいよ2017シーズンが幕を開ける。注目カードが目白押しとなった開幕戦、昨季王者の鹿島はFC東京をホームに迎える。すでにふたつの公式戦をこなし2連勝と、早くもその強さを見せつけている鹿島は、金崎 夢生、鈴木 優磨ら好調の攻撃陣に加え、レオ シルバ、クォン スンテら新加入選手が軸となる守備陣も安定感を備える。唯一、不安を上げるとすれば連戦による疲労感。メンバーを入れ替えながらもチーム力を保つことができるのか。石井 正忠監督の手腕に注目だ。
一方のFC東京は、大久保 嘉人をはじめ多くの実力者を補強し、メンバー的には鹿島にも引けを取らない。爆発力を備えているが、チームとしていかに機能できるかが、この開幕戦のテーマとなるだろう。注目はやはり大久保。このストライカーの活躍が、王者撃破に欠かせないポイントとなる。
横浜FMvs浦和も興味深い一戦だ。大胆な若返りを図った前者に対し、6年目を迎えるペトロヴィッチ監督の下で、成熟の域に達しつつある後者。対照的な両チームの戦いは、スタイル的にも浦和がボールを保持する展開が予想されるが、縦への推進力を備える横浜FMが一瞬の隙を突き、歓喜を呼び込む――。そんな光景も思い浮かぶ。若さがもたらす勢いか、継続による安定感か。いずれにせよ、緊迫感に満ちた好カードとなるのは間違いないだろう。
清武 弘嗣と中村 俊輔。新旧の日本代表司令塔を迎え入れたＣ大阪と磐田の一戦も見逃せない。残念ながら清武は怪我のために欠場が濃厚だが、他にもＣ大阪は柿谷 曜一朗、山口 蛍らタレントを揃えており、Ｊ１復帰戦に臨むモチベーションも高い。一方の磐田は、中村のパフォーマンスがカギを握る。その卓越した左足でいかに攻撃陣を操っていくのか。伝家の宝刀、直接FKが試合を決する可能性もある。個性派揃いの両チームの一戦は、期待に違わぬ好カードとなりそうだ。
Ｃ大阪と同じ昇格組の清水は、ホームで神戸と対戦。昨季のＪ２で示した爆発的な攻撃力は、果たしてＪ１でも通用するのか。神戸も同じく、攻撃サッカーが持ち味。鄭 大世、レアンドロの両ストライカーの激突も、この試合の見どころとなる。
5年ぶりにＪ１の舞台に帰ってきた札幌は、仙台の本拠地に乗り込む。昨季のＪ２を制した堅守速攻スタイルで、Ｊ１でも旋風を巻き起こせるか。対する仙台は3-4-3の新布陣で、より攻撃性を高めた戦いを標榜する。平山 相太、増嶋 竜也ら新加入選手のパフォーマンスにも注目が集まる。
王者奪還を目指す広島は新潟とホームで対戦。新エースとして期待がかかる工藤 壮人の決定力が、浮沈のカギを握る。大幅に戦力が入れ替わった新潟は、三浦 文丈新監督のもとでいかなる新機軸を打ち出せるのか。ともに昨季と変化が生まれるなか、手ごたえを得られる一戦としたい。
小野 裕二、権田 修一ら実力者を獲得し、戦力アップに成功した鳥栖は、成長著しい若手と強力なブラジル人トリオを擁する柏を迎える。昨季はいずれも上位争いに顔を出した両者が、どこまで進化した姿を示せるか。今季の戦いを占ううえでも、重要な一戦となるだろう。
同じく昨季のＪ１で手ごたえをつかんだ大宮にとっても、上積みを示せるかがテーマに。対するは、昨季までのエース、家長 昭博が移籍した川崎Ｆ。因縁めいた一戦となるが、大宮はホームで意地を示したい。川崎ＦはＡＣＬから中2日での戦いとなる。疲労が懸念されるなか、ハードワークをいかに保てるかが重要なポイントとなるだろう。
唯一、日曜日開催となるのがＧ大阪と甲府の一戦。Ｇ大阪はＡＣＬで快勝を収めており、勢いに乗る。その試合で結果を出した長沢 駿ら攻撃陣が調子の良さをうかがわせているだけに、この開幕戦でも相手を押し込む戦いを演じそうだ。吉田 達磨新監督を迎えた甲府は、持ち前の守備力に、いかに攻撃力を上積みできるかがテーマに。難敵Ｇ大阪相手にその一端を垣間見せ、勢いに乗りたいところだ。
■各試合の見どころをチェック
横浜FMvs浦和
仙台vs札幌
鹿島vsFC東京
清水vs神戸
広島vs新潟
鳥栖vs柏
Ｃ大阪vs磐田
大宮vs川崎Ｆ
Ｇ大阪vs甲府
