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Jリーグチェアマン村井満 メディア出絵N・掲載情報一覧

2016/11/5(土)

【スポーツニッポン掲載・全文掲載】村井チェアマン直言 東京五輪につながるスポーツボランティアの活性化

 10月のある土曜日に、アルビレックス新潟をボランティアの立場で支える方々に現地でお会いすることができた。それは、私からお願いして実現した貴重な機会であった。

 伏線となったのは、さかのぼること約1カ月前、Jリーグがある東京・JFAハウスで「スポーツボランティア・ラウンドテーブル」というミーティングだった。ラウンドテーブルには北は北海道から南は福岡、大分まで127人もの方々が自主的に企画・参加し、有識者による基調講演や代表的なボランティア活動をされている方々によるパネルディスカッション、参加者全員を小グループに分けての情報交換などを行っていた。私がボランティア活動について、これまで以上に関心を持つきっかけとなったのは、ここでの参加者の圧倒的な当事者意識の高さだった。

 ボランティアの皆さんはJクラブにとって貴重な「財産」だ。Jリーグ百年構想には、スポーツを「する」「みる」だけでなく「参加する」ことが掲げられている。スポーツボランティアに参加することで、地域との絆が生まれ、与えられる側から与える側に変わっていく。それはそれぞれのクラブに対する「オーナーシップ」の意識の萌芽(ほうが)でもある。

 新潟では、彼らのオーナーシップの高まりの一端を垣間見ることができた。総合病院で働く医師の方は入院患者に対してパブリックビューイングを実施していた。入院患者に病院に関するイメージを聞くと「不安、孤独、苦痛、恐怖」などの負のイメージばかりであり何とかそれを変えていくことで患者にポジティブな生き方を提供したかったのだという。最初は観戦希望者がわずか3人だったが、今ではサッカーに興味のない患者さんも集まり応援の輪ができているのだという。彼はこれを論文にして学会で発表をしている。また、地元の大学生たちは少しでも若い人をスタジアムに足を運ばせようとサークル活動としてさまざまな集客活動に取り組んだり、自主的に使い古したユニホームを集めてミャンマーの子供たちに届ける活動を展開していた。

 彼らはクラブが思うボランティア活動の枠を超えて、地域やクラブに対して強いオーナーシップを持って社会に貢献しようとしている。それは、必ずしもクラブにとって意図したものではないこともあるかと思う。しかし、私はそうしたボランティアをはじめとした市民の主体的な参画こそが最終的にクラブの成長を促すエンジンになるのではと考えている。欧州などサッカーの歴史ある国々ではソシオ制度などの例を見るまでもなく個人がクラブのオーナーとなっているケースも多い。

 2020年東京五輪成功の鍵はボランティアの活躍にかかっているのではないかと思う。オリンピックを自分ごととして捉え、このイベントを成功させるために自らがどう関与し協力できるかを考え、それを実践できた時、初めて東京五輪が多くの人々にとって意義あるものだったと言えるのだろう。スポーツイベントの成功は決して主催者だけでつくり上げられるものではないのだ。

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