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コラム

データコラム 数的有意

2021/12/24 17:00

数字で振り返る2021年の明治安田生命J1リーグ

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12月19日に天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会が閉幕し、シーズンの区切りが付いた。今回は今季のJ1総まとめとして、スタッツからシーズンを振り返ることにしたい。

●警告数歴代最少「Jリーグ史上最もフェアでエキサイティングなシーズン」

審判員として長らくJリーグに貢献してきた村上 伸次審判員、家本 政明審判員が勇退を表明。多くの選手やファン・サポーターらに惜しまれながらピッチを後にした姿は記憶に新しいだろう。Jリーグを盛り上げる仲間である審判員の活躍が光った今季は、J1では過去最多となる15クラブがフェアプレー賞を受賞した。

近年、減少傾向が続いていた1試合あたりの平均警告数は、今季もさらに減少。1993年のJリーグ開幕以来、最も警告数が少ないシーズンとなった。また、今季の1チームあたりの1試合平均ファウル数は10.95となり、2018年から減少傾向が続いている。今季から本格導入されたビデオアシスタントレフェリー(VAR)のサポートや審判員のレフェリング技術の向上、レフェリングスタンダード(判定基準)に対する選手たちの理解度の高まりなど、さまざまな変化が重なり合い、Jリーグは「フェアでエキサイティングなリーグ」に近づいているといえるだろう。

今季3,000分以上出場したフィールドプレーヤーの中でファウル数が最少となったのは、大分トリニータの三竿 雄斗。年間を通してのファウル数はわずか10にとどまった。次いで、柏レイソルの古賀 太陽、ヴィッセル神戸の酒井 高徳がファウル数13で並ぶ。特に、古賀 太陽は年間を通して一度も警告・退場を受けておらず(三竿 雄斗は退場数1、酒井 高徳は警告数2)、極めてフェアなプレーを続けていたといえる。そして、王者・川崎フロンターレで不動の右サイドバックとして存在感を放った山根 視来もまた、37試合に出場して一度も警告・退場を受けずにシーズンを終え、今季のフェアプレー個人賞を受賞している。

●交代枠5のさらなる活用 走行距離とスプリント回数は歴代最多記録を更新

交代枠の拡大はトラッキングデータにも影響を与えている。Jリーグでは昨季の途中から交代枠が5人となり、今季は年間を通してこのレギュレーションが適用された。J1の1チームあたりの交代枠使用率を見てみると、2020シーズン(86.6%)と比べて2021シーズン(89.0%)はより多くの交代枠が使用されていたことが分かる。昨季以上に交代枠が活用され、フレッシュな選手の出場機会が増えた今季は、1試合あたりの平均走行距離、平均スプリント回数の歴代最多記録を更新した(*1)。強度が高く、躍動感のある走りが展開されたシーズンだったといえよう。

個人に焦点を当てると、今季のJ1で最も走った選手は名古屋グランパスの稲垣 祥で、走行距離は歴代1位となる443.6kmを記録した。また、横浜F・マリノスの前田 大然はこちらも歴代1位となる合計1,457回のスプリント数を記録し、今季のスプリント王に輝いている。圧倒的な「走り」を見せる彼らの来季のスタッツにも注目したい。

●得点パターン 上位のチームで「ポゼッションゴール」が目立つ結果に

最後にやや変わり種として、「攻撃時間に着目した得点パターン」から今季を振り返る。
攻撃開始から30秒以上経過して挙げた得点を「ポゼッションゴール」と定義し、過去3シーズンの上位3チームのポゼッションゴール数を比較してみた。

これまでは、ポゼッションゴール数と年間順位との相関関係はあまり見られず、2018年のように上位3チームとポゼッションゴール上位3チームが1つも重ならないシーズンも見られたが、今季はポゼッションゴールの多かった3チームと、年間順位上位3チームが一致。相手に強固なブロックを作られても、丁寧に攻め込んで得点を挙げられるチームが上位に入ったシーズンだった。この傾向が継続されてトレンドとなるのか、それともセットプレーやショートカウンターを得意とするチームが上位に入るのか。2022年のJリーグにおける見どころの1つになるだろう。

(*1)Jリーグでトラッキングデータの計測が始まった2015年以降

(文章/データ提供:データスタジアム株式会社)