本文へ移動

今日の試合速報

第17節 6.1(土) 15:00KO 国立競技場 鹿島vs横浜FM 国立競技場に10,000名様無料ご招待
第17節 6.1(土) 15:00KO 国立競技場 鹿島vs横浜FM 国立競技場に10,000名様無料ご招待

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第23節 広島 vs F東京 レポート】勝負をわけた2分間。F東京、気迫の連敗脱出(07.08.30)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
8月29日(水) 2007 J1リーグ戦 第23節
広島 0 - 5 F東京 (19:04/広島ビ/7,122人)
得点者:'18 梶山陽平(F東京)、'54 赤嶺真吾(F東京)、'87 平山相太(F東京)、'88 福西崇史(F東京)、'89 平山相太(F東京)


★9月5日(水)18:30〜ぴあトークバトル@広島 開催!(盛田剛平選手・槙野智章選手が出演)チケット発売中!!
----------

 なんでもないクロスボールだった。ふわりと浮かんだボールで、明らかに広島GK木寺浩一の守備範囲。木寺が難なくボールをキャッチし、そこから広島の攻撃だ、と誰もが思った。
 しかし、そう思っていない選手が、一人だけいた。F東京のストライカー・赤嶺真吾である。あるサッカー専門誌が発行した選手年鑑に書いてある「体ごと押し込むような泥臭いゴールが持ち味」という彼の特徴を、この時十二分に発揮した。
 木寺がジャンプしてボールをキャッチしようとする、その鼻先に向かって赤嶺は強引に飛び込んだ。もちろん、反則をとられることは覚悟の上だろう。一方、木寺は体を入れずに、ボールを小手先で扱おうとした。その結果、赤嶺の頭は木寺の手に入ろうとしたボールごととらえ、そのまま体ごとゴールネットの中に押し込んだ。
 「反則ではないか」と広島の選手が抗議したが、当事者の木寺は「(キーパーチャージがない)今のルールでは、問題のないプレー。自分が身体でボールを受けに行くべきだった」と悔やむ。しかし、与えたゴールは戻らない。

 その直後、広島は決定的なチャンスを迎えた。佐藤寿人のパスに飛び込んだ高柳一誠がフリーになって、ペナルティエリアの中に飛びこむ。茂庭照幸が必死のスライディングを敢行したため、シュートを打ってもブロックされると判断した高柳は、後ろから走り込んだ柏木陽介にパスを出した。完全にフリー。しかし、ここでF東京GK・塩田仁史は、素晴らしい反応。左手1本で柏木のシュートコースを封殺し、身体を張って決定的なピンチを未然に防いだ。もし、このシーンで広島が1点を返していたら、昨年のように0−2からの逆転劇が生まれたかもしれない。2−0でF東京がリードしていたが、流れの中で攻撃の形をつくっていたのは広島だったからだ。

 前半から、F東京は強烈なプレスをかけてボールを奪っていた。しかし、広島の決定的なミスに乗じたもの以外は崩した形でのシュートはなかった。先制点も、約30mもの長距離から梶山陽平が放った驚異的なドライブシュートがネットに突き刺さったからこそ。決して自分たちの意志で広島の守備を崩せたわけではない。
 一方の広島は、試合開始早々こそF東京の気迫の前に出足が遅れてボールをキープできない時間が続いた。しかし、30分以降はボールを支配。特に高柳一誠が積極的なプレーを見せ、前線を追い越すプレーを何度も見せたことで、F東京の守備陣は混乱に陥った。ボランチに復帰した今野泰幸の驚異的な運動量とカバーリング能力で決壊を防いでいたが、それでも37分に放った森崎浩司のヘディングシュート、さらに前半終了間際に放った森崎浩のポストに当たるシュート。この2つの決定的なシーンで失点していたら、F東京・原博実監督の言うように、試合はどう転んでいたかわからない。
 連敗中のチームにとって、自信とは砂上の楼閣のようなもの。少しでもネガティブな要素が生まれた時、芽生えかけた自信はもろくも崩され去っていく。もし、塩田のビッグセーブがなかったら、F東京の選手たちをネガティブな思いが包んでしまったかもしれない。一方の広島は、さらに勢いに乗じたことだろう。54分から56分にかけて起こった2つの出来事は、結果としてF東京に歓喜を、広島に屈辱を与えた。

 終了間際、ロスタイムを含めて6分間で広島は3失点を喫した。すべて個人的なミスによるもので、心が折れたと批判されても仕方はあるまい。確かに、疲労はあっただろう。しかし、プロとして気持ちが萎えたようなプレーだけは、ホームのサポーターに見せてはいけなかった。そこも含め、チーム全体としてこの試合で起こった出来事を総括し、その上で週末の試合に臨みたい。戸田和幸の言うように「下を向きすぎること」は厳禁だが、一方で「恥ずかしい試合をしてしまった」という佐藤寿人の言葉も、真実なのだ。

 F東京は、気持ちで勝利をもぎとった。攻守に大車輪の活躍を見せた今野、バランスをとった栗澤僚一、2点目の起点となるアグレッシブなボール奪取を見せた金沢浄。交代出場して2得点をあげた平山相太や4点目に絡んだ鈴木規郎も含め、全員が熱い気持ちを広島にぶつけた。茂庭の言うように「必死で走ることが相手のミスを誘う」というプレーが、この日は全員ができていた。気持ちも身体も疲れている状況で見せつけた闘志こそ、勝利を生んだ最大の要因だ。ホームで惨敗を喫した広島の選手たちは、この日のF東京の選手たちが見せた迫力を、その瞳の奥に焼き付けておく必要があるだろう。


以上

2007.08.30 Reported by 中野和也
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
サッカーのポジション解説
サッカーの試合時間・タイムルール
インテンシティ
オフサイド
ビルドアップ

テレビ放送

一覧へ

明治安田J1リーグ 第10節
2024年4月27日(土)14:00 Kick off

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/04/25(木) 00:00 ハイライト:奈良vs広島【ルヴァンカップ 1stラウンド 2回戦】