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【J1:第34節 山形 vs 広島】レポート:宮崎の先制ゴール実らず。広島の攻撃力に逆転を許し、山形は6連敗でフィニッシュ。(11.12.04)

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12月3日(土) 2011 J1リーグ戦 第34節
山形 1 - 3 広島 (15:34/NDスタ/7,016人)
得点者:11' 宮崎光平(山形)、54' 森脇良太(広島)、76' 佐藤寿人(広島)、88' 山岸智(広島)
スカパー!再放送 Ch181 12/4(日)後02:30〜
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立ち上がりからほとんど攻撃が機能していなかった山形に訪れた、最初のチャンスは11分。佐藤健太郎のパスを受けた秋葉勝が中央で待つ山崎雅人を見ながら、その奥にできたギャップめがけてボールを入れる。追いかける山崎。逆サイドからカバーに絞ってきた森脇良太がクリアをミスすると、飛び出したGK西川周作とも交錯。こぼれたボールに走り込んできたのは、宮沢克行とサイドを入れ替えていた宮崎光平だった。無人のゴールに落ち着いて蹴り込み、山形が先制。この試合を最後に山形を離れることが決まっていた宮崎の、惜別のゴール。そして山形にとっては、ようやく6試合ぶりに揺らしたゴールネットだった。

降格が決まり、ここへ来て無得点での5連敗。複数失点も続いている。何度トライしても跳ね返されながら、それでもチームの蘇生をあきらめない決意は、攻撃的な広島に対する守備的な戦術に表現されていた。ミキッチに攻め上がるスペースを与え、何度かクロスを上げられはしたが、中央では西河将吾を中心に跳ね返し続け、30分には山岸智の左クロスから李忠成がオーバーヘッドで狙ったシュートもクロスバーに助けられた。それでも、サイドにスペースが空くのは想定内。「少し引いてくさびを奪うというところは予定どおりうまくいった」(小林伸二監督)と、もっとも危険な中央でのコンビネーションを使わせない狙いは遂行していた。ただし、奪ったあとにサイドハーフを押し上げて相手のウィングバックを下げさせ、宮本卓也、山田拓巳の両サイドバックに自由度の高い状態で攻撃をさせる目的は果たせていなかった。2トップが広島のボランチをケアして深めのポジションからスタートしたこと、両サイドハーフがタッチライン際で引っ張られる形で守備をしていたことなどもあり、ボールキープがままならない状態が続いたことで、守備に追われる時間ばかりが増えていた。折り返し時点のスコアは1-0と山形のリード。しかし、ボールを回した広島と回された山形の間には、消耗度に大きな差があった。逆転への土台は着々と固められていた。

後半開始から、広島はトミッチや森脇が高い位置でプレーし、山形に強烈な圧力をかける。そして奪った54分のコーナーキック、ファーサイドでトミッチが折り返したボールを宮崎が中途半端に前にこぼすと、猛然と突っ込んできた森脇が右足を振り抜いた。低くて速い弾道はGK植草裕樹の手を弾き、ポストもかすめて枠の中へ。同点とされた山形は手詰まり感のある攻撃を選手交代で活性化させようと試みる。73分には宮本が広島のペナルティーエリア内に進入して倒れるもファウルはなし。この直後には途中出場のムジリのスルーパスに佐藤寿が飛び込んだが、植草が体を投げ出してコーナーに逃れた。

振り子の揺れはさらに続く。75分、宮本のボール奪取から秋葉、山崎と右タッチラインに沿ってつなげられたボールは、ゴールライン手前からグラウンダーのクロスに。長谷川悠がニアで囮となり、中央に飛び込んだ途中出場の太田徹郎は不十分な体勢からシュートを狙ったが、枠をとらえられず。この決定機直後のプレーで、今度は広島がカウンター。右サイドに開いた青山敏弘にボールが渡る。巻いてキーパーの手前に差し込むクロスに、センターバックの間を抜けて飛び込んだ佐藤寿が植草のすぐ横を抜くシュートを決めて逆転。さらに終盤には高萩洋次郎からのスルーパスで前を向き、相手を引きつけた佐藤寿が山岸のシュートをお膳立てして3点目。ゴール前での精度の違いを見せつけた広島が、ペトロヴィッチ監督とともに戦う最後の試合をモノにした。

「アウェイでああいった一方的なゲームをするというチームも日本を探してもなかなか見つからないと思いますし、我々はもっともアイディアの多い、すばらしい展開をするサッカーができるチームだなということを改めて確認できた、そういったゲームだったと思います。今日も我々の最後のゲームで、見にきてくれたお客さん、そしてファンに、すばらしいゴールをプレゼントできたかなと思います」。ペトロヴィッチ監督は、誇らしげに選手をたたえた。昨シーズンと同じ7位をキープ。それでも、築き上げたチームを去らなければならない無念さも同時に滲ませた。

対照的に、山形は6連敗。先制点を奪い、守備の粘り強さの片鱗は見せたものの、失点は防ぎきれず、課題は修正されないまま最下位でJ1の舞台を下りることになった。そしてこれを機に小林監督が退任し、山形の歴史にひとつのピリオドが刻まれることになる。結果を出せなければ降格する。その厳しさは身にしみるものがあるが、6-2と衝撃的なスコアで初陣を飾って以降の3シーズンは、山形にとってかけがえのない時間であったことに疑いはない。ここで得た多くの教訓を咀嚼しながら、さらに大きなクラブとなるための戦いは、もう始まっている。

以上

2011.12.04 Reported by 佐藤円
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