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【J2:第25節 鳥栖 vs 仙台】レポート:采配意図が通じた仙台が、逆境を跳ね除けて鳥栖を撃破。チーム戦術が徹底されず、無念の敗戦を喫した鳥栖。勝点差以上に差が付いた鳥栖対仙台。(08.07.10)

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7月9日(水) 2008 J2リーグ戦 第25節
鳥栖 1 - 2 仙台 (19:04/ベアスタ/4,496人)
得点者:44' 廣瀬浩二(鳥栖)、64' 岡山一成(仙台)、72' 梁勇基(仙台)
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ピッチに選手を送り出した監督の心境はどんなものだろう。
我々は、試合後のコメントでそれを図り知るしか術がない。今節の鳥栖対仙台は、まさに指揮官の意図の通じ方の差が結果となって現れた試合だった。

先手を取ったのは鳥栖。前半のアディショナルタイムに入った瞬間だった。
立ち上がりこそ、仙台のパスワークに押し込まれる『瞬間』はあったものの、全体を通すと前半は鳥栖の支配下にあった。その結果が、MF廣瀬浩二の今季初ゴールだった。右サイドでボールを受けたDF高地系治が、サイドを駆け上がったDF日高拓磨にボールを落とした。日高は迷わずセンタリングを選択し、そのボールは仙台DF岡山一成の頭を経由して廣瀬の足元に入った。「狙って思い切って打った」(廣瀬/鳥栖)シュートは、仙台ゴールのネットを揺らし、前半45分間の鳥栖戦士たちの奮闘を結果として残した。

先制点をあげた鳥栖は、今節までは負けが無い。しかも、勝っている状態でハーフタイムに入ることができる。最北のJ2チーム仙台は、長距離の移動のうえに、中3日での戦い。試合開始時点で、30度のBAスタジアム。全ての条件は、鳥栖を優位に傾けてくれていた。案の定、後半の入り方も鳥栖の思惑通りだった。

しかし、90分の試合時間の中には多くのドラマが起きる要素が隠されている。それを引き出すのには、様々な理由がある。
試合後の岸野監督(鳥栖)のコメントを引用する。
「1−0で勝っている時、名前は出せないが、チーム戦術をできなかった選手がいる」
優位に進めることができるはずの試合を、岸野監督の意図とは違う形で試合に入った選手がいたそうだ。

少なくとも、残り45分の試合運びに微妙なニュアンスで狂いが生じてきていたことは、容易に察しがつく。そこに手倉森監督(仙台)の意図が働いた。57分に、今節が5試合目の出場となるMF飛騨暁を投入した。ここも、試合後の手倉森監督(仙台)のコメントを引用する。
「ドリブルで仕掛けられるのは関口(MF関口訓充)1人だったので、2枚に増やしたいと思った。(中略)ランニングというところがもの足りなかったので、2列目から加速して暁(飛弾)を入れ、一気にアタッキングサードに入ろうと思った」
この意図を、飛騨はピッチ上で実践し勝点3を得るための2得点を引き出した。

1点目は、飛騨のDF裏への飛び出しから生まれた。中盤からのロングボールを引き出した飛騨は、左サイドで鳥栖ゴールにドリブルを仕掛けた。これが鳥栖DFの反則を誘い、FKからDF岡山一成のヘディングシュートを生むきっかけとなった。
単なる同点ゴールとなっただけではない。逆境の中の仙台に活力を与え、「ウチは勝とうという気持ちがあった」(飛騨/仙台)とチームが一丸となる起爆剤となった。
2点目も、飛騨のゴールに向かう姿勢が引き出した。鳥栖DF日高と競り合いながらも、バランスを保ちボールをコントロールしようとしたプレーに反則を引き出した。ペナルティエリア内での競り合いは、PKとなってMF梁勇基の決勝点となった。

試合後の両監督のコメントは、結果論かもしれない。しかし、試合中に起きている『駆け引き』と『選手を送り出した意図』は容易に想像できる。敗者の岸野監督(鳥栖)は『チーム戦術をできなかった』訳であり、勝者の手倉森監督(仙台)は、『0−0でいこうとした割には満足しています』と意図以上の結果を導き出したことになる。

サッカーは、ピッチ上は11対11のチームプレー。しかし、その11人の『チーム力を最大に引き出す』ために、5人(J2ディビジョン)がベンチに控えている。そして、この日ベンチ入りをしなかったチームメイトの想いが、この16人の責任とパフォーマンスをより高いものにしている。結果を出すことができた仙台の飛騨は、素晴らしい活躍を見せてくれた。決勝点となった彼のドリブルは、ベテランMF永井篤志の思いを乗せた1本のロングボールから始まった。今節の結果は、「僕ら(仙台)の意気込みに押された部分があると思う」と言う飛騨(仙台)の言葉が全てを物語っている。

ボディーコンタクトが許されるサッカーは、自分の意図だけではボールをコントロールすることはできない。
同じ目的を持つ味方のサポートと味方を信じる気持ちが、ボールコントロールの正確性を増していく。
その集合体がチームプレーとなり、観ている人に感動を与え、よりサッカーに惹き込むことができる。
選手だけでなく、ベンチにいるスタッフも、試合を運営しているクラブ関係者も一体になって戦っている。
それを鼓舞することができるファンとサポーターも、サッカーと言うドラマの出演者であり、間違いなく『意図あるプレーを支えている』配役の一つである。

これだから、サッカーを見飽きることが無い。

以上

2008.07.10 Reported by サカクラゲン
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