富士見小学校の児童617人が待つ校庭へ向かうと、目に飛び込んできたのは、それはもう見事な芝生の校庭でした。富士見小学校では、2009年9月に校庭の半面を芝生化、10年8月に全面芝生化が実現しました。
第1部の式典では、加藤昌洋（かとうまさひろ）校長から、「お父さん、お母さん、地域の人たちの願いがかない、富士見小学校の校庭はこんなに素晴らしい芝生になりました。芝生は生きています。みなさんに3つのお願いがあります。(1)石があったら拾いましょう。(2)雑草があったら取りましょう。(3)芝生を痛めたら砂を置きましょう」というお話がありました。児童を代表して6年生の高田直哉（たかだなおや）くんからは、「土のグラウンドでサッカーをしていたときは、スライディングや転んだりするとけがをすることもありましたが、芝生になってからはスライディングをしても痛くなりません。富士見小学校の魔法のじゅうたんは最高に気持ちがいいです。次に使う人のことを考えて、きれいな芝生を守っていきます」と立派なあいさつを聞くことができました。
第2部はお楽しみの「ふれあいスポーツ教室」です。低学年、中学年、高学年と3グループに分かれ、ラグビー教室、休憩、サッカー教室とローテーションで実施されました。サッカー教室では、Ｇボールを使ったバランス運動や、サッカーボールを使ったボールタッチやゲームで汗をかきました。Ｇボールでバランスを崩しても、みんな芝生の上でゴロゴロと気持ち良さそうに転がります。城さんは、「こんなに広い芝生のグラウンドで遊べるなんて、きみたちが本当にうらやましいよ」と大粒の汗をふきながら一緒に芝生の上を転がっていました。ジュビロ磐田のコーチの掛け声で、ジュビロくん、ジュビィちゃんもＧボールにチャレンジしました。
ラグビー教室では、最初にプロ選手の迫力あるパス交換やラインアウトを見学しました。児童を代表してラインアウトに挑戦した女の子は、見事キャッチに成功。「来週からジュビロの練習に参加してください」とコーチから褒められました。次は、クラス対抗でのパスリレーです。ラグビーボールはサッカーとは異なる楕円（だえん）の形をしています。パスの連係がうまくいかず、芝生に落としてしまったボールはどこに弾むか分からないので、みんなで一生懸命に追いかけていました。リレーの次は現役選手との綱引き勝負です。ジュビロの選手9人に対し、富士見小学校の児童30数名（1クラス）という勝負では、パワーあふれる選手チームが勝ちますが、児童に先生も加わると小学校チームが勝つこともありました。それではと、Mr.ピッチがラグビー選手チームに飛び入り参加するなど、大いに盛り上がりました。コーチからは「みんなで力を合わせれば、どんなことでもできます」と、協力することの大切さを教わりました。
サッカーもラグビーも綱引きも、転ぶことはよくありますが、芝生に転がったときの笑顔はとても楽しそうでした。高田くんが話してくれた「魔法のじゅうたん」には、みんなを幸せにする力があるようです。
