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2011/05/21

第10回 日本ブラインドサッカー選手権大会[B1大会]開催

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5月21、22日の2日間に渡って、福岡フットボールセンターで「第10回 日本ブラインドサッカー選手権大会[B1大会]」が行われました。

ブラインドサッカーとは、視覚障がい者のために考案されたサッカーのこと。1全盲クラスはボールに鈴が入っていること、互いの条件を一緒にするためにGKを除く全員がアイマスクをしていることを除けば、ほぼフットサルと同じルールで行われます。選手たちが頼りにするのは、ボールが転がるたびに鳴る鈴の音と、ピッチ内の仲間の声、そして晴眼者であるGK、監督、コーラー(攻撃の指示をする人)の指示。それらの情報をもとに、自分とボールの位置を確かめ、そしてゴールを目指します。驚かされるのは技術レベルの高さ。「私たちは本当のサッカーをすることを目指しています」と話す釜本美佐子日本ブラインドサッカー協会会長の言葉通り、目の前で繰り広げられる試合はまさにサッカー。ピッチに入るまでは仲間に手を引かれている選手たちが、ピッチに入ると何不自由なくボールを操る姿に、会場のあちこちで感嘆の声が上がっていました。

今大会で最も前評判が高かったのが、大会3連覇中のAvanzare(アヴァンツァーレ)です。元日本代表のエース田村友一選手を中心に、華麗な攻撃サッカーを展開するチームの実力は大会随一。評判通りの実力を見せて、順当に決勝戦進出を果たしました。そして、最も注目を浴びていたのが、開催地福岡の期待を一心に担うラッキーストライカーズ福岡でした。チームが結成されたのは8年前。「サッカーがやりたい」という福岡高等盲学校の生徒の声に応え、渡辺修さん(九州ブラインドサッカー支援会代表)がチームを立ち上げ、その活動とブラインドサッカーの普及をアビスパ福岡が支援してきました。ラッキーストライカーズ福岡の目標は地元開催大会での初優勝。アビスパ福岡ホームタウン推進部のコーチとともに激しいトレーニングを重ねての出場でした。その成果が表れて、グループリーグを2位の成績で勝ち抜いたラッキーストライカーズ福岡は、準決勝で、今まで一度も勝ったことがない多摩ハッサーズに1-0で競り勝ち、見事に決勝戦進出を果たしました。

決勝戦は、ラッキーストライカーズ福岡が先制し、アヴァンツァーレが同点に追いつく白熱した展開。試合は1-1のままタイムアップを迎えるかと思われましたが、残り数10秒となったところで田村選手が見事な決勝ゴールを挙げ、アヴァンツァーレが4連覇を達成しました。「拮抗した時間が続きましたが、最後の最後で点を取ることができて良かったです」。そう話してくれたのは、アヴァンツァーレを勝利に導いた田村選手。そして、「田村選手が僕より1枚上手だったということ。来年は彼に負けないプレーをして、優勝したいと思います」と話してくれたのは、ラッキーストライカーズ福岡の森亮太選手。決勝戦の1ゴールを含め6ゴールを決めて、大会MVPに選ばれました。
優勝を争った両チームをはじめとする参加全選手の数々の名プレーを私たちの目に焼き付けて、「第10回 日本ブラインドサッカー選手権大会[B1大会]」は幕を閉じました。

ブラインドサッカーの素晴らしさは、選手たちが見せてくれるプレーにだけあるのではありません。それは晴眼者との協力がなければ成り立たないスポーツ。補助する者と補助される者という関係ではなく、晴眼者と選手が同じ立場で試合に参加し、それぞれが力を合わせることで成り立っています。日本ブラインドサッカー協会・事務局長の松崎英吾さんは次のように話します。
「机上の教育では互いの間にある壁を取り除くのは簡単ではありませんが、スポーツで触れ合うだけで、その壁は一瞬にしてなくなります。特にサッカーは強力なツールで、彼らのプレーを見る、あるいは一緒に蹴るだけで、それまでの関係がガラリと変わります」
大会では、選手たちと子どもたちによる「ユニファイド・スポーツ」も併せて行われました。「ユニファイド」とは「統一」や「融合」を意味する言葉で、障がい者と健常者がスポーツの場を共有することで交流を深め、ひとつになろうというもの。その言葉通り、最初は緊張していた子どもたちも、ボールを蹴るうちに選手とすっかり打ち解けて、最後は憧れを伴った目で見つめているのが印象的でした。

さて、今大会は「勇気の先に自由がある」というテーマで行われました。三原健朗選手(ラッキーストライカーズ福岡)は「この言葉こそ、まさにサッカーをしている時に僕たちがいつも思っていることです。勇気がないと一歩を踏み出せません。でも、勇気を出して一歩を踏み出せば、自由にピッチの上を走ることができるんです」と話します。そして、その姿は、会場に足を運んだすべての人に、勇気を持つことの大切さを教えてくれました。「これだけの感動を人に与えられるというのは、すごいなと思います。本当に選手には感謝しているし、そうした感動を生んでくれるサッカーって本当に素晴らしいなと思いました」(村山仁允アビスパ福岡ホームタウン推進部コーチ)
「勇気の先に自由がある」という言葉は、私たちにも向けられた言葉でした。

「最初は点と点だったサポートが、線と線になり、さらに面と面になってきていることを、ここ数年、実感しています。特に今大会は、アビスパ福岡さんが8年前からブラインドサッカーの活動を支援してくれていることで、ボランティアのみなさんをはじめ多くの方が参加してくださり、地域の支援が面になった大会で、ブラインドサッカーの成長を示す重要な大会になりました」(松崎事務局長)

素晴らしい2日間。参加したすべての人たちに、勇気と感動を与えてくれた大会でした。

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