８月６日～９月５日にかけて、川崎フロンターレではＵ－１５B所属選手（16名）を対象にＪリーグ版よのなか科を実施致しました。
プログラムの進行役は、育成部（育成プロジェクトグループ）コーチの藤原隆詞さん。
川崎フロンターレでは、よのなか科の取り組みは４年目になります。5回のプログラムでは、クラブの経営、Ｊリーグの理念、サッカーをとりまく職業、それぞれの職業に必要な「意志」「役割」「能力」、選手自身の５年後のキャリアイメージプランについて考えました。
この「よのなか科」、今年ファシリテーターを務めた藤原さんが強く意識したのは、毎回、その内容に精通した、いわゆる“本物”をゲストティーチャーとしてお招きすることでした。
第１回の「Ｊクラブをとりまく“お金”から仕組みを考える」では、藁科義弘社長から、社長の経営に関する考え、さらには、地域の皆さんにとって川崎フロンターレがより身近な存在となるようにどのようにしていきたいかその想いを熱く語っていただきました。
第２回の「Jリーグがめざすものを考える」では、スポンサーセールスグループの金城雄貴さんが、授業の内容に関連させながらフロンターレの活動を力説、選手たちにとってフロンターレを知る上でとても有意義な時間となりました。
次に第３回、第４回。これらの授業は“職業”に関する内容でしたが、ここでもゲストティーチャーの素晴らしいレクチャーがありました。社内からのゲストとして、広報グループの米田和雄さんを招き、実際にプロサッカー選手たちが試合後に受けるインタビューゾーン（MIXゾーン）にて、その業務内容をリアルに説明、さらには堂々とインタビューに受け答えることの重要性なども話していただきました。また、社外ゲストとして、オフィシャルフォトグラファーの大堀優さんをお招きしました。大堀さんは、カメラマンとしての仕事ぶりを熱く語るだけではなく、シャッターを押すタイミングを間違ってしまったなど、仮に失敗したとしてもそれを引きずることなく「次へ切り替える気持ちをもつことが大事！」と、気持ちの持ちよう、メンタル面でのアプローチまでしていただきました。
そして最終回。第5回の「自分のキャリアイメージプランを考える」では、トップチーム選手の安藤駿介選手（ＧＫ）と板倉滉選手（ＤＦ）の２人がゲストとして登場。彼ら２人はともにアカデミー出身の選手、今回受講しているU-15Bの選手たち同様、中学生年代をフロンターレで過ごしてきた選手です。プロサッカー選手として日々考えていること、取り組んでいることはもちろんのこと、「アカデミー時代は、怒られたり辛いこともあったし、正直、サッカーに気持ちが入らない時期もあった。ただ、そんな時ほど、自分にとってサッカーとは何なのかを考え、やはり“サッカーが好きだ！”という気持ちに立ち返れたし、このエンブレムをつけていることの重み・責任感を再認識することで気持ちが引き締まり、そんな時期を乗り越えられた」「アカデミーに所属している時点で、“プロ”にいちばん近い道！その道にいるのだから、自分でさらに切り開いていくべき!!」など、“先輩”選手として、価値ある心に響く素晴らしい話をしてくれました。
選手たちは、このよのなか科を通じて、Ｊリーグの産業構造を学び、サッカーに関わるさまざまな職業の存在を知り、自らの将来を考える意識が高まりました。と同時に、競技者としての人間性・社会性の形成、コミュニケーション能力の必要性を理解し、川崎フロンターレでトップチームに上がりたい、プロサッカー選手になりたいという想いを強く持ったようでした。
全５回の授業、それぞれで“本物”に触れたこのよのなか科。
今後の彼らに期待を抱きながら、いつしか、彼らが“本物”となるよう、その成長をサポートしていきたいと思います。
写真提供／川崎フロンターレ
なお今回は、２０１５年度Ｊリーグ版よのなか科ファシリテーター養成講座（※）の一環して開催されました。※http://www.jleague.jp/release/post-35137/
