2016年10月8日（土）～11月19日（土）にかけて、Ｙ．Ｓ．Ｃ．Ｃ．横浜ではＵ－１３所属選手（約50名）を対象にＪリーグ版よのなか科を実施致しました。
プログラムの進行役は、Ｊリーグ選手ＯＢの田辺和彦さん（アディダス ジャパン株式会社）。
Ｙ．Ｓ．Ｃ．Ｃ．横浜では、よのなか科の取り組みは3年目になります。5回のプログラムでは、クラブの経営、Ｊリーグの理念、サッカーをとりまく職業、それぞれの職業に必要な「意志」「役割」「能力」、選手自身の５年後のキャリアイメージプランについて考えました。
第１回の「Ｊクラブをとりまく“お金”から仕組みを考える」では、クラブ経営を通して世の中の仕組みを学びました、クラブ経営がどの様に成り立っているかを知ることで、選手達自身がＹ．Ｓ．Ｃ．Ｃ．横浜に対する認識や、自らのクラブにおける存在の重要性の理解を深めていきました。また、吉野次郎理事長から、クラブ経営に関する考えや想いを、熱く語っていただきました。クラブのトップの方から直接お話を聞けたことで、選手達にとって、大きな刺激となりました。
第２回の「Ｊリーグがめざすものを考える」では、違う立場、逆の立場にたって考えることで、Ｊリーグが目指しているものを学んでいきました。この年代では難しいチャレンジでありましたが、選手たちが積極的に発言をし、真剣に取り組んでいたことが非常に印象的でした。ホームタウン普及部の吉野三郎さんに、よのなか科の内容に関連させながらＹ．Ｓ．Ｃ．Ｃ．横浜で日頃から実施をしている地域活動を語って頂きました。選手たちにとって、クラブとＪリーグが目指すものが合致していること、地域でのＹ．Ｓ．Ｃ．Ｃ．横浜の存在の重要性を知る有意義な時間でした。
第３回、第４回の授業は、“職業”に関する内容でした。
サッカーと関わる職業がどれだけあるか、選手自ら考えることで、サッカー界の仕組みの理解が深まりました。選手達も積極的に取組み、多くの職業を授業内で挙げていました。また、職業に就いている方の「意志」「役割」「能力」についても、審判やカメラマンの方のビデオメッセージを通して学びました。
ゲストティーチャーとして、エル ゴラッソから高澤真輝さん、クラブから、アスレティックトレーナー吾妻直幸さんを招き、業務内容を詳細に説明頂きました。高澤さんからは、自身が現在の職業にどの様な「意志」をもって就いたか熱く語って頂きました。吾妻さんからは、アスレティックトレーナーの「能力」として、選手と沢山話をすることが大事という、選手達が想像をしていなかった内容を、自身の体験談も踏まえて説明を頂きました。
選手達にとって、違う視点から職業を学べた、大きな機会でした。
最終回。第5回の「自分のキャリアイメージプランを考える」では、トップチーム選手の10番 吉田明生選手（MF）から、ビデオメッセージが届きました。サッカー、クラブに対する想いを熱く語り、最後は今後の選手に向けてメッセージもありました。5年後のキャリアプランを考えるにあたり、吉田選手が中学時代はどの様な意志を持って日々行動していたか、選手自らの声を聴くことで、イメージが湧いてきたようです。
最後には、選手たちが考えた、5年後の自分を全体の前で発表を致しました。
各自、非常に堂々と発表をしており、5回を通しての成長が感じ取れました。
選手たちは、このよのなか科を通じて、Ｊリーグの産業構造を学び、サッカーに関わるさまざまな職業の存在を知り、自らの将来を考える意識が高まりました。
回を重ねるにつれて、このよのなか科の目的でもある、「サッカーとこれからの自分の関わり方を考える」「競技者として必要な思考力のトレーニング」ということを、より強く意識して、各授業に臨んでおりました。プロサッカー選手になりたいという漠然だった目標が、よのなか科を通して、明確化されてきたと思います。
今後、全5回の授業で、選手達が学んだことを、ピッチ内外問わず体現していくことに期待をし、5年後として描いた自分に近づけるような行動を意識してもらいたいと思います。
写真提供／Ｙ．Ｓ．Ｃ．Ｃ．横浜
なお今回は、２０１６年度Ｊリーグ版よのなか科ファシリテーター養成講座の一環として開催されました。
