このトレーニングではより決断力のある前方向へのプレーと、個々の選手のレベルアップに重点が置かれています。
前回のトレーニングでは、ハイプレス、トランジション(攻守の切り替え)、そして前進するための繋がりを理解することが目的でしたが、今回はより早いタイミングでの積極的な前進プレーと、ボール保持時における個人の責任にフォーカスが移されています。
選手たちは、チャンスをより早く見極め、迷いなくプレーし、縦方向のプレーに伴うリスクとリターンを受け入れることが求められます。
全体の構造はこれまでと同様で、3チーム・3つのゾーンの中で、ポゼッション、前進、トランジションが常に行われる形式となっています。
しかし、チーム人数や制限ルール、得点条件にわずかな変更を加えることで、トレーニングの学びは大きく変化します。
その結果、よりスピーディーでダイレクト、かつ個人にフォーカスされた戦術的トレーニングとなり、フィジカル・メンタル・戦術面の準備だけでなく、判断の速さ、実行力、そして責任感の向上にもつながります。
このトレーニングは、3人1組の3チームで行い、より少人数で個人にフォーカスされた環境を作ります。そのため、一つひとつのプレーの影響がより大きくなります。
ピッチは3つのゾーンに分けられ、それぞれに1チームずつ配置されます。中央のチームは守備役となり、両サイドの2チームがボールを保持します。
各チームが3人と少人数であるため、個々のプレーがより重要になります。その結果、学びの質と個人の責任感がより高まります。
得点方法
チームは、以下の2つの方法で得点できます
プレーの流れ
トレーニングの進め方
このトレーニングでは、より縦方向への前進意識と高強度のプレーを繰り返すことに明確な重点を置いて進行していきます。
また、4チームで行う場合は、ローテーションによってバランスと競争性を維持させます。
ロジャー・シュミットのトレーニング全般に共通しているように、ここでも小さなルールの変更を意図的に使い、選手のプレーや判断を引き出す設計となっています。このトレーニングでは、2つの重要な調整によって、より早い前方向のプレーと、即時のカウンタープレスに重点が置かれています。
1. パス数の制限
このトレーニングの大きな特徴は、「最低パス数」ではなく「最大パス数」に制限が変わっている点にあります。チームは最大5本までしかパスができないため、選手は次のようなプレーを求められます
ボールを回してゲームをコントロールするのではなく、ここではより一層、前へ進めるプレーが求められます。
「最低パス数」と「最大パス数」の違いこのシンプルな変更によって、ラインを突破するパスや前方向へのプレーの回数が大きく増えることが期待されます。
2. 得点ルールとカウンタープレスの時間
この得点ルールは、非常に効果的に選手の行動を引き出す仕組みになっています。ボール保持側は逆サイドのゾーンへ展開することで得点できる一方で、守備側はボールを奪ったあと、すぐに得点するのではなく、短いパスをつないでから得点しなければなりません。
この「少しの遅れ」によって、意図的に次の状況を生み出します。
つまり、ボールを失うことはプレーの終わりではなく、次のアクションの始まりになるのです。
守備側がパスをつないでいる間に、ボール保持側はすぐにプレッシングに行き、コーチへのパスをインターセプトします。
指導のポイントと選手育成
このトレーニングは、チームとしての枠組みの中で、個人の成長を引き出すことを目的に設計されています。
少人数で行うことでこの環境の中で、プレーの実行力とメンタルの両面に負荷をかけ、成長を促していきます。
選手には次のことが求められます。
リスクを避けるのではなく、思い切ってプレーすることが成長につながります。
これらの目的によって、選手は常に縦方向のプレーを意識して、迷わずにプレーしながら積極的に前へ進む感覚を持つようになります。
そのためには、トレーニングの中で具体的で分かりやすいポイントを継続的に提示して行くことが大切になります。
この3v3+3のトレーニングはこれまでのトレーニングで学んできたプレッシングとトランジションの原則をそのまま発展させた内容であり、前方向へのプレーとカウンタープレスにより一層フォーカスしています。
さらに、個々の関与と責任を高め、プレッシャーの中での判断力と実行力をスピードアップさせ、すべての局面で主体的にプレーする姿勢を強化するトレーニングとなっています。