このトレーニングは、後半のテーマ「前進プレー&カウンタープレッシング」における一連のトレーニングの締めくくりとなるものであり、より実戦に近い大人数のゲーム形式へ移行する前の最終ステップに位置づけられています。
3つのトレーニングを通して、共通となるベース(原則)を構築しながら、各トレーニングでは意図的に重点を変えて設計されています。
すべてのトレーニングは複数の局面(攻撃・守備・トランジション)を含んでいますが、それぞれのトレーニングでは、あえて一つの重要な行動を強調して設計されています。
これら3つのトレーニングを組み合わせることで、選手はプレッシャーの中でも落ち着いてボールを保持する力、ゴールに向かって前進する意識、そしてボールを失った直後に奪い返すカウンタープレスを、同時に発揮できるようになります。
その結果、次に行うより実戦に近いゲーム形式の中で、これらの要素を一体として表現するための準備が整います。
このトレーニングは、トランジションの局面を最大限に引き出し、あえて強調するように設計されています。
その狙いは、ロジャー・シュミットのゲームモデルにおいて最も重要なフェーズの一つである「ボールを失った直後のリアクション」を、繰り返しトレーニングすることにあります。
このトレーニングでは、攻撃・守備といった局面を分けて考えるのではなく、プレーが途切れることのない連続した流れの中で、選手は次のような状況を繰り返し経験します。
目的はシンプルであり、かつ明確です。
可能な限り素早く、理想は即座にボールを奪い返し、その瞬間を次の攻撃の起点とすることにあります。
ピッチ設定
このトレーニングは、連動する2つのエリアで構成されています。
配置
2チーム制
本トレーニングでは、黄色チームを主な学習対象として進めていきます。
1. 狭いスペースでのボール保持(内側エリア 4対2)
この制約によりプレーの難易度が意図的に高められ、自然とミス(ボールロスト)が生まれやすくなります。
それによって、このトレーニングの核となる「トランジションの瞬間」が引き出される設計になっています。
2. 狭いエリアから広いエリアへ展開する
黄色がボールを失った瞬間、またはボールが内側のエリアを出た瞬間に、プレーはすぐに外側の広いエリアへと展開されます。
3. カウンタープレスの攻防
このフェーズでは、ボールを失った側がすぐに奪い返しにいく連続した攻防が展開されます。
この設定により、1つのプレーの中で2回、3回とボールの奪い合いが連続して発生し、混沌としながらもコントロールされたトランジションの環境が生まれます。
各プレーは、シュートで終わるかボールが外に出るまで続き、最大でも30秒で区切ります。
このような構成にすることで、常に高い強度を保ちながら、このトレーニングの狙いである「トランジションの決定的な瞬間」を繰り返し経験できるようになります。
このトレーニングのすべての要素は、トランジション、特にカウンタープレスの局面を引き出し、強調するように設計されています。
これらの要素を組み合わせることで、ボールロストと奪い返しの回数が増え、カウンタープレスの機会が繰り返し生まれるとともに、実戦に近い状況が再現されます。
1. 即時リアクション ― 迷わない
ボールを失った瞬間こそ、このトレーニングの中で最も重要な局面です。
ボールを奪い返す最大のチャンスは、失った直後にある。
2. ファーストディフェンダー ― 最大限のプレッシャー
最もボールに近い選手(ファーストディフェンダー)は、次の役割を担います。
プレッシャーが近く、そして強いほど、
3. 集団でのカウンタープレス
効果的なカウンタープレスは、常にチーム全体で行うものです。
周囲の選手は次のように関わる必要があります。
一人がプレッシャーをかけたら、周りの選手も同時に関わる。
リスクを避けるのではなく、思い切ってプレーすることが成長につながる。
4. 予測とインターセプト
プレッシャーが強くなるほど、相手のプレーは読みやすくなります。
その中で、周囲の選手は次のように対応する必要があります。
良いカウンタープレスは、リアクションではなく“先手”を取る守備にある。
5. 攻撃への切り替え
ボールを奪うことはゴールではなく、あくまでスタートです。
奪い返した瞬間から、次の攻撃につなげる意識が必要です。
カウンタープレスは、単に奪い返すためのものではなく、“奪った瞬間を攻撃に変える”ためのもの。
このトレーニングは、テーマ2の一連のトレーニングの締めくくりとして、カウンタープレスを学習の中心に据えた内容となっています。
パート1、パート2とあわせて、ロジャー・シュミットの攻撃的ゲームモデルにおける3つの核となる要素を確立します。
これらの要素が、次のステップであるより実戦に近いゲーム形式へとつながっていきます。
そこでは選手たちは、試合に近い状況の中で、これらの要素を同時に発揮していくことが求められます。