テーマ2で行われた3つのトレーニングに続き、今回はより実戦に近い形へと発展していきます。
これまでのトレーニングでは、それぞれ特定の要素を切り取り、強調しながらトレーニングを行ってきました。
この大きなゲーム形式では、これまで取り組んできた3つの要素を、よりオープンで競争的な環境の中で同時に発揮することが求められます。
このトレーニングを特徴づけているのは、攻守すべての局面において両チームに求められる“主体的な姿勢”です。
ボールを持っていない時には、テーマ1で積み上げてきた前向きな守備(Forward Defending)の原則を実行し、ボールを保持した際には、プレッシャーの中でも素早く、迷いなく前方向へプレーすることが求められます。
また、2人のフリーマンが配置されていますが、このトレーニングは単にボールを保持し続けることや、安定してボールを回すことを目的としたものではありません。
むしろその逆で、ボールを持った時の勇気、素早い判断、そして明確な意図を持った前進を引き出すことを目的としています。
それはビルドアップ時だけでなく、ボールを奪い返した直後にも同様です。
中央に配置されたフリーマンは、このプレーを成立させる重要な役割を担います。
ライン間で数的優位を作り出し、狭いスペースでの素早いコンビネーションを可能にすることで、中央からテンポよく前進するプレーをサポートします。
目的は明確です。
それは、ゲームをコントロールするためではなく、ゴールへ向かってプレーを加速させるために前向きに守備を行い、前方向へプレーし、数的優位を使ってゴールへ向かうことです。
セットアップ
配置
両チームは、1-4-1-2-1の配置で構成されています。
フリーマンは次の役割を担います。
このトレーニングは、ゲームに近い環境の中で、強度・目的の明確さ・テンポ感を維持できるように設計されています。
自陣ではツータッチ制限
このルールによって、次の要素が引き出されます。
選手たちは、次のことを意識しながらプレーします。
コーナーキックなし(GKから再開)
このルールによって、ゲームをより連続的かつハイインテンシティな環境にします。
また、次のような状況が繰り返し発生します。
短時間・高強度のラウンド
「2分30秒 × 5本」の構成によって
コーチはプレーを頻繁に止めるのではなく
こうすることで、ゲームの流れを保ちながら学習を進めていきます。
1. 中央のパスコースを作る(前進の前に、まず良い立ち位置を作る)
中央から前進するためには、まずチーム全体がバランスよく、つながった状態を作る必要があります。重要なのは、単に前方へ人数をかけることではなく、複数のラインでつながりを持つことです。
チームは次の3つのサポートを確保する必要があります。
よく見られる問題として、最終ラインに人数をかけすぎる一方で、ライン間でつながりを作る選手が少なくなってしまう場面があります。
そうなると、チームの構造が分断され、中央から前進することが難しくなります。
そのため、ライン間でプレーする選手には次のことが求められます。
良い構造が、前進するためのチャンスを生み出します。
中央でのつながりがなければ、前進できる道も生まれません。
2. 意図を持って攻撃を前進させる(前進するための判断)
良い構造ができた後、次に重要になるのは「どのように前進するか」という判断です。
特にセンターバックやゴールキーパーには、この判断が強く求められます。
前進する方法には、大きく3つの選択肢があります。
優先順位は明確です。可能であれば、常に中央を通して前進すること。
選手たちは、前方向へプレーできる瞬間を早く見つけ、チャンスがあれば勇気を持ってラインを越えるプレーを選択することが求められます。
ボール保持は目的ではなく手段。
本当の目的は、前進することにあります。
3. ライン間で受けて前進する
ライン間でプレーする選手には、次のことが求められます。
もし前を向けない場合は、
こうすることで、前進を続けていきます。
ポイントは、
4. ラインを越えた後に一気に加速する(フィニッシュへ向かうプレー)
相手の1列目、2列目の守備ラインを突破した後は、プレーの優先順位はすぐに「スピード」と「ゴールへの直線性」へ切り替わります。
選手たちは、次のことが求められます。
この局面では、最も速くゴールへ向かうプレーが重要になります。
ラインを越えることで優位性が生まれ、その優位性をチャンスに変えるのがスピードになります。
5. 守備のズレを突く(もう一つの前進方法)
ライン間に配置されたフリーマンによって中央で数的優位が生まれることで、守備側は難しい判断を迫られます。
中央へパスが入った瞬間、守備側はすぐに決断しなければなりません。
守備側の目的は明確です。受け手に前を向かせず、中央から勢いを持って前進されることを防ぐこと。しかし、どちらを選んでも、必ずどこかにスペースが生まれます。
攻撃側はその瞬間を見逃さず、守備側の判断によって生まれたスペースを使わなければなりません。
これらのことが重要になります。
中央で数的優位を作ることで、守備側に判断を迫ることができます。
そして、その判断によって生まれたスペースを素早く使うことが重要になります。
この「8対8+2」のゲーム形式は、プレッシャーの中でも中央を使って前方向へプレーすることを明確なテーマとして行われます。
選手たちには下記のプレーが求められます。
同時に、両チームが主体的に守備を行うことで、すべてのプレーが実戦に近いプレッシャーの中で行われます。
このトレーニングは、
これらの要素を、競争的かつダイナミックな実戦環境の中で発揮できるようにしていきます。
そして、テーマ2の最終段階へ向けた準備につながっていきます。