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コラム

青山 知雄の悠々J適

2015/7/25 15:30

登録ウインドーのルールを再確認。実はヤマザキナビスコカップだけ…(♯18)

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レアンドロは久しぶりの神戸復帰となった
レアンドロは久しぶりの神戸復帰となった

最近、一気に移籍市場がにぎやかになってきた。

明治安田生命J1リーグは2ndステージがスタートし、J2リーグは折り返し地点を過ぎた。各チームともここまでの戦いを踏まえ、立て直しや上昇気流に乗ることを視野に入れて補強を施している形だ。

この夏は特にアタッカー陣の動きが活発化しているように思う。

攻撃陣のテコ入れを図ったヴィッセル神戸は、かつて在籍していたレアンドロを柏レイソルから補強。エースが抜けた柏はブラジル全国選手権得点王の実績を持つエデルソンを獲得した。また、清水エスパルスは残留争いを勝ち抜くために韓国の水原三星から鄭 大世を加え、ユース時代から清水で育ってきた長沢 駿が恩師の長谷川 健太監督から誘われる形でガンバ大阪へ移籍している。

恩師 長谷川 健太監督の誘いでG大阪に加入した長沢 駿
恩師 長谷川 健太監督の誘いでG大阪に加入した長沢 駿

クラブ側としては主力選手に負傷者が出たり、海外移籍してしまうなどの複雑な事情もあるだろう。思うように機能しなかったポジションに新戦力を加えて競争を激しくしたい意向もあるはず。選手サイドに立って考えれば、出場機会や新たな刺激を得るために新天地を求めることは珍しくない。

守備の立て直しを狙うクラブはGKやDFを、中盤の再構成を試みるならばMFを、得点力不足に陥っている場合はFWを。チーム編成を考える上で、万が一に備えて選手層に厚みを加えておくことも必要となる。これまでの弱点を補い、チームを強くする――。出番に恵まれない選手と「補強」したいクラブの思惑や狙いが絡み合って移籍が成立しているわけだ。

実はこの数週間がシーズン中における移籍が活発化する時期となる。皆さんも実際に発表されるニュースを目にする機会も多いことと思う。ここでJリーグの移籍=追加登録ルールについておさらいしておこう。

Jリーグの追加登録は国際サッカー連盟(FIFA)のルールに則った形で期間が設定されている。これが「登録ウインドー」と呼ばれるもので、各クラブが選手を獲得できる期間となる。「移籍のウインドー」という表現を耳にしたことがある人も多いと思うが、選手登録を受け付けるトビラが開いて、追加登録が可能となることを意味している。

リーグ戦に関連する大会とJリーグヤマザキナビスコカップの登録期限に違いが...
リーグ戦に関連する大会とJリーグヤマザキナビスコカップの登録期限に違いが...

FIFAは各国サッカー協会(各FA)に年2回の移籍を認める期間(登録ウインドー)を定めるように求めており、各FAが事前に時期を決めて報告。それをFIFAが周知する。最初のウインドーが開くのは前年度のシーズン終了後から12週間以内。2回目はシーズン中に各FAが任意の4週間以内を定めるのが世界の共通ルールだ。

今シーズンのJリーグで見ていくと、1回目のウインドーが開いていたのは開幕前から3月27日まで。2回目のウインドーはJ1の2ndステージ開幕前日となる7月10日~8月7日の期間に設定されている。つまり2回目のウインドーが開くまでの期間は、1回目の登録ウインドーが終わるまでに選手登録を完了させたメンバーで戦わなければならず、その期間に獲得が決まった選手も2回目のウインドーが開くまで選手登録することはできない。7月10日に大量の選手が登録されたのはそのためだ。

なお、例外もある。2回目のウインドーは8月7日に閉じるが、以下の条件を一つでも満たせば、J1、J2、J3の各リーグ戦は9月18日まで追加登録が可能となる。
1)登録ウインドーの終了前に契約満了を迎えていた選手(FIFAが契約クラブのない選手への雇用機会創出を優先)
2)GK(特殊なポジションであるため、ケガなどの特別な事情で選手不足に陥った場合に所属リーグが認めた場合)
3)育成型期限付移籍(当該シーズンの2月1日時点で23歳以下であり、所属元、移籍先、選手の三者で合意した上で、下位リーグへの期限付き移籍が条件)
※アカデミー所属選手の「第2種トップ可」登録も9月18日まで。

今年からJ1で2ステージ制+チャンピオンシップが導入されたが、ここに出場するためには夏の登録ウインドー、もしくは9月18日までに出場選手登録を完了させる必要がある。J1昇格プレーオフ、J2・J3入れ替え戦に関しても同様だ。ただし、この期限はあくまでJリーグにおける追加登録に限ってのもの。登録抹消はいつでもできるため、もし他国の登録ウインドーが開いていれば選手が移籍していくことはあるかもしれない。

例年、登録ウインドーの締め切り直前で駆け込み移籍が決まることは少なくない。特にJ1は2ndステージが開幕したばかりで各チームとも再び戦力の見極めをしたい時期でもあり、クラブ側としては選手が故障してしまうリスクをギリギリまで回避したいと考えているはず。こういった様々な状況を踏まえると、夏の登録ウインドーは最後の最後まで目が離せない状況が続くことになりそうだ。

最後に余談を一つ。今回の原稿をまとめるためにJリーグの規約を読み込んでいて、意外なことに気がついた。

リーグ戦に関連する大会の最終登録期限は上記のとおり9月18日なのだが、Jリーグヤマザキナビスコカップに関する期限は準決勝第1戦前日の10月2日。つまり同大会の準決勝2試合と決勝限定で選手を追加してもいいことになっているのだ。規約上ではリーグ戦を除いて同一年度の同一大会には出場できないルールになっているため、他のJクラブで今年のJリーグヤマザキナビスコカップに出た選手はNGとなり、さらにリーグ戦に出場することもできないことから追加登録のメリットは少ないが、例えば海外からピンポイントでビッグネームを連れてくることも可能になるということ。あまり現実的ではないが、この登録期限に動くクラブがあるかどうかをコッソリ見守っていようと思う。