前のトレーニングの続きとして考えてみてください。相手センターバックがサイドバックへパスを出します。ボールが動いた瞬間、ここが合図です。ウイングは一気に前へ出てプレッシングをかけます。相手のファーストタッチは、そのままデュエルの局面になります。プレッシャーを受けたサイドバックは、ライン際へボールを運んで逃げようとします。一瞬、突破できそうに見えます。
しかし、ここで局面が変わります。
守備側のサイドバックは、このタイミングを事前に読み、ボールと味方の動きに連動して前に出ます。2人目が関わることで一気に圧がかかり、プレッシャーが倍になります。ボール保持側は瞬時に囲まれ、局面は数的優位の形に変わります。その結果、コントロールをミスし、ボールがこぼれます。サポートしたサイドバックがすぐに回収し、そのまま攻撃へ切り替えます。
このパターンはピッチのあらゆる場所で起こります。これは積極的なボールを基準とした守備における基本原則です。
1人目のディフェンダーがデュエルを作る。
2人目のディフェンダーが数的優位を作る。
これは「セカンドプレッシング」と捉えることができます。1つ目のアクションで相手にプレッシャーをかけ、2つ目のアクションでボール奪取につなげます。サポートがなければプレッシングは個人の守備にとどまりますが、サポートが加わることでプレッシングは組織的な守備へと変わります。
これが、2つ目の戦術的なトレーニング内容です。
1対2のトレーニングで身につけた個人の守備原則は変わりません。
変わるのは連動の部分です。これらの原則を、今度は2人で同時に実行します。狙いは明確で、2対6の数的不利の状況から、ボール周辺で2対1の数的優位を作り出すことです。
2人のディフェンダーが同時に相手へプレッシャーをかけるこの瞬間こそが、このトレーニングのポイントです。
ルール
シンプルな設定。明確な目的。高い強度。
個人の原則は引き続き重要です。変わるのは、2人のディフェンダーがどう連動するかです。プレッシングは1人で行うものではなく、2人で関わりながら行うものになります。
1. 1. ファーストディフェンダーの役割
ファーストディフェンダーは、ボールの受け手に最も近い位置にいる選手であり、最初にアプローチする役割を持ちます。その役割は、遅らせて対応することではありません。求められるのは次のプレーです。
前向きにプレッシングを行い、デュエルに強くいきます。これにより、試合では次のような状況を引き起こします。
2. セカンドディフェンダーの役割
セカンドディフェンダーは少し離れた位置からスタートし、2人目としてプレッシングに関わりますが、同様に重要な役割を担います。
従来のボール基準の守備では、この選手はスペースを守るためにカバーリングの位置に留まることが多いですが、このトレーニングでは逆の動きを求めます。プレッシングに加わり、ボール周辺で数的優位を作ります。
セカンドディフェンダーの役割は
多くの場合、次のような流れになります
これは連動したアグレッシブな守備です。これには、勇気、信頼、そして役割の明確さが求められます。トップレベルでは、1人で奪うことはほとんどありません。連続してプレッシングに関わることでボールを奪います。
このトレーニングで前向きの守備を身につけるためには、いくつかの重要な指導ポイントが欠かせません。
高い強度は絶対に欠かせません。疲労がたまると判断が鈍り、判断が鈍るとプレッシングは消極的になってしまいます。
これらの原則を踏まえ、コーチは配球役としての関わり方を通して、守備の状況をコントロールすることができます。すべてのプレーはコーチのパスから始まるため、どのようなプレッシングの局面を作るかを意図的にコントロールし、さまざまな状況を作り出すことが可能です。
1. 距離を変える
コーチはパスの長さを変えることで、プレッシングの難易度を調整することができます。
これは重要な原則を示しています。ボールの移動距離が長いほど、プレッシングに行けるチャンスは大きくなります。
2. 先読みして早く出過ぎずに、合図を正しく見極める
コーチは次のような方法でディフェンダーの難易度をあげることができます。
これによりディフェンダーは、先読みして早く出過ぎずに、相手がボールに触れた瞬間を合図としてプレッシングすることを学びます。
3. 守備の方向を限定する
コーチはどこに出すかで、ディフェンダーの出方をコントロールできます。
a) 近くの選手への短いパス → 前向きのプレッシング
ディフェンダーはアグレッシブに前へ出て、受け手に一気に寄せ挟み込みます。
b) 遠い選手への長いパス → 後ろ向きのプレッシング
ディフェンダーはパス方向に全力で戻り、背後または角度をつけてプレッシャーをかけます。
c) 左右どちらかへのパス → 横方向のプレッシング
ディフェンダーは連動してスライドしながら、コンパクトさを保ってプレッシングします。
これらのバリエーションは実際の試合での状況を反映しています。
そして重要なポイントは、プレッシングは常に前向きとは限りませんが、常に先手を取るプレッシングをしていくということです。
このトレーニングは、1対2で身につけた動きを変えるものではありません。それらをより強く引き出すものです
ただし、ここで新しい要素も加わります。それは2人の連動した力でボールを奪うことです。この動きは、後により大きな局面でも繰り返し現れます。中盤での挟み込みやサイドでのプレッシング、カウンタープレスの場面です。
目的はシンプルで明確です。
ボールが動けば、全員で連動して動きます。
1人がプレッシングに行けば、次の選手が続いて関わります。
そしてプレッシングは、全員で奪いきるために行います。