このトレーニングは、11対11の実戦へとつながる最終ステップとなります。これまでの4 つのトレーニングで学んだすべての要素を合わせ、試合に近い状況の中で実践する内容となっています。
これまでのトレーニングを通して、選手たちは段階的にプレッシングを学んできました。
このトレーニングでは、これらすべての要素をチーム全体の構造の中で実践できるようにします。
8対10の設定では、4対4+2でトレーニングしてきた前線ユニットのプレッシングと、7対7で行った最終ラインの連動が組み合わされています。
さらに、このトレーニングでは新たに重要な要素が加わります。それが、守備ライン背後の「深さ」と「スペース」の管理です。
選手たちはこれまで以上に、前線から積極的にボールを奪いにいく守備と、背後のスペースを守る責任とのバランスを取らなければなりません。
これは、実際の試合において不可欠となる重要な要素です。
このトレーニングは8対10+GKで行われ、守備側は相手陣内からハイプレスをかけます。
配置
この構造は、4対4+2でトレーニングしてきた前線ユニットのプレッシングと、7対7で行った最終ラインの連動を組み合わせたものです。
ピッチ設定
ルール
これによって、試合を想定した短く高強度の反復トレーニングが可能になります。
1. チーム構造とポジショニング
選手は以下を意識してポジションを取ります:
すべてのラインは、コンパクトかつ連動した状態を保つ必要があります。
それにより、チーム全体でのプレッシングを支える安定した土台が形成されます。
2. 準備と相手間でのポジショニング
各ディフェンダーは以下が求められます:
これにより、ボール基準の守備において柔軟性と流動性が保たれます。
3. 前向きな守備とチームの連動
プレッシングは個人のアクションではなく、チーム全体で行うものです。
最もボールに近い選手が、まず即座にプレッシャーをかけます。
味方はそれに応じてサポート ・カバー ・ボール周辺へ絞ることを行います。
例えばサイドでプレッシングを行う場合:
このようなチーム全体の連動によって、数的不利な状況でもボール周辺では数的優位を作り出すことができます。
4. 深さのコントロール
これはトレーニングにおける最も重要な新しい要素です。ピッチが縦に長くなり、背後をカバーする選手がいない状況の中で、ディフェンダーは常にプレッシングをサポートすることと、背後のスペースを守ることのバランスを取らなければなりません。
深さのコントロールは個人の判断から始まります。
例えば、フォワードが中盤に下りて行った場合、センターバックは以下を判断する必要があります:
しかしこれらの判断は常にチーム全体の状況によって決まります。
具体的には以下の要素です:
このことは、深さのコントロールは特にセンターバック間における責任であることを強調しています。
一方のセンターバックが前に出て相手に付いていく、もしくはインターセプトを狙う場合:
さらに広い視点で見ると、前向きに守備を行えるかどうかは、ボールに対するチーム全体のプレッシャーの質に大きく依存します:
このように、個々の判断をチーム全体の状況に基づいてコントロールすること、
つまり「個人判断」と「チームの連動」のバランスを取ることが、実際の試合に近い状況の中で、効果的なハイプレスを維持するために不可欠となります。
5. 後方への守備
プレッシングが外された後も守備は続きます。各ラインは前からプレッシャーをかけながらリカバーします
このような「後方への守備」の継続によって、 チームはコンパクトさを維持し、最初のプレッシングが外された後でもプレッシャーをかけ続けることができます。
6. 縦方向への素早い切り替え
プレッシングは攻撃のための手段です。ボールを奪った瞬間、チームはすぐに前へ向かわなければなりません。
このトレーニングにおける重要な場面の一つは、センターバックが相手フォワードへのパスをインターセプトする瞬間です。このとき求められるプレーは明確です。
同時に前線の選手も、すぐにパスを受けられるポジションを取り、前向きにプレーすることを意識して攻撃を継続させることが重要です
原則は非常にシンプルです
これにより、ボールを奪った際の価値を最大化し、すべての瞬間を得点チャンスへと変えることができます。
このトレーニングの各要素は、それぞれ特定の行動を引き出すことを狙いとしています:
コーチにとって重要な役割は、これまでに学んできた内容を、より複雑な環境の中で結びつけられるように導くことです。
この8対10のハイプレスゲームは、11対11の実戦へと移行する前の最終ステップとなります。これまでの4つのトレーニングで学んだすべてのプレッシングの要素を、高いプレッシャーと戦術性を持った環境の中で組み合わせて行きます。
この最終段階の特徴は、以下の要素が組み合わされている点にあります
選手たちはもはや「プレッシングの方法」を学んでいるのではなく、実際の試合に近い状況の中で、ハイプレスをどのように発揮するかを学んでいます。
このトレーニングは、ロジャー・シュミットのプレッシングのアイデンティティを実戦へと持ち込むための準備となります。