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コラム

百年構想のある風景

2015/1/12 10:00

スタジアムの道標

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欧州カップ・ウィナーズ・カップが行われていた1979年、セルベテ・ジュネーブとの準々決勝を観戦するため、日の暮れたデュッセルドルフ中央駅に降り立った。フォルトゥナ・デュッセルドルフのホーム:ラインスタジアムに行くには、何番のトラムに乗ればいいのだろうか?駅前で案じていると、先頭車両の額にサッカーボールをつけたトラムを発見した。白黒のボールがあるだけで、言葉はなくとも国際的な道標(みちしるべ)になる。 世界標準化機構(ISO)から認定を受けた、わかりやすい絵を使って施設の案内を示した図や記号を「ピクトグラム」という。おなじみの「非常口」の図柄は、日本で生まれたマークだ。とりわけ、安全や福祉などのデザインはユニバーサルに統一されている。

駅は汽車、空港は飛行機、ホテルはベッドの絵で表される。スポーツでも、スタジアムへの道標に遊び心をもたせれば、はやる気持ちをふくらませるだろう。 プロ野球のオーナーは、かつて鉄道会社が多かった。関東の国鉄、東急、西武、関西の近鉄、阪急、阪神、南海、九州の西鉄。大勢のファンが、沿線にある野球場に電車に乗り通った。阪急ブレーブスの試合日には、マスコットの“勇者坊や”の絵と“西宮球場”の文字を描いた「運行標識」が、球場のある西宮北口行き阪急電車の先頭車両に掛っていた。

そんな楽しい電車をホームで待っている時から気分は球場へと向かい、電車は応援の熱気をファンとともに運んでいく。 ブンデスリーガのスタジアムを目指してアウトバーンを走ると、出口の手前にサッカーボールの大きな標識が現れスタジアムまで導いてくれる。描かれるのは、ボールだけ。サッカー場なら、それで十分である。デザインの本場イタリアでも、同様の光景が街中に見られた。 緑の芝におおわれたホームグラウンド。ボールの道標を見るだけでワクワクする高揚感が、小さなわが町の中にもあるといい。小さいけれど、胸を張り誇りに思えるクラブづくりは、案外こんなワクワク感から生まれている。世界に通じる道を歩んでいく心のみちしるべが、わが町の“道標”にあったりすると考えれば、大きな夢につながっていく。