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コラム

百年構想のある風景

2015/1/12 10:00

ヒーロー

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最近、Jリーグの監督を題材にした「GIANT KILLING」などスポーツアニメが再び人気だ。実家にある本棚にも、サッカー漫画の草分け「くたばれ!!涙くん」のコミック本が眠っている。メキシコ五輪(1968年)で日本が銅メダルに輝いた翌年2月に少年サンデーで連載が始まり、1年後には浦和南高校三冠を題材に「赤き血のイレブン」(少年キング)が続いた。 その前の東京五輪(1964)の開催によって、テレビの普及が大きく進んだだけでなく、青少年のみならず多くの大人たちは、いろいろなスポーツとその魅力に出合いあこがれた。映画“若大将シリーズ”や石田国松を主人公とする漫画「ハリスの旋風」(1965少年マガジン)が、スポーツ万能選手の学園ものとして一世を風靡した。

少年少女漫画からアニメ化されたのは、「巨人の星」(1966野球)、「アタックNo.1」(1968バレーボール)、「アニマル1」(1968レスリング)、「ドカベン」(1972野球)、「エースをねらえ」(1973テニス)など。テレビドラマでは、「青春とは何だ」(1965ラグビー)、「これが青春だ」(1966サッカー)、「柔道一直線」(1967)、「サインはV」(1969バレーボール)、「金メダルへのターン」(1970水泳)、「俺は男だ」(1971剣道)、「美しきチャレンジャー」(1971ボーリング)、「飛び出せ青春」(1972サッカー)などなど。スポーツのヒーローは、高度経済成長期の若者たちに夢と希望を与えた。 1980年にサッカーが小学校の正課に採用されると、子どもたちのサッカー人気に火をつけたのが、翌年から連載がはじまりアニメ化された「キャプテン翼」(少年ジャンプ)だった。アニメやドラマのヒーローから授けられた生きる喜びやエネルギーは、主人公に成りきるもう一人の自分を創り、勝ちがあれば負けがあるという“まっすぐなこと”を教えてくれた。ヒーローと対峙する悪役や好敵手(ライバル)の存在は、物事には相対するものがあり、自身の内にもまた同様の心理があることを子供心にも悟らせた。

ヒーローをもつことは、自分の中に鏡を立てることに等しく、輝いたり曇ったりしながら自己を投影する。 漫画やアニメの世界からようやく現実のサッカーヒーローが誕生したのは、日本代表のエース“カズ”らの出現からだろう。そして1993年、スポーツを愛する人々の前に、プロサッカーリーグが産声を上げた。すでにプロレスや野球のヒーローが大活躍し、どれほど多くの大人たちに明日への活力を与えてきたことか。そこへ遅れること登場したサッカーのニューヒーローたちは、地域の風を共に運んできた。