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コラム

百年構想のある風景

2015/1/12 10:00

大阪復活

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30年前のヒット曲にBOROの♪大阪で生まれた女♪がある。シングル盤の中の歌詞は、「大阪で生まれた女やさかい、大阪の街をよう捨てん」で始まり、「大阪で生まれた女やけど、大阪の街を出よう」と、大阪を捨て東京に行ってしまったところで終わる。 最近、大阪 VS 東京の対抗意識を感じさせるものが少ないことはさびしい。かつて、プロ野球の阪神―巨人戦も、さながら両地域の代理戦争の様相を呈し大いに盛り上がったものだ。JリーグのG大阪やC大阪とFC東京や東京Vとの対戦に、もっと特別な意味合いを持たせてみるのもおもろい。

53話「分散のすすめ」にも紹介したように、高度経済成長や東京一極集中により、大企業の本社所在地の約7割が東京に偏在している。一方、商都大阪は、わずか15%に落ちた。1970年代以降、銀行、商社、メーカーなど大都市の屋台骨を担うほとんどが、大阪から東京に実質本社機能を移したからだ。企業だけにとどまらない。マスコミ、出版などの業界も同様の動きをみせたため、大阪の文化人や芸能人の意識もこぞって東京へ。お笑いの殿堂も、いまやその軸足がどちらにあるのか見えにくくなった。大阪の活性化が分散化の基軸となるのだから、ここは踏ん張りどころだ。 元気な大阪を待望する声は多方面から聞かれる。まずは、企業経営者団体である経済同友会の名前をJリーグ風に大阪・東京に切り換えてみてはどうだろうか。全国の経済同友会は都道府県単位に設立され、名前には県名か中心都市名がつく。大阪の経済同友会が広域化した「関西経済同友会」と称するのは、東京の経済同友会が全国の上部団体かと見まがう地域名の付かない「経済同友会」と名乗ることへの対抗心の表れなのか。 戦前戦後を通じ35年前まで全国高校サッカーの聖地となり、サッカー界に数多くの人材を輩出してきた大阪に、再び希望の灯りが見えてきた。

2022年FIFAワールドカップ日本招致委員会は、開幕戦と決勝戦の会場を、大阪梅田に新設を計画するアジア最大級サッカー場、8万人収容の「大阪エコスタジアム(仮称)」としたからだ。将来ここをホームに予定するC大阪にも、今シーズンは元気がでてきた気さえする。 ♪大阪で生まれた女♪の原曲(フルバージョン)は、歌詞が18番まである30分超のロングバージョンであることをご存じだろうか。その歌詞の最後で、主人公の女性は、結局もとの大阪に戻って幸せに暮らし始めている。大阪の復活を、いま時代は求めている。