明暗を分けた“監督力”。決断が奏功した清水が逆転勝利
清水エスパルス
横浜F・マリノス
監督
前半は素晴らしかったです。練習でやってきたことを表現し、多くのチャンスを作り、ゴールをしてゲームをコントロールしました。後半は相手がシステムを変更し、ビルドアップで前に運ぶことが難しくなりました。その中でも(植中)朝日が決め、前半にゴールを決めた(遠野)大弥とともに素晴らしい働きをしてくれました。1失点目はまだ映像では見ていませんが、FKからのすごいゴールでした。それで受け身になってしまいました。同点ゴールは相手が決めたわけではありませんが、(9日のJ1第5節・)川崎F戦は最後の最後で同点に追いつかれ、直近の(第10節・)福岡戦も逆転され、今節も2点リードから逆転されてしまったのが現状です。失点後のメンタルの持ち方が大事だと感じています。 --最近、終盤に力尽きる試合が続いています。今日も最初の交代が遅く、交代枠を残しました。その意図を聞かせてください。最後の最後で失点してしまう点ですが、川崎F戦はCKからアディショナルタイムに失点してしまいました。選手交代について心配されていると思うのですが、連戦が続き、コンディションや底上げ、オプションを考えるのですが、今日に関しては前線2人のパフォーマンスが素晴らしかった。その2人を下げて、誰を入れるのか。ベンチに座っている選手の誰が(同様のプレーを)できるのか。それらを含めて考えないといけません。パフォーマンスの良い選手を、ただ下げればいいわけではなく、選手の状態や流れを見て判断しないといけません。 --後半、相手が主導権を握る時間帯が続きましたが、抜本的な対策を打ったのでしょうか。ハーフタイムには「前半、素晴らしかったのでこれを続けていこう」と話しました。前からプレスを掛け、2点目、3点目を取りにいくことを促しました。もちろん、負けている側は必ず何かリアクションを起こしてきます。そして、どのチームでも90分通してプレスを続けることは難しいこともあります。1失点目と3失点目は長い距離からのゴールでしたので、それをどう防ぐか、これから見直していかないといけません。 --直近3試合は複数失点が続いています。守備の耐久力がない要因を教えてください。良い質問ですね。ようやく得点できたかと思えば、失点が増えています。よくやってくれているCBに対して言うことはありませんが、(ジェイソン)キニョーネスが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれていましたが、川崎F戦で負傷してしまい、いまの状態になってしまいました。ほかの選手たちを責めているわけではありませんが、キニョーネスの不在は痛手だと思っています。
清水エスパルス
監督
皆さんが興奮するような、素晴らしいゲームができました。ひとえに、水曜日のナイターに横浜まで駆けつけてくれたサポーター・ファミリーのおかげだと思っています。同時に、全選手が最後の最後までファイトしたからこそ、このようにエンターテインメント性が高く、非常にエキサイティングで面白いゲームができました。魂を震わせるようなゲームをして、勝つことができました。全員でつかんだ勝利だと思っています。 後半のあの姿が、本来の清水エスパルスの姿です。前半はちょっと臆病でしたし、ボールゲームのところでも後手を踏んでいました。そうではなくて、あの後半の姿を90分間通して見せ続けられるようにやっていきます。われわれのフットボールができれば、常にこのようなゲームを見せられると思っています。 --今季ここまで無得点だった乾 貴士選手にようやく初ゴールが生まれました。やっと取りましたね(笑)。(ゴールを取れていないことで)本人が一番苦しんでいましたが、トレーニングを怠ることなく、必死にやっていたのは見ていました。彼らしいゴールでしたし、長い距離をドリブルしたあとに低いシュートを仕留めるのは、決して簡単ではありません。グラウンドもうまく利用しながら、力の抜けた良いゴールでした。 取るべき選手が取ると、チームも乗ってきます。彼自身もここから乗ってくると思うので、これからもケガなく、存分に力を発揮してほしいと思います。 --前半は押し込まれる時間が長く続いてしまいましたが、どのように感じていましたか?遠野(大弥)選手を捕まえられず、後ろが気になりだして、どんどん後ろが重くなる。同時にファーストプレッシャーも定まっておらず、悪循環のままラインだけがズルズル下がって、プレスが機能せず、ボールの奪いどころが作れていませんでした。ファーストプレッシャーのところがかなり不足していたからこそ、ラインが上がらなかったと思っています。 迫力のあるファーストプレッシャー、そしてそこから二度、三度追う姿勢が、われわれが貫いてきたフットボールです。それを後半に出すことはできましたが、どんなシステムだろうと最初から出せるように、またしっかり修正してトレーニングしていきたいと思います。
--自身の今季初ゴールを振り返って。その前のシーンでも、何度か同じような位置でドリブルする場面があったのですが、そこではシュートではなくパスを選択していました。そのあとでもう一度リターンを受けたい場面もあったのですが、ボールが返ってこないこともあって、そろそろ打とうかなと思って。シュートのイメージは持てていましたし、GKを見たときに、ポジショニングが良くなかったので、強いシュートじゃなくてもコースを狙えば入るかなと思っていました。 --今季初ゴールは、チームを今季初の逆転勝利へ導く一撃になりましたね。俺はなかなかこういうゴールを決めないので、レアケースだと思いますよ(笑)。初ゴールがこのような逆転ゴールになったのは素直にうれしいですね。
MF 36
--後半からは右SBで出ていましたが、過去にやったことはあったのですか?町田の1年目のときに、練習でも試合でもちょっとだけ右SBをやらせてもらったことはありました。そのとき「SBはこんな景色なんだな」と思った感覚を、今日につなげることができました。 いまのチームは、4バックのほうがうまくいっている感覚があります。ただ、チーム状況を踏まえてそれができないのであれば、自分がやることはできますし、監督に対して事前に伝えてもいました。 --左からのクロスに対してボックス内まで入っていくシーンもありましたね。あれは日頃、SBの選手に対して「あそこまで入っていこう!」と言っていたのですが、当事者になってしまった以上、「俺も行かないと」となっていましたね。SBは意外とチャンスが来ますね(笑)。 --本職かと勘違いしました。自分にできることは、対峙している相手の選手より走ることだけかなと思っていました。守備でも反省点はありますが、ある程度やらせなかったとは思っています。攻撃面では得点に絡めたら良かったのですが、この試合についてはやり切ったと自信を持って言えます。
横浜F・マリノス
FW 14
植中 朝日
--11試合で白星がまだ1つしかない状況をどう受け止めていますか。今日もホームでたくさんのサポーターがいつもと同じ熱量で応援してくれていた中、また勝点3を届けられなかったことは本当に胸が痛いです。「自分が変えてやろう」という気持ちで毎試合臨んでいますが、それができないのは自分の実力不足です。でも、連戦で試合は待ってくれません。次に勝つための準備をやるしかありません。 --一方、前半は今季ベストの出来と言えるパフォーマンスでした。これを浮上の糸口にしたいところです。前半は自分たちがけっこうボールを持っていましたし、相手がやりたいことを何もやらせていなかったとも思います。自分たちもプレーしていて楽しかったです。監督の決まり事があったとしても、それを守りつつプラスαで前半のように自分たちの色を出せば、また面白いサッカーになる感覚も少しつかめました。今日も負けて、全然勝ちがなくて、ネガティブなことばかり考えがちですが、良いところを見つけて切り替えてやるしかありません。 --攻撃時には1トップの形になり、1ゴール1アシストでした。個人の数字だけを見れば、良いことだと思いますが、そこ以外でもっと収めないといけないし、もっと決めないといけません。チームの流れが良くないときに流れをもう一度持ってくるプレーができないといけないと思っています。
GK 19
朴 一圭
前半は自分たちがやりたい、アグレッシブに前から前からプレスに行き、良い形ができていました。後半、相手がシステムを変えてきて、前からのプレッシングの強度も上げてきた中、自分たちは前半でかなりのパワーを使ったので、どうしても体力が落ちて、持続しませんでした。 --相手が後半にシステムを変え、圧力を掛けてきた中、ベンチからの指示を含めて、どう対応しようとしたのでしょうか。(ベンチからの指示は)特にはありませんでしたが、みんなに前半の良い感覚が残っていたと思うので、そこを体現したかったです。ただ、ギアが上がっていかなかったというか、うまく2点目を取れたのですが、FKで失点してからガクンと落ちた感じはしています。自分たちでグッともう1つギアを上げていくのはけっこう体力的にしんどかったのだと思います。 --1失点目のFKの場面は、左手前の位置ではオーソドックスなら右足で狙ってきますが、中原 輝選手が左足でニアを狙うのは想定していたのでしょうか。輝とは去年(鳥栖で)一緒にやっていて、キック精度がとても高いのは分かっていました。乾(貴士)さんより輝でくるのではないのかな、と予想していましたが、けっこう上から落ちてくる感じでステップが合わず、飛び切れませんでした。最後、体を投げ出せば止められるチャンスはあったとは思いますが、輝がうまかったですね。