ドルトムントのレジェンドが語る!

7月15日に埼玉スタジアム2002で開催される「明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2017」で、浦和レッズと対戦するドイツ・ブンデスリーガのボルシア・ドルトムント。大会PRのため、先日来日した同クラブのOBであるカール・ハインツ・リードレ氏とラース・リッケン氏に、J.LEAGUE.jpは特別インタビューを敢行。大会への意気込みと試合映像を見ながら浦和の印象について、話を訊いた。

――まず、ブンデスリーガで3位となった今シーズンのドルトムントの戦いぶりについて、それぞれ感想を聞かせてください。

  • カール=ハインツ・リードレ
    カール=ハインツ・リードレ
  • 3位という成績ですが、シーズン前に設定した目標は達成されたと思っています。来季のチャンピオンズリーグの(CL)出場権も確保できましたし、最低限の目標はクリアできたのではないでしょうか。 シーズン前には多くの選手が移籍し、我々は新しいチームを作り上げる必要がありました。 そんななか、新加入選手だけでなく、若い選手たちもチームに欠かせない存在へと成長しました。 最後にドイツカップで優勝でき、非常に良い形でシーズンを締めくくられたと思います。
  • ラース・リッケン
    ラース・リッケン
  • チームにとっては大きな節目のシーズンでした。 他クラブへ移籍した選手がたくさんいた一方で、19歳、20歳といった若い選手たちが活躍してくれました。 最終的にドイツカップで優勝できたことは、我々のクラブにとって、非常に意義のあるものでした。 なぜなら、それまでの3シーズンはいずれもファイナルに進みながら、そこで敗れていましたから。 ようやく獲れたという想いが強いですし、タイトル自体が2012年以来のこと。 クラブにとって、非常に大きな勝利だったと思います。 ドルトムントは、これからさらなる目標に向かって突き進んでいきたいと考えています。 大きな目標のひとつとして挙げられるのは、いつかバイエルン・ミュンヘンに追いつき、追い越すこと。 そしてCLにおいても、できるだけ先まで進みたいと思います。 今シーズンのCLでも、あのバス襲撃事件がなければ(※ホーム開催となったCL準々決勝ファーストレグのモナコ戦の試合会場に向かうさなか、チームバスが何者かによって爆破され、DFマルク・バルトラが右手首を骨折する重傷を負った。翌日に延期された試合は2-3で敗戦。アウェイでの一戦も1-3と敗れ、ドルトムントは準々決勝で敗退した)、もっと上まで行けたんじゃないかと思っています。
ドルトムントのDFがしっかりと浦和FWを止めてくれるでしょう。

――では、ここからは浦和の試合映像を見ながら、浦和というチームをどう見るか教えていただきたいと思います。遠慮せず、忌憚のない意見をおっしゃって下さい。

  • ラース・リッケン
    ラース・リッケン
  • 短い映像ですけど、これを見て感じたのは、速さ、敏しょう性、技術の高さ、全員でゲームを作る姿勢、計画、予測を持ったプレー、そして切り替えの速さと、日本のチームが持つ特長を高いレベルで備えていると思います。ただ、浦和の選手も確かに素晴らしいとは思いますが、我々には優れたDFがたくさんいるので、ドルトムントのDFがしっかりと浦和FWを止めてくれるでしょう。2年前に来日した際に対戦した川崎フロンターレとの試合では、6-0と大差の付く試合になりましたが、この映像を見る限りは、僅差の試合になるのかなという気はします。
  • カール=ハインツ・リードレ
    カール=ハインツ・リードレ
  • この短い映像で分析するのはなかなか難しいけど、3バックというのは分かりますし、非常に良いFWがいるという印象も受けました。聞いている通り浦和は非常に良いチームだと思います。浦和との試合は、新たなシーズンに向けて非常に重要なテストの場になります。準備段階とはいえ、当然勝ちたいと思っていますが、浦和も勝利に拘って向かってくるはずで、簡単な試合にはならないなと思います。

――改めてお聞かせください。ドルトムントとはいったいどういった特長を持ったチームなのでしょうか?

  • カール=ハインツ・リードレ
    カール=ハインツ・リードレ
  • 新監督が就任しても、ドルトムントのスタイルが変わることはないと思います。移籍によって選手の入れ代わりもあると思いますが、我々の特長である攻撃的なサッカー、情熱を持ったプレーは維持されるはずです。新しい監督に対しても、クラブは事前にチームの特長や資質を伸ばしてほしいと伝えていくはずです。
FWに関してはこちらのほうが絶対に強いと思います。

――この映像を見ていただいた上でずばり聞きます。ドルトムントが浦和に勝っているところはどこでしょう?

  • カール=ハインツ・リードレ
    カール=ハインツ・リードレ
  • FWに関してはこちらのほうが絶対に強いと思います。ドイツだけではなく、ヨーロッパのレベルにおいても、良い選手たちが揃っていますので、そこは間違いなく上だと思います。ディフェンスに関しては浦和の情報が少ないので、なんとも言えないですけど、そこでも我々のほうが上だと言いたいですね。
  • ラース・リッケン
    ラース・リッケン
  • 浦和のディフェンス陣はおそらく、我々のFWを止められないと思います。非常にスピードがあり、技術も高いものを持っています。きっとかわして抜き去ってしまうでしょう。川崎F戦のように6点も取れないと思いますが、最低でも2、3点は取りたいですね。
  • カール=ハインツ・リードレ
    カール=ハインツ・リードレ
  • シーズン前の試合であり、我々は100%の状態ではないとは思いますけど、無様な姿は見せられません。ドルトムントも絶対にやってやるという気持ちで、高いモチベーションを持って、この試合に向かって行くと思いますよ。
  • ラース・リッケン
    ラース・リッケン
  • この時期は、ワールドカップ予選や、EURO予選といった代表活動がないので、すべての選手を日本に連れていく予定でいます。

――Jリーグとブンデスリーガの違いは、どこにあると思いますか?

  • ラース・リッケン
    ラース・リッケン
  • 日本から移籍してきた選手、香川、武藤、長谷部、酒井……、彼らはそれぞれのチームで重要な戦力になっています。その活躍を見れば、日本のサッカーの質は非常に高いものがあると思います。スピードがあり、技術も備えている。チームのためにという意識が強く、メンタル面も似通った部分があるのではないでしょうか。今回の試合は、両国のカップウィナー同士の戦いであり、同じ目線で戦える素晴らしいゲームになると思います。