
まずはそれぞれの県予選決勝を簡単に振り返る。
福岡大と福岡県代表の座を争った北九州は、16分に永井 龍のゴールで先制したが、18分と28分に失点を喫して1-2で試合を折り返す。しかし、58分に左CKの流れから吉原 楓人が押し込んで追いつくと、83分には平松 昇の左サイドからの折り返しを吉長 真優が胸で押し込んで逆転に成功。6年連続の出場権を手にした。
沖縄SVは琉球と4年連続となる決勝を戦った。16分に永田 貫太のゴールで先制すると、44分には小堀 空がクロスをヘッドで合わせて追加点。87分には下口 竜空がダメ押しゴールを決めて3-0の快勝。3年連続の本大会出場を決めた。
2021年からの過去5大会の本戦の結果は、北九州が5回出場、2回戦敗退が3回、1回戦敗退が1回、昨年度は2回戦でJ1の岡山を2-0で下して3回戦へ進んだが、J1福岡にPK戦の末に敗れた。沖縄SVは過去5年で四度出場し、1回戦敗退が一度、2回戦敗退が三度。昨年度はJ1福岡に0-2で敗れ、3回戦進出とはならなかった。
北九州は明治安田J2・J3百年構想リーグ40位という結果を受けて増本 浩平監督を解任し、長崎のヘッドコーチを務めていた田中 遼太郎氏を新監督に迎えて今季をスタート。田中 遼太郎新監督は自身初の監督キャリアとなるが、強度の高い攻守、挑戦的なプレーの追求を掲げてプレシーズンの準備に取り組んだ。新指揮官の初陣は前述の県予選決勝の福岡大戦で、見事に勝利。その勢いを持って臨んだJ3リーグ初戦となる第2節・讃岐戦(第1節・琉球戦は台風の影響で中止)はスコアレスドロー。勝利こそ逃したものの、積極的な攻撃姿勢を見せて複数の好機を作り出したこと、そして無失点に抑えたことは収穫となった。
その讃岐戦から中3日、またJ3第3節、アウェイでの栃木SC戦を中2日で控えていることから、この試合は讃岐戦の先発から大幅変更したメンバー構成となる可能性が高い。高 昇辰、牛之濵 拓、世良 務らの負傷からの復帰組に加え、坪郷 来紀、吉田 晃盛、官澤 琉汰、坂下 湧太郎ら出場に飢える若手の存在により各ポジションの競争は激しくなっており、どのメンバーが出ても勝利に向かって熱い戦いを披露することができるだろう。

先発起用に期待が高まる高昇辰(写真は2026年J2・J3百年構想第5節・宮崎戦)
一方の沖縄SVは2026年1月に就任した尾松 剛監督の下、3月から6月上旬にかけて行われた特別リーグ『JFL CUP』で西グループを戦って8チーム中1位、そのあとに臨んだ順位決定のプレーオフラウンドで2戦を行った末に勝利を収めて優勝。8月29日に開幕(沖縄SVの初戦は31日のアスルクラロ沼津戦)する2026/27シーズンのJFLの優勝候補の1つ。特に『JFL CUP』の9試合で計17ゴールを挙げた攻撃力が武器のチームで、西グループの7試合では入柿 堅志、永田 貫太、髙橋 剣士朗、平田 海斗の4人がそれぞれ2ゴールずつを挙げたように、点の取れる選手が複数いること、得点パターンが多彩なことが強みだ。
北九州がJ3クラブとしての意地を見せるのか、それとも沖縄SVが下克上を起こすのか、注目の一戦の結果はいかに。
[ 文:島田 徹 ]