
開幕したばかりの明治安田J3で絶好のスタートを切った愛媛は天皇杯でもその勢いを見せつけることができるか。
愛媛は8月1日に行われた愛媛県予選決勝で四国リーグを戦うレベニロッソNCと対戦し、2-0で勝利。天皇杯本戦への切符を手に入れると、その翌週から始まったJ3リーグでも開幕2連勝を収めてさらに調子を上げている。
対峙するのは岡山県代表の環太平洋大。同チームは4月19日に行われた岡山県予選決勝において岡山大との“学生対決”を制し、4年ぶり4回目の本戦出場を決めた。
言わずもがな、今回の対戦は環太平洋大が愛媛の胸を借りる形となるだろう。愛媛のほうが戦うカテゴリーが上位。加えて、リーグ戦では2試合連続で大量4得点を挙げ、自慢のパスワークを強みとした攻撃的なスタイルが存分に機能している。攻撃陣でひときわ目を引くのは、豊富な運動量とキレのある動きでピッチを縦横無尽に駆ける日野 翔太と、J2・J3百年構想リーグで得点王に輝き、今季も開幕から2戦連続で得点を挙げている田村 翔太の“ダブル翔太”。日野 翔太は第2節・鳥取戦でチームが挙げた4得点すべてに絡む圧巻のパフォーマンスを披露し、田村 翔太は抜群の背後への抜け出しで大きなアクセントを加え、エースの風格漂う活躍を見せている。

愛媛の攻撃をけん引する日野翔太
気になるのは愛媛のメンバー構成だ。
この天皇杯において、リーグ戦の最中に行われるミッドウィーク開催の場合はコンディション面を考慮してリーグ戦のメンバーから大幅なターンオーバーをして臨むチームが多いが、大木 武監督は過密日程でもメンバーをほとんど入れ替えずに臨む傾向が強い。リーグ前節から中2日で行われるこの1回戦も、リーグ戦同様のメンバーで臨むことが考えられる。
そうなれば、真夏の連戦とあって疲労の蓄積が懸念されるが、大木 武監督は2023年度の天皇杯で当時指揮を執っていた熊本を同様の起用方法でベスト4まで導いた実績がある。コンディションを優先させるより、メンバー固定で熟成されたイレブンが発揮する強みを知っている。
ただ、波乱含みのジャイアントキリングが生まれるのもこの天皇杯の醍醐味。環太平洋大にももちろんそれを起こす力はあるはずだ。
環太平洋大は岡山県予選での順当な勝ち上がりに加え、中国大学リーグ1部でも圧倒的な得点力と堅守でここまで9戦全勝。2位以下を大きく突き放す首位独走態勢を築いている。現在はリーグ戦が中断期間で、コンディション的にフレッシュな状態で臨めるところも生かしたいところだ。
また、2027年からの鳥栖への加入が内定し、すでに同チームでJFA・Jリーグ特別指定選手としてプロデビューを果たしている松岡 響折と、同じく2027年から秋田への加入が内定している田中 純らJリーガーの卵も在籍。大学生チームとはいえ、個の能力の高さも侮れない。
一戦必勝のトーナメントが織りなす筋書きのないドラマは、8月19日19時にキックオフを迎える。
[ 文:松本 隆志 ]