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コラム

百年構想のある風景

2015/1/12 10:00

スポーツのある町の駅

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ドイツのフランクフルト中央駅やゲティンゲン中央駅で、「国際メッセ都市」あるいは「学問の都市」と大きく記されたホーム駅名サインに出会った。これが《提案》のきっかけとなる。駅を乗り降りする人々に“ああ、この町にはこんなプロスポーツがある”と視覚化すれば町が楽しくなるだろう。 四国には地域密着の理念で運営されるプロスポーツとして、徳島V・愛媛FC のJリーグを始め、バスケット:bjリーグ、野球:四国アイランドリーグの7クラブがある。《提案》から4ヶ月後の2007年6月、ホームタウン(高知、松山、高松、徳島)とスタジアム(鳴門、蔵元)のホーム駅名サインに7クラブ55枚のエンブレム(紋章)が登場した。

「発足20周年を迎えた年に非常に名誉なこと、視覚的な表現でスポーツ文化を通じた地域振興に貢献したい」と協力いただいたJR四国の梅原会長は語る。 このように企業の地域貢献のあり方が変わる。これまでの企業自らが行う地域貢献活動よりも、地域貢献を志している個人や組織(クラブ)を間接的に支援するあり方に。 視覚化の他事例として、クラブの大きな旗を駅構内に掲げる京王線飛田給駅(F東京・東京V)やJR清水駅・東静岡駅(清水)。 浦和駅・大宮駅・蘇我駅(千葉)では、発着チャイムに応援歌メロディを使う聴覚化の事例も現れる。

昨年、岡山駅構内では地域リーグ:ファジアーノ岡山の試合案内が朝夕の通勤通学時に流された。 スポーツを通じて自分の町を愛し誇りを持つことは、心の“ふるさと”づくりにつながる。F・レンツ・ローマイスは,著書『町はふるさとか通過駅か』の中で「市民が思想や感情を伝え合える場所に愛着を感じ,それを共感にまで高めシンボル化していくことによって“ふるさと”が形成される」と論じる。 33都道府県に83のプロクラブ―Jリーグが先導する地域密着のプロスポーツが日本中に広がる。「ここは○○のホームタウンなんだね」“スポーツのある町の駅”で交わされる微笑ましい会話だ。視覚的・聴覚的デザインの力は、小さくとも日本中につながる線路で各駅に伝わり地域社会を変えていく。