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コラム

百年構想のある風景

2015/1/12 10:00

Home & Away

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「我が家の家族旅行はアウェイゲームの応援ツアーと決めています。」ホームゲームの家族連れの割合が一番多い(66%)アルビレックス新潟のサポーターから聞いた話である。 Jリーグのホームタウンは、北は札幌から南は熊本まで33クラブ24都道府県にまで広がる。試合はHome&Awayのリーグ戦形式で行われ、原則二週間に一度は敵地で対戦する。どんなに遠くて不便なところであってもチームに帯同して応援する人たちが数多く存在するのはとてもありがたい。 まちにJクラブがあればたくさんの訪問者と出会うことができる。地元からみれば、アウェイチームのサポーターは試合中には敵方の応援団であるが、一旦試合を離れると、人とふれ合う、飲食する、買物する、宿泊する、見聞するなど普通の観光客となる。

敵地に向かう動員力の大きさは、ホームタウンやホームチームへの愛情度に比例する。リーグ一を誇る首都圏のクラブでは、仙台に5千人、新潟に4千人、札幌・東海・関西方面に3千人、広島・九州に2千人もの人数が移動する。 全国のホームとアウェイをたくさんの人々が交流するうちに、この国のかたちが地方分権スタイルへと変わっていく。コンピューターシステムに例えるならば、ホスト(中央:東京)と端末(地方)とのつながりで構成されるメインフレーム型から各地域が自立した機能をもつクライアントサーバ型に。地方代表が一箇所(中央)に集まって試合をするセントラル方式ではない。ホームタウン(本拠地)をもつ各地域の代表がリーグ戦を行う。そこには、相手を迎えるにふさわしいスポーツ環境や都市機能と Heart が整えられていく。

まわりと同じ価値観に安堵する国を離れ、3年間家族とともにドイツで初めての異国暮らしをした。自分の家族、まち、国どれもが大切なホームとして存在し誇りに思う人々に出会うことで、単なる競技の方法を指すだけではない真のHome&Awayの概念に触れた気がする。帰国した2001年に出版された村上龍氏の「アウェイで戦うために」を読んでその意は一層強くなった。 「誰が何と言おうとこのチームが好きだ、このまちが好きだ」と個人的に思う人々が集まるところにこそ、ホームタウンは形成される。アウェイに身をおいてこそ、自分にとって『なくてはならないもの』:ホームの大切さが実感できる。 ホームあってのアウェイ、アウェイあってのホームなのである。