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コラム

百年構想のある風景

2015/1/12 10:00

拍手をおくる

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「幸せなら手をたたこう♪」東京オリンピックの年にヒットした坂本九のこの唄を聞くと、なぜかワクワクしてくる。「手をたたく」(拍手する)ということは、人間が生まれて初めて覚える、うれしさを表現する、最もわかりやすいしぐさに通じるからか。 スポーツと拍手は関係が深い。サッカー同様に紳士の国で発祥のスポーツ、ゴルフ。気のおけないメンバーと一緒にプレーすることが多い。「グッド ショット!」や「グッド パット!」、一打ごとに手をたたき、互いを誉め合う。時には、コースをそれた仲間のボールをみんなで一所懸命に探す。そこには終始、気持ちの良いフェアプレー精神が宿っている。 演奏会しかり。クラシックコンサートのラストシーンは、聴衆全員が起立する“スタンディング・オベイジョン”。

ホールは、奏者をたたえる、割れんばかりの拍手の渦に包まれ、その後にアンコール曲が奏でられる。 今年3月イングランドで観戦した、百年の歴史を誇るクラブのスタジアムでのこと。狭い通路の天井から見守るクラブエンブレムの下をくぐり抜け、勢い良くダッシュで入場してくるホームの選手1人1人を、スタジアムの観客全員が起立し、大きな拍手で出迎える場面を目の当たりにする。選手と観客の一体感に胸を熱くし、それが日常であることにうらやましさを感じた。 90分間の試合中、一つ一つのプレーやジャッジには拍手に値する無数の場面が生まれる。強いパスをいとも簡単に足元に止める・意表をつくサイドチェンジの早いパス・危険なプレーやずるいファールを見逃さないジャッジ。欧州のサッカー先進国では、攻撃や守備のすばらしいプレー、審判の的確な判定の一つ一つに、スタジアムの観客は、ホームとアウェイの区別なく、拍手をおくる。

それは、まずピッチ内の選手同士が互いを尊敬し、たたえあう姿から生まれてくる。 言葉であれ表情であれ、相手をたたえる気持ちをその場で素直にあらわすこと。とても簡単なようだが、なかなかむずかしい。「拍手をおくる」ことは、スポーツにおいて、世界共通の互いをたたえあう大切な表現の一つだ。Jリーグが開幕して間もない頃、大住良之さんは『サッカーの話をしよう』の中で、“拍手はレベルアップの鍵”と述べている。 拍手いっぱいのスポーツで、もっと、幸せな国へ。