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コラム

百年構想のある風景

2015/1/12 10:00

ダービーカラー

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昨年出版された「FUSSBALL DERBYS」(ドイツ:Copress社)という本に、世界43カ国、75都市にある188クラブのダービーマッチが紹介されている。そこには、同じ町や地域のクラブ同士が、設立以来百年以上の間、良きライバル(宿敵)として戦い抜いた歴史がつづられている。 都市内や都市間のライバルの存在は、さまざまな場面の競争関係を、地域意識の伝統的な表現へと形作っていくエネルギーをもつ。欧米では、このライバル関係が色で表現されることは顕著な一例と言える。

たとえば、ACミラン(赤・黒)とインテル(青・黒)のように。 世界のダービーマッチでは、両クラブの間に地元決戦にふさわしいカラー・コントラスト(対比)の法則が守られている。ライバルと同系色のホームカラーは、初めから選択肢にはない。相手と一目で識別できる“色”や“デザイン”を基調とするものを、クラブの設立当初から採用しアイデンティティを確立している。 リバプール(赤)とエバートン(青)、ドルトムント(黄)とシャルケ(青)、ラティオ(水色)とASローマ(エンジ)、グラスゴー・レンジャーズ(青)とセルティック(緑・白)、ベンフィカ・リスボン(赤)とスポルティング(緑・白)・・・。つまり、ダービーマッチは、それだけ強い地域意識に根ざした対戦でもあることがわかる。 クラブが多数ある大都市になると、このホームカラー・コントラストは容易ではなくなる。同書の中には、ベルリン(6クラブ)、ブダペスト(5)、ブエノスアイレス(4)、イスタンブール(3)など3クラブ以上ある23の都市が紹介されている。 最多は、ロンドンに本拠地を置く9クラブ、このうち現在プレミアリーグには5クラブが所属する。赤、青、白の3色を基本に、パンツやストッキングの色を変えたり、シャツの柄に縦じま、横じま、サッシュ(帯)などを採り入れたりして工夫する。

1882年創立のトッテナム(白)をはじめ、アーセナル(赤に白袖)、ウェスト・ハム(エンジに水色袖)、チェルシー(青)の4強は、互いを意識し合いながらホームカラー・コントラストを保ってきた。 いつの時代でも、ダービーでは、両チームともにホームカラーのユニフォームでピッチに立つもの。同じカラーのレプリカとマフラーを身にまとい旗を振るスタンドのファンも、多くの勝負とともに汗と涙の染み込んだユニフォームに、選手と同様の武者ぶるいを感じるにちがいない。