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コラム

百年構想のある風景

2015/1/30 10:00

ご当地空港

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Jクラブのネーミングは、都市名+愛称が一般的である。愛称には、老若男女、その対象を身近に感じさせ、誇りや親しみをもたせる効果がある。愛称を持たない栃木SC、FC東京、横浜FC、FC岐阜、愛媛FCの5クラブは、欧州流を貫く、いわゆる硬派。いま、愛称化の流れが、空の上に及んでいる。 羽田空港を飛び立つと、「当機の“徳島阿波おどり空港”到着予定時刻は、○時△分です」というアナウンス。別便でも、目的地に近づくと「まもなく当機は、“出雲縁結び空港”に着陸いたします」。どちらも機内に流れるCAの楽しい放送だが、乗客は皆、耳慣れないせいか、まじめ顔でクスリともせず聞いている。コウノトリ但馬など空港の名前に、地域自らの発案で“地元ならでは”の愛称をつける『ご当地空港』が、いま全国各地に登場している。

動きの発端は、2003年に誕生した「高知龍馬空港」だった。土佐経済同友会を中心に県内約20の経済団体が、前年11月「実現する会」をつくり署名活動などを経て、坂本龍馬の誕生日(11月15日)にスタートした。その後、たんちょう釧路(06)、コスモポート種子島(06)、阿蘇くまもと(07)、対馬やまねこ(08)、富士山静岡(09)、米子鬼太郎(10)、徳島阿波おどり(10)、出雲縁結び(10)、岩国錦帯橋(10)など続々。 漫画家水木しげる氏の故郷、鳥取県境港市にある米子鬼太郎空港は、昨年地元の観光協会の発案により米子空港から改名された。空港ビルは、随所に鬼太郎をモチーフにしたデザインで楽しい。空港を通るJR境線16の駅名はすべて、2005年鬼太郎ワールドに変わっていた。たとえば、米子駅は「ねずみ男駅」に、米子空港駅は「べとべとさん駅」に。

この乗りでいくと、青森りんご空港、仙台七夕空港、山形さくらんぼ空港、秋田なまはげ空港、富山チューリップ空港、鳥取松葉ガニ空港、松山坊ちゃん空港、岡山桃太郎空港、宮崎フェニックス空港、鹿児島桜島空港などなど。こんな空港が実際にあれば・・・と考えるだけでワクワクする。愛称には、愛情を込めた軽いニックネーム感覚だけではなく、名称を耳にしただけで、我が故郷の誇りという心の襞(ひだ)を震わせる力があるからだろう。 日常、耳目に触れるものにこだわりの名をつけることは、地元に愛される空港や鉄道になる第一歩である。そのうちに、日本サッカー協会のエンブレムの「三本足の鳥」由来である熊野那智大社につなげた「南紀白浜やたがらす空港」や、百年構想の具現化に絡めた「新潟アルビレックス空港」の名前も。ネーミング次第で、アウェイツーリズムの空のひと時が一層楽しくなってくる。