昨年9月に開幕したグループステージからここまでの計12試合は長い旅路のような戦いの連続だった。5月10日に行われた明治安田J1百年構想WESTグループ地域リーグラウンド第16節・広島戦で敗れたあと、パナソニック スタジアム 吹田で行われた壮行セレモニーでキャプテンの中谷 進之介はチームを代表して意気込みを語った。
「とにかくガンバに10個目の星を届けられるよう、死に物狂いで自分たちを信じて頑張っていきたい」 イェンス ヴィッシング監督体制では初となるタイトルを懸けた大一番に挑むG大阪だが、まず注目されるのは広島戦でメンバー外となったケガ人の回復ぶり。J1百年構想WEST第15節・名古屋戦で左足首を痛めた安部 柊斗と、コンディション不良が続いていたイッサム ジェバリは、アグレッシブなプレスと縦に速いサッカーを志向するイェンス ヴィッシング監督のスタイルで欠かせないピース。彼らが復帰すれば、大きな“追い風”となることだろう。トップ下にはイッサム ジェバリとは異なる持ち味を持つ百戦錬磨の宇佐美 貴史が控えているほか、広島戦でトップ下起用となった食野 亮太郎もオプションの1つ。仮にイッサム ジェバリが欠場しても、彼らが存在感を見せてくれるはずだ。
注目選手は、今大会で5得点を挙げてチームトップスコアラーの山下 諒也。「アル・ナスルの試合の映像は見ているし、ここでは言えないが狙いどころはハッキリしている」と自慢のスピードでアル・ナスルの守備陣を撹乱する準備はできている。守備に回る時間が長くなる可能性はありそうだが、「試合の雰囲気を変えるプレーをしたい」と話す山下 諒也のスピードは間違いなくG大阪の武器になるだろう。
一方のアル・ナスルはアジアの枠組みを超えたタレントを擁している。実際にサウジ プロフェッショナルリーグでは現在首位を走っており、4月30日にはAFCチャンピオンズリーグエリートを制したばかりのアル・アハリ・サウジに2-0で快勝。5月13日に行われたアル・ヒラル戦は終了間際に追いつかれ、優勝決定には至らなかったが、高いモチベーションでG大阪戦に臨んでくるはずだ。
クリスティアーノ ロナウドとジョアン フェリックスというポルトガル代表コンビに加えて、前線にはサディオ マネやキングスレイ コマンら欧州のビッグクラブで活躍した選手がそろう上に、GKベントもブラジル代表という豪華な陣容。また率いるポルトガル国籍のジョルジェ ジェズス監督はフラメンゴ(ブラジル)で南米王者に輝き、FIFAクラブワールドカップ決勝でリバプール(イングランド)と延長戦の末に0-1で惜敗した経験を持つ名将だ。
完全アウェイの一発勝負で「よりやり甲斐もあるので、サポーターにタイトルを届けたい」と山下 諒也は言い切った。
G大阪のサポーターはもちろん、日本中のサッカーファンも熱い視線を送る歴史的な一戦になるのは間違いない。
[ 文:下薗 昌記 ]