このラウンド16は昨季、涙を呑んだ舞台でもある。光州(韓国)との第1戦を2-0で終えながら、アウェイに乗り込んだ第2戦で90分のうちに2点を奪われて2戦合計のスコアで同点に。そして、延長戦の末に2戦合計2-3で逆転負けという衝撃的な敗退を経験している。
2戦ともフル出場したマテウス トゥーレルにACLEへの意気込みを聞いた。そこには優勝への強い意志と同時に、いまなお強く記憶に残る昨季のラウンド16に対するリベンジの思いがあった。
「去年は本当につらい負けだった。自分自身も1週間ぐらいなかなか寝つくこともできなかった。でも、それを教訓にチームはすごく成長したし、『この借りを返そう』という強い気持ちを持っている。まずはFCソウル相手のアウェイで良い試合をして、とにかく去年のような敗戦はできない。しっかりと勝って帰ってきたいと思っている」 今年からミヒャエル スキッベ監督を指揮官に招き、乾 貴士や郷家 友太ら新戦力を迎え、着実に昨季からの積み上げが実現している。“進化版”の神戸としてラウンド16に挑むことになるだろう。
FCソウルとは新体制でのACLE初戦だったリーグステージ第7節で対戦済み。神戸市御崎公園球技場を舞台に武藤 嘉紀と酒井 高徳がゴールを決めて2-0で勝利を収めた。ただ、その試合はFCソウルにとって新シーズンの公式戦初戦。それでもキム ギドン監督の下で攻守にまとまりのあるサッカーを披露しており、続く第8節では広島相手に90+2分まで2-0でリードするなど、さらにベースアップした姿を披露していた。まごうことなきアジアの強豪だ。
2月28日にはKリーグ1が開幕し、FCソウルは仁川と対戦。神戸戦にも出場したソン ミンギュらがゴールし、2-1の勝利で好スタートを切っている。ホームで迎えるACLEラウンド16第1戦での先勝へ向けて、気力・体力とも充実した状態で挑んでくることは確実だ。
そして“一度対戦済み”ということは、アドバンテージにも、ディスアドバンテージにもなり得ること。前川 黛也は「韓国のチームはすごく整理されたサッカーをするようになってきている印象。FCソウルも前回戦ったときから変えてくると思う」と指摘する。昨季のラウンド16の相手である光州はリーグステージや第1戦で神戸に敗れた経験を経て、第2戦での大逆転につなげている。「実際、(光州に)研究されて僕たちのサッカーがやれなかったというのがあった。どんな想定でもできるような準備をして臨みたい」と神戸の背番号1は強い警戒心を口にしている。
ラウンド16第1戦は4日19時、ソウル・ワールドカップ・スタジアムでキックオフされる。アウェイの雰囲気に呑まれることなく、神戸らしく粘り強く、90分を戦い抜きたい。
[ 文:小野 慶太 ]