AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)に参戦中の町田は、リーグステージを首位で通過し、ラウンド16でも韓国の江原を撃破。ファイナルズへの進出を決め、あと3勝で頂点にたどり着ける状況となった。
初参戦のACLEでベスト8進出という偉業は、アジアサッカー界にもセンセーションを巻き起こし、先日の抽選会では“ドリームチーム”として、現地マレーシアでの注目度も高かったという。もっとも、選手たちは周囲の喧騒にも平常心を保っている。決戦の地・サウジアラビアへ出発する前の昌子 源はこう言っていた。
「当初から(準々決勝以降の)“サウジラウンド”へ進出することはチームの目標として掲げてきました。その1つの目標を達成した中で『サウジでサッカーができる』喜びの気持ちではなく、ここまできたからには『優勝したい』という一心です」 チームはサウジアラビアへの出発前、最後の公式戦となった明治安田J1百年構想EASTグループ地域リーグラウンド第10節・柏戦で勝利を収め、「壮行試合的な意味合いを持つ」(黒田 剛監督)ホームゲームに花を添えた。また決戦を控えたチームにとって、指揮官が1つの理想に掲げる1-0というスコアで柏戦を制したことは「かなりはずみになる」と中山 雄太は言った。さらに、今季は失点が重なっていた中で直近2試合をクリーンシートで終えられたことは、守備陣の自信回復につながる結果だったに違いない。
2試合連続無失点に一役買ったのが副主将の中山 雄太。1日に行われた第11節・FC東京戦でボランチとして先発した背番号19は、続く第9節・FC東京戦から3バックの左CBに戻ると、中山 雄太は「僕が後ろに入らないと、最終ラインは安定しない」という自負を結果で実証した。
数多くのビッグプレーヤーを擁する中東のクラブとの対戦を“ACLEの醍醐味”として捉えてきた中山 雄太は、「楽しみ」とファイナルズへ向けての高揚感を隠さない。また「(シビアな環境で)100%を出せない選手が多い中で、自分は100%の力を出せるという強みがある」と自負する守備の大黒柱は、「ビッグプレーヤーたちを圧倒できればいい」と言葉に力を込める。
なおファイナルズ初戦にあたる準々決勝で対戦する相手は、サウジアラビアのアル・イテハドに決まった。相手は中2日で町田との準々決勝に臨むため、町田のほうがフレッシュなコンディションで挑めるが、暑熱対策次第で試合当日のパフォーマンスは変わってくる。「まずは初戦で100%の力を出せるような準備をしていきたい」と語った昌子 源の言葉はチームの総意だろう。
一発勝負の3試合をすべて勝ち抜けば、その先に待っているのはアジアの頂。2012年に初めてJリーグに参入し、わずか1年でJリーグからの退会を余儀なくされた経験もある“新興クラブ”のビッグチャレンジに期待が膨らむ。
[ 文:郡司 聡 ]