AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)に初参戦している町田は、準々決勝で1-0の勝利を収め、ベスト4に進出。また1つ、クラブの歴史を塗り替えた。
なお、アル・イテハド(サウジアラビア)との準々決勝は、前半にチームの貴重な得点源の1つであるロングスローが猛威を振るうと、林 幸多郎からのロングスローがテテ イェンギによる決勝点につながった。そのロングスローの落下点に入ったのが、守備の要・岡村 大八。虎の子の1点につなげる競り合いの強さは、本分の守備でも十分に威力を発揮した。
アル・イテハド戦前の公式戦にあたる明治安田J1百年構想EASTグループ地域リーグラウンド第10節・柏戦は累積警告により出場停止となっていたため、ほかのチームメートよりも入念にコンディションを調整できたことはポジティブに作用した。柏戦直前には「サウジでのACLEファイナルズのことを語るのはまだ早い」(岡村 大八)と慎重な姿勢を崩さなかったが、「始まれば相手のFWに仕事をさせないことを意識していきたい」とも語っていた。
アル・イテハド戦では、主にマッチアップしたユセフ エンネシリを決して自由にはさせず。ポスト直撃のシュートに持ち込まれた場面は肝を冷やしたが、ファイナルズ前の頼もしい言葉を有言実行に変えた背番号50の活躍は、準決勝でも必要不可欠だ。
決勝進出を争うUAE王者のアル・アハリは、現役時代にポルトガルの名プレーヤーだったパウロ ソウザ監督が率いる厄介なチームだ。ブリーラム(タイ)と対戦した準々決勝は、2点を先行しながら追いつかれる形で延長戦に突入。最終的には延長前半に1点をもぎ取ってベスト4進出を決めた粘り強い集団だ。卓越したキック精度で相手ゴールを脅かす10番のフェデ カルタビアに対しては特に警戒が必要で、ほんのわずかでも体を寄せることをためらえば、味方がピンポイントで合わせられるクロスがゴール前へ入ってくる。相手にスキを与えないためにも、黒田 剛監督が就任以来強調してきたコンセプトの1つである“させない守備”の徹底は、1つのキーポイントだ。
また、アル・アハリはブリーラム戦の全3得点をセットプレー絡みの展開から決めているため、セットプレーの守備も普段以上に目の色を変えて対応しなければならない。一瞬でもスキを与えれば、痛い目に遭うのは町田だろう。
準決勝を迎えるにあたって、町田側のアドバンテージはコンディション面で優位に立っている点。準々決勝で120分の死闘を終えたアル・アハリは、町田よりも1日試合間隔が短い中2日で臨まなければならない。なお準々決勝でも、相手のアル・イテハドは延長戦を含めた120分の死闘を終えてから町田戦を戦っていた。くしくも似たような状況で準決勝を迎える町田としては、優位な“日程の妙”を生かさない手はない。
[ 文:郡司 聡 ]