ベスト8進出を懸けた天皇杯ラウンド16。トランスコスモススタジアム長崎ではJ2の長崎がJ1の鹿島を迎える。
2回戦、3回戦に続き、地元での試合となる長崎だが、チームにはアクシデントが続いている。東京五輪による中断期間明け初戦となるはずだった明治安田J2第24節・金沢戦が暴風雨により、試合延期に。さらに続くJ2第25節・山形戦も大雨の影響で延期となり、思わぬ形で公式戦から1カ月以上も遠ざかっている。新型コロナウイルス感染症陽性判定者が3人出たこともあり、十分なメンバーがそろわない状況だったが、この間に復帰できた可能性も高い。2回戦と3回戦はリーグ戦で出場機会の少なかった選手がプレーしてきたが、今回も同様の形をとるのか。それとも、週末のリーグ戦に向けて主力が試合勘を養うことに活用するのか。どういう狙いを持って入るのか、松田 浩監督のマネジメントに注目が集まる。
一方の鹿島は2回戦でYS横浜、3回戦で栃木を相手に快勝を飾り、危なげなくラウンド16進出を決めている。天皇杯ではリーグ戦からメンバーを完全に入れ替える形ではなく、リーグ戦のメンバーも起用している。今季は公式戦15連戦を経験し、チームの総合力を示してきているだけに、どういったスタンスで臨むのか。3日前にリーグ戦を戦っており、3日後にもリーグ戦が控えている。中2日で長崎までの移動が入ることでコンディションへの影響は避けられない。フレッシュなメンバーで臨むのか、それとも2回戦、3回戦と同様の起用法となるのか。こちらも相馬 直樹監督の判断に注目したい。
両者の天皇杯での対戦と言えば、長崎サポーターにとって忘れることができないのは2年前の準決勝だろう。最終的に鹿島が勝ったものの、激闘が繰り広げられた。前半の早い段階で鹿島が2点を先行する形になったが、長崎も前半のうちに1点を返す。後半に入って鹿島が3点目を奪うが、長崎も1点差に追い上げて食らいついた。初めての元日決勝へ強い意欲を示していた長崎だったが、国内最多タイトル数を誇る強敵の前に夢を断たれてしまった。
前回は県立カシマサッカースタジアムでの対戦だったが、今回は本拠地で戦うことができる。ホームアドバンテージをうまく生かしたいところだ。今季途中での監督交代後、[4-4-2]をベースとしたソリッドなスタイルが浸透している長崎だが、鹿島も4バックをベースとしたソリッドさがある。相馬監督が今季途中に就任してからは伝統とも言えるセットプレーの強さも際立っているだけに、そこへの対応にも注意を払いたい。
長崎が2年前のリベンジを果たすのか。それとも、鹿島が前回対戦同様、長崎を退けるのか。両者にとって“試合間隔”という言葉がキーワードになりそうな一戦だ。
[ 文:杉山 文宣 ]