ロートフィールド奈良で行われる天皇杯1回戦では、奈良県代表・奈良と大阪府代表・FC大阪が対戦する。
奈良は県予選で決勝戦から登場。決勝まで2戦勝ち上がってきたIKOMA FC 奈良(関西リーグ1部)と対戦した。IKOMA FC 奈良の堅い守備を破れず延長戦までもつれたが、100分に佐藤 大翔からのスルーパスに抜け出した安藤 陸登が右足でシュートを決め、先制点を奪取。その後ピンチはあったものの、しっかりと守り切って1−0で勝利。今夏宮崎から期限付き移籍で加入した安藤 陸登の活躍により、奈良が5年連続での本戦出場を決めた。

本戦でもチームを救う活躍が期待される安藤陸登(写真は2026/27 J3第1節・愛媛戦)
一方のFC大阪も、大阪府予選で決勝戦から登場。準決勝を勝ち上がったFCティアモ枚方(JFL)と対戦した。住田 将の精度の高いCKを生かし、開始早々の2分に木匠 貴大が、31分には新加入の伊佐 耕平が頭を合わせて、2点を先制。後半には、水戸から期限付き移籍中の森村 俊太が追加点を挙げ、3点をリード。終盤に1失点はあったものの、3−1で2年連続での本戦出場を決めた。
2013年にFC大阪が関西リーグ1部に昇格して以降、ずっと同じカテゴリーで戦ってきた両チーム。2015年に関西リーグ1部からJFLへ、2023年からはJ3へと、同時に舞台を移してきた。リーグ戦だけでなく、全国地域サッカーリーグ決勝大会(現・全国地域サッカーチャンピオンズリーグ)なども含めて対戦を数多く重ねてきているが、トーナメント戦で対戦したのは過去に三度しかない。
一度目の対戦は、2010年夏に行われた第46回全国社会人サッカー選手権関西大会の1回戦。関西リーグ1部だった奈良が、大阪府リーグ1部でありながら質の高い選手を多く擁していたFC大阪に1−2で敗れた。二度目の対戦は、2012年夏に行われた第48回全国社会人サッカー選手権関西大会の代表決定戦。ここでも関西リーグ1部の奈良が、関西リーグ2部だったFC大阪に0−2で敗れている。
三度目にトーナメント戦で相まみえたのは、両者が関西リーグ1部からJFLへの昇格を決めた2014年の冬。アマチュアサッカーファンに“ダービーマッチ”であると広く認知されたシーズンでもある。The KSL Cup 2014の準決勝で対戦し、前半にFC大阪が先制したが、終盤に奈良が追いつき、90分では1-1のドローに終わった。延長戦がないレギュレーションだったため、90分のゲーム後すぐに実施されたPK戦で、奈良が4-1で勝利した。
これまでのトーナメント戦での戦績は奈良の1勝、FC大阪の2勝となっている。
直近の明治安田J2・J3百年構想リーグでは、FC大阪が2戦2勝し、シーズンダブル。奈良は2023年8月20日に行われたJ3第23節で勝利して以降、ダービーマッチでの勝利に飢えている状況だ。
天皇杯の醍醐味は、下位カテゴリーのチームが上位カテゴリーのチームとも対戦できることだ。2回戦で待つJ1清水とも対戦できることを望むファンも多いだろう。ただ、目の前に立っているのが長年のライバルであるということも避けては通れない。
四度目のトーナメント戦でのダービーマッチ。勝利を手にするのは、ダービーでの勝利を渇望する奈良か、それともJ2・J3百年構想リーグで2勝を挙げているFC大阪か。

直近のリーグ戦で4点を奪い2戦負けなしのFC大阪。J2・J3百年構想リーグに続き、奈良戦勝利なるか
[ 文:前田 カオリ ]