8月最後の試合となるこの明治安田J1第13節。札幌ドームでは現在勝点13で13位の札幌が同23で3位につける名古屋と対戦する。札幌は日程変更により26日に第29節を戦ったため中2日。名古屋は前節を23日に行っており、中5日でのこの試合となるが、札幌は前節の鳥栖戦が中止となっているため、コンディション的にはおおよそ大きな差はない状況か。
札幌の直近試合は前述したように第29節、敵地での横浜FM戦。残念ながら1-4のスコアで大敗してしまっている。序盤と前半の終わり頃にジュニオール サントスにねじ込まれ、後半もおおよそ同じような時間帯に失点。後半は多少、押し込む時間帯があったものの、それはリードした相手がペースダウンしたからであり、一般的な推移。攻撃力、そしてフィジカルの差を完全に見せつけられた内容だったが、終了間際にアンデルソン ロペスが奪い返した1点を光明にしたいところだ。
この敗戦によって、札幌は5試合勝ちなし。リーグ戦再開直後は6戦無敗と好調な滑り出しを見せていたが、そこから一転。ストライカータイプの選手を前線に配置しない、ポリバレントなプレーヤーを並べる布陣にしてから勝点が伸びていない。その因果関係は分からないが、いずれにせよ勝ち切れない試合が続いてしまっている。
一方、次第に早朝などの気温が下がり始めている8月末の北海道に乗り込む名古屋の前節は、ホームで川崎Fと対戦して1-0で勝利。圧倒的なパスワークと攻撃力を生かして10連勝の快進撃を続けていた川崎Fを相手にアグレッシブな戦いを仕掛け、同時に最終ラインでは各自が体を投げ出しての粘り強い守備を披露した。前半終了間際に金崎 夢生が先制点を奪うと、このあともしっかりと川崎Fの手厚い攻撃をシャットアウト。見事な勝利で連勝を果たしている。
個性的な個人能力と戦略の融合。これが現在、名古屋が上位につけている要因だろう。抜きんでた決定力を持つ金崎に加え、ハイスピードでの突破ができる前田 直輝、強烈な左足を持つマテウス。そのほか、ガブリエル シャビエルやジョアン シミッチという実力者がいて、守備陣もGKランゲラックをはじめとした猛者揃い。個性豊かな戦力がそろっており、それを率いるのが戦略家のマッシモ フィッカデンティ監督である。個人能力を生かしながらも、同時にイタリア国籍指揮官らしく相手の長所を封じるゲームプランを立て、それらがしっかりとかみ合っている状況と見える。
さて、そんなチーム同士の対戦だが、焦点となり得るのが札幌の布陣だろう。ここ最近はポリバレントな選手を並べて高い位置から守備を行っているが、それは後方からパスをつなぐスタイルのチームとの対戦が続いていたからとも見える。名古屋もビルドアップを重視はするが、縦への速い攻撃を得意としているため、ホームチームはメンバー選考や並びに変化をつける可能性があるだろう。注目したいところだ。
[ 文:斉藤 宏則 ]