長くもあり、過ぎてみれば短くも感じたオフ期間が終わり、いよいよ待ちに待った開幕戦が訪れる。札幌ドームでは札幌と横浜FCが激突する。昨季の成績は札幌が12位で横浜FCが15位。2月の札幌市内はまだ雪が舞う時期ではあるが、どちらも今季の躍進を目指し、熱戦が繰り広げられることだろう。
札幌のオフは、ここ数年と同様に前年までのチームを絶対的なベースとしながら、要所に新戦力を迎え入れる補強を行った。昨季は試合内容こそ悪くないながらも、わずかな隙から守備網をこじ開けられての失点が目立っていたため、岡村 大八を群馬から、柳 貴博をFC東京から迎え入れた。対人守備に強さを持つ彼らの加入によって守備の強度は確実に増すはず。すでに昨季、特別指定選手としてリーグ戦5試合に出場している大卒ルーキーGK中野 小次郎の存在も守備力アップにつながる。
攻撃面に目を向けると、こちらも個の力の加入が総合力アップにつながりそう。名古屋から加入の青木 亮太は創造性あふれるアタッキングができる選手。約1年半ぶりの復帰を果たした天才MF小野 伸二についてはもはや説明不要だろう。明治大から加入の小柏 剛のドリブルも魅力的で、まだ入国ができておらずこの試合は欠場となるが、ナイジェリア国籍FWガブリエルのポテンシャルも楽しみ。既存のジェイ、アンデルソン ロペスもハイレベルなアタッカーであるため、うまく融合すれば迫力のある攻撃が見られることだろう。
一方、北海道に乗り込む横浜FCのオフは、こちらも昨季までの戦力を土台とし、守備陣は層に厚みを加える補強をしたのに対し、前線は即戦力の実力者を獲得してガラリと顔ぶれを一新した。渡邉 千真と伊藤 翔はどちらもゴール前での質を持った選手で、ジャーメイン 良、クレーベはパワーで得点を奪えるタイプ。守備陣は伊野波 雅彦、田代 真一ら昨季の顔ぶれが軸となるが、そこに経験豊富な高橋 秀人が鳥栖から加わった。
前線の顔ぶれこそ入れ替わったものの、グループでボールを動かしながらチャンスをうかがい、最後は個の力を組み合わせて崩しにかかるスタイルは昨季から継続されている。守備陣の連係はしっかり構築されている状態なので、敵陣でのパフォーマンスが今季の上位進出のカギとなるはずだ。
さて、そんなチーム同士の対戦だが、見どころとしては徹底したマンツーマンディフェンスを基本戦術にする札幌の積極的な守備と、横幅を広く使う横浜FCのパスワークとのぶつかり合いか。札幌は昨季マンツーマンを導入した直後はなかなか結果が伴わなかったが、次第に形となり、今季はより強度を高めた仕上がりになっているはず。もちろん、攻守で主導権掌握を狙う横浜FCの戦術もより洗練されているはずであり、目の離せない戦いが開始直後から見られそうである。
[ 文:斉藤 宏則 ]