明治安田J1百年構想EASTグループで7位の水戸と6位の浦和の直接対決。勝点3差で迎える中、ともに勝利を手にしてシーズン最終盤にさらなる勢いをつけたいという思いで挑む一戦となるだろう。
ただ、状況は対照的だ。水戸は前節、鹿島との“茨城ダービー”に挑んだ。3万人を超す大観衆の中、序盤からハイプレスを掛けて鹿島のビルドアップを封じ込み、相手陣地でのボール奪取を繰り返して果敢にゴールに迫る。「やりたいことができていた」と樹森 大介監督が振り返るように、水戸がペースを握って試合を進めることができていた。
しかし、30分にアクシデントが起きる。鹿島のGKからロングボールが蹴られると、鋭い動き出しで水戸DFの背後を突いた
レオ セアラを
牛澤 健が後ろから倒してしまい、決定機阻止の判定で退場処分に。約60分もの間、水戸は数的不利の状況での戦いを強いられることとなった。
前半こそ、「水戸のほうが決定機を作ることができていた」と
根本 凌が振り返るように、数的不利になっても果敢にハイプレスを掛けて攻め立てる展開を作った。しかし、後半に入って鹿島に戦い方を変えられるとプレスがハマらなくなり、守勢に回る展開に。そして58分にCKの流れから失点を喫すると、71分、79分と
レオ セアラにゴールを奪われ、勝負を決められてしまった。
過密日程の中で退場者を出し、多くの時間を数的不利で戦った疲弊は今節に大きく影響することは間違いない。また、今節は
牛澤 健が出場停止となるだけでなく、負傷者も出してしまったことで大幅なメンバーの入れ替えも予想される。加えて、ダービーで完敗を喫したショックも色濃く残っている。そうしたダメージを乗り越えて、今節に挑まなければならない。
厳しい状況での一戦ではある。ただ、求められるのは逆境で底力を見せる“水戸らしさ”を発揮すること。総力を結集させて勝利をつかみたい。
対する浦和は田中 達也暫定監督が指揮を執ってから3連勝中と波に乗っている。ボール保持時の優位性の作り方などもスムーズになっているほか、選手個々の役割が明確となり、“マンパワー”を存分に発揮できるようになっている。
前節は柏と対戦し、1-0で勝利を収めた。「お互いにボールを持つチーム同士の特徴が出た」(田中 達也暫定監督)中、後半に先制。その後、柏の反撃を受けながらも、耐え抜いて無失点で抑えたことはチームとして大きな自信につながったことだろう。田中 達也暫定監督は、「選手たちがいろいろな状況に対してシステム変更などで対応してくれたので感謝しています」と、柔軟な対応を見せた選手たちを称えた。その勢いを持って今節はアウェイに乗り込む。
前回対戦は浦和がホームで2-0の勝利を収めた。今節、浦和が前回対戦に続いて勝利を手にするか。それとも、水戸がホームチームの意地を見せてリベンジを果たすか。激しい攻防が予想される。
[ 文:佐藤 拓也 ]