明治安田J1百年構想WESTグループ首位に立った名古屋。今節はホーム・豊田スタジアムで7位の京都を迎え撃つ。首位争いを左右する重要な90分だ。
前節・G大阪戦を勝ち切ったあと、ペトロヴィッチ監督は「(地域リーグラウンドの)残り3試合でタイトルに向けて戦っていけるチャンスはあると感じている」と語り、優勝への意欲を隠さなかった。ただ、同勝点の2位・神戸は名古屋より1試合消化が少なく、たとえ名古屋が残り試合を全勝してもグループ首位に届かない可能性がある。その中で重要なのは、目の前の試合に100%集中すること。残り3試合を90分で勝ち切り、連勝を『5』まで伸ばしていく。ファンやサポーターに“決してあきらめないチーム”であることを示したい。
ここに来て、チームには確かな勢いが生まれている。大きな転機となったのは前々節・長崎戦だった。名古屋から最も移動距離が長いアウェイ戦で、連戦による疲労も考慮したペトロヴィッチ監督は、先発全員を入れ替える大胆なターンオーバーを決断。チームは苦しみながらも逆転勝利を収めた。
その控え組の奮闘は、当然ながら主力組に大きな刺激を与えた。長崎遠征に帯同していなかった主力の1人、
和泉 竜司は「個人的に、長崎に行ってくれた選手たちのぶんまで戦わないといけないと感じていたし、みんなもそういう思いを持っていて、それがプレーに出ていたと思う」と、G大阪戦を振り返る。互いの努力を認め合い、それぞれがチームのために走る。現在の連勝は、まさにチーム一丸となってつかみ取った結果と言えるだろう。
だからこそ、今節で名古屋が最も警戒しなければならないのは、“油断”なのかもしれない。相手の京都を軽視するという意味ではなく、厳しい日程と難しい相手に連勝したことによって生まれるわずかなスキだ。ここで満足感が出れば、一瞬で足をすくわれかねない。G大阪戦同様、前線からの激しいプレッシャー、攻守の素早い切り替え、球際での強さ、そして豊富な運動量で相手を上回ることが必要になる。
対する京都も、正念場を迎えている。名古屋戦に続き中2日で神戸戦と、現在の首位・2位チームとの対戦が待つ。厳しい日程ではあるが、試合消化数は名古屋より1試合少なく、現在7位とはいえ連勝すれば一気に首位争いへ食い込める位置にいる。
ただ、直近3試合はいずれも先制しながら勝点3を得られず、3戦で積み上げられたのは3ポイントのみ。曺 貴裁監督も「2点目を決めるチャンスにしっかり決められないことが結果につながっている」と語っており、課題はハッキリしている。その壁を乗り越えられれば、巻き返しの可能性は十分に残されている。
名古屋としては首位を守るためにも絶対に落とせない一戦。一方の京都にとっても、90分で敗れれば首位の可能性が消滅する。どちらにとっても“勝点2”では満足できない試合。意地と執念がぶつかり合う、熱量の高いゲームになりそうだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]