東京Vは前節、首位を走る長崎に対しボールを握って互角に渡り合ってのスコアレスドロー。3試合連続の引き分けで勝ち切れていないという見方もできるが、連続無敗記録を『5』に伸ばし、順位も12位までジワジワと上げてきた。戦いに安定感が出てきた理由は、3試合で1失点という守備の安定にある。「攻撃が終わったあとの切り替え、カウンターの起点をつぶすところは最近よくできている」と井上 潮音は手ごたえを口にする。課題は攻撃で、高いボール保持率を得点に結びつけられるかどうか。相手が毎試合失点の続いている琉球だけに、攻撃陣は結果を出したいところだ。
その琉球は前節、岡山に前半に先制されるものの、後半にセットプレーから2得点で逆転勝ちし、今季初勝利を収めた。順位は21位と変わらないが、ここ3試合は無敗で勝点5を獲得しており、ようやく下位脱出の兆しが見えてきた。課題はやはり失点の多さ。攻撃では明治安田J2第4節から6試合連続得点、ここ2試合は連続2得点と手ごたえを得ているだけに、得点力不足に悩む東京Vをゼロに抑えて連勝を飾りたい。ただ今週、チーム内に新型コロナウイルスの陽性反応者が出たことから、火曜日と水曜日のトレーニングを中止して選手は自宅待機となってしまった。このことは少なからず試合に影響してくるだろう。
琉球には昨季まで東京Vに所属した李 栄直をはじめ、阿部 拓馬、富所 悠、福井 諒司ら古巣との対戦となる選手が多く、逆に東京Vには永井 秀樹監督、藤吉 信次コーチらかつて琉球でプレーしたスタッフがいることも見どころの1つ。また東京Vからポルトガル1部リーグのジル・ヴィセンテへの期限付き移籍が決定した藤本 寛也にとっては、これがひとまず緑のユニフォームを着てのラストマッチとなる。互いに主導権を握る攻撃サッカーを志向するチーム同士、素晴らしい攻め合いを披露して、21歳の若武者の海外挑戦に花を添えたい。
[ 文:芥川 和久 ]