明治安田J1で7連敗するなどシーズン序盤から苦境に陥り、一時は消極的な戦いぶりを続けていた大分だが、7連敗の2敗目のあとに開催されたルヴァンカップBグループ第2節では、アウェイで徳島に勝利。6敗目のあとの同第3節・FC東京戦では積極性を取り戻し、敗れはしたがチーム向上の兆しを見せた。7敗目となったJ1第11節・浦和戦ではリーグ戦5試合ぶりの得点を挙げ、白熱のシーソーゲームで競り負ける。そこから中2日でのアウェイ連戦だったルヴァンカップBグループ第4節・神戸戦では、フィールドプレーヤー全員を入れ替えて割り切った戦法の下、0-0で勝点1を手にした。ようやく長いトンネルを抜けたのは5月2日に開催されたJ1第12節・清水戦。勝利への欲求を全面に出して戦い、今季公式戦ホーム初勝利を遂げた。
タフな連戦の中、清水戦で虎の子の1点を守り切るために交代枠5枚のうち2枚を残す強気の采配に出ることができたのは、直前のルヴァンカップ・神戸戦で、これまで出場機会の少なかったメンバーが良い戦いをしてくれたからこそだと、片野坂 知宏監督は試合後に振り返っている。週末にはJ1第13節・湘南戦が控えており、今節もターンオーバーが予想される中、片野坂監督体制では未踏のプレーオフステージを狙える手ごたえも芽生え始めた。
一方の徳島は、新型コロナウイルス禍の影響で来日が遅れていたダニエル ポヤトス監督がようやくチームに合流し、J1第10節の鹿島戦から指揮を執っている。甲本 偉嗣ヘッドコーチからバトンを受け取ったあと、リーグ戦では1-5で敗れた第11節・柏戦を含め3連敗しているが、ルヴァンカップでは第3節に神戸を1-0で下し、第4節はFC東京と1-1で分けている。
新指揮官の戦術浸透や采配についてはまだ安定した評価を下せるほど実戦を重ねていないが、カカとクリスティアン バトッキオの新外国籍選手も早速、実戦経験を積みつつあり、彼らを加えることでこれまでのチームがどう変化していくか次第でも、ここからしばらくの戦績が左右されそうだ。チームとしても早く波に乗りたいところだろう。
片野坂監督体制でJ1での厳しい3シーズン目を戦う大分にとっても、今季J2から昇格した徳島にとっても、ルヴァンカップで結果を残すことはリーグ戦への自信につながる。大分の坂 圭祐は、清水戦後にこう語った。
「個人的に湘南時代にルヴァンカップ優勝経験があり、チャンスがあることを知っている身としても、なんとしても勝ち上がりたい」 コロナ禍による入場制限はありつつ、大型連休真っただ中の、ルヴァンカップでは数少ないデーゲーム。どちらかがグループステージ突破に近づく3ポイントを手に入れるか、痛み分けとなるか。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]
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