三協フロンテア柏スタジアムで行われたJリーグYBCルヴァンカッププレーオフラウンド第1戦は1-1で引き分け。中3日で行われる第2戦は、勝ったチームがプライムラウンドの準々決勝に進出できるという極めてシンプルな構図になった。
2021年以来のタイトル獲得を目指す名古屋。第1戦では期待の新戦力・
山岸 祐也が加入後初得点を挙げて15分に先制したものの、72分に
高嶺 朋樹にミドルシュートを決められて引き分けに持ち込まれた。
それでも、名古屋にとってはポジティブな引き分けだったと言えるだろう。明治安田J1第17節・川崎F戦から中2日のアウェイ連戦という日程的に厳しい中で、内容としては多くのチャンスを作り、追加点や勝ち越し点を奪えるシーンを何度も作った。守備面でも危ないシーンは少なく、失点時に1つの判断ミスはあったが、それ以上に相手のシュートが素晴らしかった。
当然、長谷川 健太監督も第2戦を見据えた上での采配を振るい、例えば快足FWの
永井 謙佑を前半のみで交代させるなど、ホームの戦いに向けて余力を残した。負傷者がいる上に
ハ チャンレが韓国代表に選出されたことで、ディフェンスラインはやや人員不足とも言えるが、逆に前線は多くの選手でタイムシェアされ、コンディション的にはそれほど心配はいらない状況である。
その中で注目したいのは、やはりFWの
キャスパー ユンカーだろう。第1戦はベンチにも入らず、完全にリフレッシュして第2戦に備えた。シーズンの序盤はケガで欠場する試合があったものの、復帰3戦目、およそ2カ月ぶりの先発となったJ1第14節・FC東京戦ではハットトリックを達成。完全復活をイメージづけた。第1戦で山岸がゴールを挙げたことも刺激になっているはずで、エースが爆発する素地はできている。
それに加え、昨季の名古屋は交代選手になかなか得点が生まれないという課題があったが、今季は戦力が充実したことでその悩みも解消されている。一の矢、二の矢、三の矢と、次々と状況に応じた策が打てることで後半の得点も増えている。もちろん先手必勝で先制点を奪って優位に試合を進めたいが、焦らずにじっくりと試合を進めて後半にギアを上げることもできる。徹底的に勝利にこだわり、準々決勝進出を果たしたい。
対する柏で注目したいのは
マテウス サヴィオ。ハードワークのできるテクニシャンは第1戦では62分から出場し、それまでやや停滞気味だった攻撃を劇的に変化させ、それが高嶺の同点ゴールに結びついた。柏に在籍して6年目で、J2のタイトルは獲っているものの、J1でのタイトルはまだ獲得したことがなく、是が非でもこのルヴァンカップを掲げたいと願っていることだろう。
柏は第1戦で、直近のリーグ戦から先発を10人入れ替えた。その中で井原 正巳監督は、「出場機会の少ない選手が中心のメンバーで、先行されても後半にしっかりと追いついてドローで終わることができ、後半の残り90分につながったと思っている」と語った。おそらく第2戦は主力組がピッチに立つと思われるが、そのつないだバトンの重みを感じながら、勝利のために全力で闘いたいところだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]