鳥栖と対戦するFC東京は首位の座を守れるか。鹿島は5連勝と勢いに乗るＣ大阪との重要な一戦に臨む【プレビュー：明治安田Ｊ１ 第28節】

明治安田生命Ｊ１リーグは、今週末に第28節を迎える。今季も残り7試合。優勝・残留争いは、ますます熾烈を極めていくはずだ。

首位のFC東京は、アウェイで鳥栖と対戦。前節は松本の堅守をこじ開けられずに、スコアレスドローに終わった。ここ2試合は勝ちがなく、ともに無得点。日本代表に選出された永井 謙佑の爆発が待たれるところだ。対する鳥栖もここ2試合は勝ちがない。前節は、一度は逆転しながらも終了間際の失点に泣き、3-3で浦和と引き分けている。それでも複数得点を奪えたのは好材料で、調子を上げてきた金崎 夢生にかかる期待は大きい。

Ｃ大阪vs鹿島は、今節の注目マッチとなる。5連勝で4位に浮上したＣ大阪に対し、鹿島はFC東京に1ポイント差の2位につける。ともに逆転優勝のためにも勝利こそが求められる一戦だ。Ｃ大阪は堅守に加え、得点力が向上してきており、攻守両面に隙はない。一方の鹿島も6試合負けなしと安定した戦いを続ける。4試合連続ゴール中のセルジーニョが、Ｃ大阪の堅守を打ち破るためのキーマンとなるだろう。

3位の横浜FMは、磐田の本拠地に乗り込む。前節はリードを守り切れずに仙台と引き分け、連勝が3でストップした。それでも勝点1を加え、首位とは4ポイント差を保つ。逆転優勝を射程にとらえるなか、最下位に沈むチームから確実に勝点を手にしたい。対する磐田は前節、大分に競り勝ち、8試合ぶりに勝点3を手にした。フェルナンド フベロ体制下での初勝利であり、好転のきっかけを見出している。大分戦で2ゴールを決めた山本 康裕のパフォーマンスに注目が集まる。

5位の川崎Ｆは、アウェイで湘南と対戦。前節は神戸に敗れ、逆転優勝が厳しい状況に追い込まれている。あっさりと失点するケースが目立っているだけに、強固な守備組織を取り戻したいところだ。一方の湘南は、前節清水に6失点の完敗を喫した。これで5試合勝利なし。15位に転落し、降格圏が背後に迫っている。監督不在の状況が続くなか、ピッチに立つ選手たちがこの苦境を乗り越えるだけの粘り強いパフォーマンスを示せるか。

6位の広島はホームに神戸を迎える。ここ2試合勝ちがなく、前節は押し込みながらも名古屋に勝ち切れなかった。攻撃の形は作れているだけに、フィニッシュワークの質の向上が求められる。対する神戸は2連勝と調子を上げている。アンドレス イニエスタが復帰し、ダビド ビジャも好調を維持する。広島の堅守をいかに崩していくのか。両雄のパフォーマンスに注目が集まる。

Ｇ大阪は金曜ナイトに、ホームに札幌を迎える。前節はライバルのＣ大阪に1-3と完敗。16位との差はわずかに3ポイントで、降格圏が近づいている。毎試合のように得点は奪えているものの、失点の数がなかなか減らない状況にある。高いボール奪取力を誇る井手口 陽介がカギを握りそうだ。対する札幌は2試合勝利がなく、7位に留まる。それでも前節は鹿島相手に互角の戦いを演じた。前節欠場した鈴木 武蔵が、その鬱憤を晴らす活躍を見せられるか。

浦和はホームに清水を迎える。水曜日のＡＣＬでは広州恒大相手に快勝を収めたものの、リーグ戦ではなかなか結果が付いてこない状況にある。8試合勝利がなく、残留争いが現実のものとなりつつあるなか、アジアでの戦いの勢いをこの試合にも持ち込みたいところだ。対する清水は2連勝と調子を上げている。前節は湘南相手に6得点。しかも課題の守備もクリーンシートを実現し、手ごたえをつかむ勝利となった。2試合連続2ゴールと勢いに乗る西澤 健太が注目選手となる。

名古屋はホームで大分と対戦。前節からマッシモ フィッカデンティ監督が指揮を執るチームは、粘り強い守備を実現し、広島と引き分けた。勝利こそ手にできなかったとはいえ、好転のきっかけを見出す試合となったはずだ。あとはいかに得点を奪えるか。エースのジョーにかかる期待は大きい。対する大分は、前節最下位の磐田に敗れている。終了間際のゴールで敗れただけに、最後まで集中した対応が求められる。

仙台はホームで松本と対戦。前節は終了間際のゴールで追いつき、横浜FMと引き分けた。現在12位と厳しい状況に置かれているが、前節示した粘り強さを、今節にも持ち込みたいところだ。対する松本は、前節、首位のFC東京と引き分けた。堅い守りは保たれているだけに、セルジーニョら攻撃陣が意地を見せたいところだ。

■各試合の見どころをチェック
Ｇ大阪vs札幌
仙台vs松本
磐田vs横浜FM
名古屋vs大分
鳥栖vsFC東京
広島vs神戸
Ｃ大阪vs鹿島
浦和vs清水
湘南vs川崎Ｆ