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佐藤 寿人の視点:新体制での初勝利は良い薬に。課題はボックス内にどのようにボールを入れるか【ACL 神戸vs傑志】

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2022年4月20日(水) 13:40

佐藤 寿人の視点:新体制での初勝利は良い薬に。課題はボックス内にどのようにボールを入れるか【ACL 神戸vs傑志】

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佐藤 寿人の視点:新体制での初勝利は良い薬に。課題はボックス内にどのようにボールを入れるか【ACL 神戸vs傑志】
井上 潮音のゴールなどで、初戦を1点差で制した神戸。

激闘が繰り広げられるAFCチャンピオンズリーグ。グループステージ突破を狙うJリーグ勢はアジアの難敵相手にいかなる戦いを見せたのか。DAZN解説陣が鋭い視点で試合のポイントを分析するとともに、次節の見どころを語る。

試合の入りから傑志が長いボールではなく、しっかりとボールを動かして攻めてきたので、神戸からすれば「意外とやるな」という感覚だったと思います。実力で上回る神戸がボールを保持しましたが、4-1-4-1のブロックを敷く相手に対し、効果的なボールの出し入れができず、2列目のラインをなかなか突破することができませんでした。
もう少し斜めのパスを入れるなどして、前に行ければよかったんですが、初戦ということもあり、なかなかリスクを負うことができなかった印象です。

それでも早い時間帯に先制できたことで、精神的には楽になったはず。戦力的な部分を考えれば、追加点を奪ってもっと早くゲームを決められた試合だったと思いますが、就任間もないロティーナ監督の下で、まだまだ試行錯誤の段階のゲームかなと感じました。

とりわけ、上手くいかないと感じたのは、ボックス内にどうボールを入れていくかという部分。右では酒井(高徳)、郷家(友太)、中坂(勇哉)の連係が良く、サイドで幅を取りながらスペースを空ける動きと味方を使う動きができていた一方で、左サイドも幅を取っていたため、中の枚数が必然と少なくなっていました。酒井が右の高い位置でボールを受けてルックアップした時に、中の空間は見えても、そこに人が入ってくる具体的なイメージを描けなかったと思いますね。さすがに大迫(勇也)だけでは厳しいので、大迫が引っ張ることで生まれたスペースに、ボージャンが入っていくようなプレーが増えていかないと、なかなか怖さを与えられないように感じました。

またDAZNの解説でも言いましたが、今季の神戸はアクションが少ないように感じます。しっかりとボールを扱うことを意識してやっているのだとは思いますが、止めてから次のプレーに移るという感じで、スピード感がどうしても足りない。受け手側も、味方が止めてからのアクションが多かったですね。味方が止めるであろうという予測の下で走っている選手が少ないですし、相手が引っ張られたところに入っていくようなプレーも少なかった。そこはロティーナ体制で積み上げていかなければいけない部分でしょうし、多少時間はかかるのかなと思います。

先制後に、閉塞感が漂う展開となりましたが、終盤に交代選手が2点目をもたらしたことは大きかったですね。あの時間帯までは途中から入った汰木(康也)がボールに触れる回数が少なかったんですが、得点場面では非常にいい仕事をしました。井上(潮音)も逆サイドでしっかりポジションを取れていた。交代選手が追加点を奪う仕事をできたのは、ポジティブだったと思います。

ロティーナ監督にとっては、これが2試合目となりましたが、まずは守備を意識しているように感じます。サイドバックが高い位置まで行かないところからも、守備に相当重きを置いているなと感じましたね。もっと相手の背中を取る動きがあっても良いように感じましたが、まだ作っている段階ということもあり、リスクを極力避けたいという狙いがあるのでしょう。

課題が多く見られた試合でしたが、そのなかでの光明は、郷家や中坂といった中堅どころがチームを牽引していたこと。これまでの神戸はどうしてもイニエスタや酒井、山口(蛍)といった経験豊富な選手が引っ張ってきましたが、この試合では郷家にも、中坂にも、自分が何とかしてやろうという想いを感じることができました。汰木にしても、井上にしてもそうです。リーグ戦で勝てないなかで、絶対的なレギュラーではない彼らが意欲溢れるプレーを見せてくれたことで、間違いなく競争意識が生まれますし、チームに漂う閉塞感を払しょくするような存在となっていくかもしれません。

終盤に1点を失ってしまったことは反省材料ですが、今の神戸にとっては何より勝利という結果を手にしたことがすべてでしょう。勝点3を取って、勝利の喜びを味わえたのは、メルボルンとのACLプレーオフ以来ですから、この勝利をきっかけに、良い方向に向かっていくことを期待します。

次戦はチェンライ・ユナイテッドが相手になります。初戦では傑志に0-1と敗れましたが、地元タイのクラブなので地の利もあるでしょうし、連敗を避けたい想いもあるでしょうから、厳しい戦いになることが予想されます。

傑志との試合には、チェンライの選手も見に来ていたので、神戸がどういうチームで、どういう戦いをするのかを理解したうえで、ゲームに入ってくると思います。それでも神戸がボールを保持すると思いますが、傑志戦で出た課題を整理して、チェンライ戦に臨んでいってほしいですね。とりわけ、ボックス内にボールを入れるところと、スピード感を持つところ。勝つことはもちろん、より多くの得点を奪うというところにもトライしてもらいたいと思います。

このグループJは、上海海港が参加を取りやめたことで、3チームによって争われます。1試合の重みが増したからこそ、初戦で勝ち切れたのは大きかった。次の試合にも勝つことができれば、グループ突破は大きく近づくでしょう。

とはいえ、3チームの力関係を考えれば、神戸にとって1位で通過することは最低限の結果。監督が代わったなか、苦戦が続くリーグ戦に向けてチームをもう一度作り上げることも大事な作業となります。したがってこのグループステージでは、結果だけではなく、内容にも目を向けた戦いが求められてくるのではないでしょうか。

ヴィッセル神戸×傑志|ハイライト】


AFCチャンピオンズリーグ2022 東地区グループステージMD3
ヴィッセル神戸vsチェンライ ユナイテッド
2022年4月22日(金)23時00分キックオフ
DAZN独占配信

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