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戸田 和幸の視点:戦い方を変えてきた相手に最適解を見出せず。最終節は今日出た課題を踏まえてチャレンジを【ACL チェンライUvs神戸】

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2022年4月26日(火) 13:40

戸田 和幸の視点:戦い方を変えてきた相手に最適解を見出せず。最終節は今日出た課題を踏まえてチャレンジを【ACL チェンライUvs神戸】

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戸田 和幸の視点:戦い方を変えてきた相手に最適解を見出せず。最終節は今日出た課題を踏まえてチャレンジを【ACL チェンライUvs神戸】
引いた相手を崩すにはロジックが必要です。全体的に相手の守備組織を揺さぶったり、引っ張り出したりする作業が足りなかったように思います。

激闘が繰り広げられるAFCチャンピオンズリーグ。グループステージ突破を狙うJリーグ勢はアジアの難敵相手にいかなる戦いを見せたのか。DAZN解説陣が鋭い視点で試合のポイントを分析するとともに、次節の見どころを語る。

前節のチェンライは5-4-1のシステムで、ただ人が立っているような状態でした。最終ラインは不必要に高く、なおかつガタガタ。神戸は中央から簡単にボールを差し込めましたし、サイドに運んだ時にはもう内側の選手がフリーな状態で、変な言い方をすれば、何もしなくても背後が取れました。

しかし今節のチェンライは4-4-2でしっかり守ってきました。その相手に神戸はある程度ボールを保持できたし、ファイナルサードの外側まで持ち込める場面はありましたが、結局遠目からのクロスに終始してしまった。クロスは戦略的には重要ですし、真ん中で合えば点は取れますが、成功する確率はそう高くありません。それにGKにキャッチされた時にはカウンターのチャンスを与えることにもなります。

引いた相手を崩すにはロジックが必要です。過密日程と蒸し暑さのせいで選手たちの動きに少し重さを感じました。ただ同時に、全体的に相手の守備組織を揺さぶったり、引っ張り出したりする作業が足りなかったように思います。

4-4のブロックの外にボールを運んだ時に、相手はSBとサイドハーフのどちらが出るか迷いがあり、対応が遅れがちでした。そこで相手の背後の空間を上手く使えなかった。左後方に下りてボールを受ける機会が多かった山口(蛍)もその場でのプレーに終わっていました。一度、左サイドで槙野(智章)が持った時に、前方の汰木(康也)に相手SBの加藤(恒平)が食いつき、その外側を走る初瀬(亮)がフリーになったシーンがありました。また相手の中盤後方にスペースがあり、井上(潮音)と汰木(康也)が意識的にポジションを取ってもいました。しかし、そうした局面で、後ろの選手がそれを効果的に活用できずにいました。

後半途中から日髙(光揮)を入れて2トップの形にしたのは、敵陣に進入する人数を増やしたかったのでしょう。これで相手は中央に引き付けられる形になり、両サイドで時間的、空間的な余裕が生まれました。それでも、ゴール前にボールを届けるプロセスが上手くいきませんでした。

その場でつなぐのは、安定したボール保持につながりますが、相手からすれば、ブロックの周りでボールを回されていただけに過ぎず、怖くはありません。相手に向かってドリブルで仕掛ければ、DFを引き付け、スペースを生み出すことができます。そうすれば、外だけでなく、中央の大迫(勇也)を含めたつながりができたはずです。

守備組織を打ち破りたいのだったら、ボランチのどちらかを相手の守備に進入して穴を開けるタイプにしたほうが良かったのかもしれません。ただ、ロティーナ監督が山口と扇原(貴宏)を維持したのは、まずはバランスを重視してカウンターを許さない考え方だからでしょう。

ポジションを取って、相手を見て、判断を共有して、さらにボールをスピーディに回すのは簡単なことではありません。状況を的確に把握する目が重要になってきます。監督が代わってまだ4試合目とあって、その部分はまだまだという気がしました。

ロティーナ監督は目新しいことをやっているわけではありません。同じような配置、同じようなプレーでも、監督から出てくるワード、トレーニングなどがより具体的になると、選手たちは一時的に考えることが必ず増えます。そこで判断基準を設けようとした時に、それを処理して回答を出す作業に馴染みがない選手がいるとコンヒューズ(混乱)します。意思決定までに時間がかかったり正確性を失ったりしますから。

先ほど名前を出した山口にしても、後ろからボールを持ち運ぶことは今まで山ほどやってきているんです。ところが感覚的だったプレーを論理的にやるには、ハードワークやフィジカル的なアグレッシブさという目に見える部分ではなく、頭の中のインテンシティを高めなければいけません。今、神戸の選手たちはそれにチャレンジしている最中です。もちろん、相当頭は疲れると思いますが、新しい刺激を得ているはずです。

フットボールはそういうものだと、僕は思います。頭と心のスポーツであって、身体はその表現方法に過ぎません。世界のトップの選手たちはロジカルなプレーを当たり前にやっています。

位置取り、視点、判断の正確性も飛び抜けている(アンドレス)イニエスタは、ドリブルの使い方も抜群に上手いんです。必要な時にドリブルを使い、相手を引き出しつつ、味方との距離を瞬間的に縮めてトントンとワンツーで入っていく。それは論理的に状況を捉えて選択しているからなんです。その意味で、やはりイニエスタがいるのといないのでは違うなと感じますね。でも今の相手のレベルを考えた時に、井上や、今日は出なかった中坂(勇哉)、また郷家(友太)もそれを徐々に学んでほしいと思います。

今日のような試合を経て全体の理解レベルが上がるものです。例えば、CBの菊池(流帆)は攻撃の局面でフリーな選手に正確に早くボールを渡せない場面がありました。そういったところはトレーニングだけでは学習しきれません。いろんな相手との実戦を通して、判断基準を構築していかければいけません。そういう意味で、今日の試合は収穫がありました。

次戦はグループ突破がかかった試合ですが、そこでも、なぜそこにポジションを取るのか、何を考えてつなぐべきなのか、そういったことが間違いなく上積みされます。ロティーナ監督の場合、どの試合でも戦いの基本線は変わりません。オープンな試合展開にすることもないはずです。そのなかで、今日出た課題を踏まえてチャレンジできれば、少なからずプラスの要素は生まれるでしょう。

【チェンライU×ヴィッセル神戸|ハイライト】

[次節開催情報]
AFCチャンピオンズリーグ2022 東地区グループステージMD6
傑志vsヴィッセル神戸
2022年5月1日(日)20時00分キックオフ(日本時間)
DAZN独占配信

 

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