2026年度 第7回Jリーグ理事会後会見発言録

Jリーグニュース

2026/8/14 (金) 18:40

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2026年7月28日

2026年度 第7回Jリーグ理事会後会見発言録

2026年7月28日(火)16:00~
Jリーグ会議室およびWeb ミーティングシステムにて実施

登壇:チェアマン 野々村 芳和
   執行役員(フットボール本部)樋口 順也
陪席:理事(常勤)青影 宜典
   執行役員 窪田 慎二
   執行役員 鈴木 章吾
   フットボールダイレクター 足立 修
   フットボール本部 企画戦略ダイレクター 小林 祐三
司会:広報部長 江崎 康子

〔司会(江崎広報部長)より説明〕
本日開催いたしました第7回理事会後の会見を開催いたします。
本日は冒頭、野々村チェアマンよりご挨拶、その後、各執行役員ならびに司会より主な決議事項についてご説明いたします。

《決議事項》
1.2026/27シーズン Jリーグ配分金について
2.2026/27シーズンAFCクラブ競技会出場クラブへのサポートについて  
3.Jリーグフットボールガイドライン策定について

《報告事項》
1.規約規定改定のお知らせ
2.2026/27シーズンのパートナーシップの件

〔野々村チェアマンよりご挨拶〕
Jリーグも8月に新しいスタートを迎えます。当然ながら大事なシーズンになります。FIFAワールドカップ2026を終えて、日本代表選手たちが日本のサッカーがもっと国内に浸透して、色んな意味で文化になっていってほしい、文化になっていかなければ、などのコメントを残してくれています。Jリーグとしてはその部分をしっかりと担って、世界のトップ水準がJリーグの当たり前になって、選手、関係者から選ばれるリーグになっていく、という思いをしっかりと持ったうえで、新しいシーズンを迎えていきたいと思っています。

近況として、Jリーグは、FIFAワールドカップ2026(以下、ワールドカップ)の準決勝が行われていた頃、ヨーロッパでJクラブがキャンプを実施していたこともあって、Jリーグフォーラムをオーストリアのザルツブルクで開催しました。ヨーロッパのクラブは欧州の五大リーグも含めた26クラブ、Jリーグのクラブからは12クラブ、Jリーグ関係者を含めて総勢60~80人くらいの関係者に集まっていただき、「Jリーグとは」ということや、私たちがこれから目指していく世界観を伝えました。終了後、ワールドカップの準決勝が始まるくらいの時間でしたので、日本とヨーロッパのクラブの関係者みんなで話をしながら、ワールドカップを観戦する時間を設けることができました。私たちがやりたいことをヨーロッパの方々に伝えることももちろん重要ですが、Jリーグのクラブの関係者がヨーロッパのクラブの関係者とダイレクトにコミュニケーションをとるという場が、今までなかったため、多くの人たちにそういった機会が与えられたことはすごく良かったと思います。ヨーロッパのクラブも当然ながら日本人選手のクオリティをはっきりとわかってきていますし、リーグに対する関心の高さもあるということを改めて感じた時間でした。

冒頭お話ししましたように、Jリーグは新しく開幕いたします。

ここまで様々な準備がありましたけれども、この数年間のJリーグ振り返って、次に向かいたいと思います。入場者数はクラブの尽力のもと3シーズン連続で増えており、過去最高を更新することができました。4年前からは、地域(ローカル)ごとのメディアにおける露出を増やすために様々な投資を行い、サッカー応援番組の制作などを行ってまいりました。これらの取り組みで、4年間で約640%の露出増となっています、6.4倍、普段の生活の中でサッカーを目にする時間が増えています。加えて、リーグ・クラブの売り上げも初の2,100億円を超え、100億円以上売り上げているクラブも複数出ているという状況です。

一方、2026/27シーズンJリーグのパートナー社数は過去最多の42社となり、応援いただいている企業が増えている状況です。財務上も協賛金収入としましては2025年比で122%くらいまで増えてきています。

リーグとクラブとで一緒になって様々な努力をすることで、次のステージに向かっていく準備はできたと思っています。シーズン移行を通じてスタートが変わったからといって、変わった翌日から、すべてがうまくいくとは考えておりません。今まで積み重ねてきた準備をもとに、少しずつ、着実にトップレベルに近づいていけるよう努力していきたいと思っています。

本日の理事会に関しては、3点お伝えすることがございます。

1点目は「フットボールガイドライン」をJリーグとして策定いたしました。Jリーグがサッカー、ピッチ上の内容だけでなく、どのような「作品」を作っていきたいかということを、リーグ、クラブ、選手、審判などみんなでつくりあげて、そこを目指す、という指針になるようなものを策定しました。

2点目は、リーグからクラブへの配分金について。リーグの売り上げが伸びている分を、クラブに対して配分します。色々な配分のメニューはありますけれども、新設したキャンプ費用に対する配分金、そしてAFC競技会に向けた配分に関する変更について、本日の理事会で決議いたしました。

3点目は、AFC競技会(AFCチャンピオンズリーグElite、Two)の出場クラブに対するリーグサポート方針についても決議されました。ACLで勝つことの難しさはこの数年間で実感しているところですが、決して手の届かないところではなく、現実的な目標です。その中で、できる限りのサポートをしていこうという話をしました。

いずれの議題も、現在Jリーグが掲げている2つの成長戦略「60クラブがそれぞれの地域で輝く」・「トップ層がナショナル(グローバル)コンテンツとして輝く」という、この二つをしっかりと実現していくために、必要な議論が行えたとお伝えしたいと思います。

私からは以上です。ワールドカップが終わっても、少しまた違った空気でサッカーを楽しんでもらえる環境していきたいと思いますので、メディアの皆様、今シーズンもどうぞよろしくお願いいたします。

〔質疑応答〕
Q:リーグからクラブへの配分金に関して、昨年打ち出されていた降雪エリアの施設整備助成金について、対象12クラブのうち承認が2件にとどまっている現状をチェマンはどのように受け止めていますか。また、制度の使い勝手の良さや活用促進に向けて、今後どのように活用を進めていく考えかを教えてください。

A:野々村チェアマン
本助成金は、降雪地域のサッカー環境をよりよくするために25年に新設した制度であり、もちろん多くのクラブに使っていただきたいと考えています。中長期的に、何に投資をするのが、クラブや地域のためになるのかということは、地域の人たちと連携しながらクラブが考えて、リーグに申請をいただくものなので、その準備はそう簡単にはいかないと思います。クラブだけで判断できるものがあるならば、すぐにリーグにくると思いますが、地域の人たちと話しながら進めていただいている状況だと認識しています。

Q:FIFAワールドカップ2026について、色々と批判もある大会だったとは思いますが、商業面やマネタイズなど参考になる部分もあったのではと思います。ハイドレーションブレイク中のテレビCMなど、なにか今後の参考(ヒント)になった点や、良いと思った取り組みはありましたか。

A:野々村チェアマン
数年前からアメリカのスポーツ・サッカー関係者と意見交換を重ねる中で、今回見られた取り組みの多くは想定の範囲内でした。彼らと話していると頭の体操にはなります。「そこまでやるのか」と感じる部分もありましたが、Jリーグとしてすぐに何かを取り入れるということではなく、日本は日本らしくあるべきとも思います。ただ、新たな取り組みを全く考えていないわけではありません。アメリカの方々は色々なことを考えているなというのは、以前から思っていたことです。

Q:ヨーロッパのキャンプを視察し、海外クラブとの練習試合やフォーラムでの交流されているクラブを見て、ヨーロッパのクラブが日本のクラブに対する関心の高さを感じられたとのことですが、具体的にどういった点で感じたかを教えてください。

A:野々村チェアマン
例えば、U-21Jリーグが日本で始まることについても、ヨーロッパのクラブは既にキャッチアップをしています。どのようなチームがどのような内容で実施するのかということにも、高い関心を示されていました。若い選手たちの成長する過程や環境までも注視しているということは、会話の中でも出てきていましたので、狙っているのだろうなとは思いました。

〔司会(江崎広報部長)より説明〕
引き続き、本日の決議事項について説明させていただきます。本日の決議事項は全部で3点です。

「2026/27シーズン Jリーグ配分金について」ならびに「2026/27シーズン AFCクラブ競技会出場クラブへのサポートについて」はプレスリリースをお配りしております。また、「Jリーグフットボールガイドライン策定について」もプレスリリースとフットボールガイドラインを一部お配りしておりますのでご確認ください。

その他報告事項として、毎シーズンのことにはなりますけれども「規約規定改定のお知らせ」につきましては、三段表をメディアポータルに掲載しておりますので、各種資料からご確認をお願いいたします。「2026/27シーズンのパートナーシップの件」につきましては、資料の配布はございませんが、後ほど樋口よりご説明いたします。

1.2026/27シーズン Jリーグ配分金について
https://aboutj.jleague.jp/corporate/pressrelease/article/16023
Jリーグは本日の理事会で、今シーズンに向けてJリーグ配分金規定を改訂いたしました。新たにキャンプ支援配分金とU-21Jリーグ創設に伴いまして、U-21Jリーグ配分金を新設しています。また、カテゴリーごとに全クラブに均等に配分される均等配分金につきましては、2025シーズン比で 6.5億円増となる総額 80.5億円を配分することが決定いたしました。さらに、AFC競技会への出場クラブの支援を目的とするACLサポート配分金につきましては、2025/26シーズンAFC競技会に対する配分額から5億円増額し、総額5.5億円を配分することを決定いたしました。

なお、通常のシーズンですと 1月にご案内しております理念強化配分金の支給基準額につきましても、別表の通りで決定いたしましたのでお知らせいたします。理念強化配分金の支給基準額と、いわゆるファン指標の配分における支給予定クラブにつきましては、来月8月の理事会で決議予定です。

2.2026/27シーズンAFCクラブ競技会出場クラブへのサポートについて
https://aboutj.jleague.jp/corporate/pressrelease/article/16025

〔樋口執行役員より説明〕
まず前提として、これから始まる今シーズンのAFCチャンピオンズリーグEliteがどういう意味の大会であるかということを60クラブと再度確認しています。最高峰の戦いとしてはFIFAクラブワールドカップがあります。これが2025年に初めて32クラブに拡大され、4年に1回・32クラブでやるということが現状決まっています。一部で48クラブに拡大するのでは、と言われていますが、現状32クラブを想定してやっています。出場枠のルール自体も、まだ2029年に向けて正式に決定して公式に発表されているものはありませんが、2025年をベースに考えていく中では、2シーズン前の24/25シーズンのACL Eliteから数えて4大会分のチャンピオンがクラブワールドカップの出場枠を得ることになります。2大会終了時点、現状日本は出場枠を得ていません。ただ幸いにも、同じクラブが2回優勝しており、枠が1つ空くことになることから最終的にクラブランキングの最上位がとることになると思いますので、優勝せずとも一つでも高い順位を目指すことが出場権獲得に近づくということです。

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今回ACL Eliteに挑戦する5クラブは、2025シーズン、2026特別シーズンから選ばれた4クラブ、あとはACL Twoを優勝したガンバ大阪の合計5クラブがチャレンジしますが、クラブワールドカップに出るには、ACLでは1年後に始まる2027/28シーズンが最後の大会になりますので、今季のACL Eliteの出場権を得ていない5クラブ以外のJクラブからすると、これから始まる国内大会が次のACLの枠をとる最後のチャンスになります。2029年のクラブワールドカップを目指しているクラブからすると、国内大会における今シーズンというのは、最後のチャンスとなる非常に大事な立ち位置になると、改めて60クラブ全体でも確認しています。

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ACLをJリーグ、それからJFAも含めて一緒に当該クラブをサポートしていく上で、全体の考え方です。Jリーグには2033年に目指す姿として大きく3つありますが、そのうちの一つが「アジアで勝ち、世界と戦うJリーグ」です。その中で、クラブワールドカップでQF進出を目指すこと、またその最低基準として200億円規模のクラブが必要だということを明示しています。ACLは当該クラブの戦いである事はもちろんですが、それだけではなく、Jリーグ全体、ここに参加しない54クラブも含めた全体としての戦いにもなります。Jリーグのお金は公益社団法人の社員である60クラブ全体のお金とも言えますが、それを限られた6クラブのためにも一定額を支援して使おうという話を今回の実行委員会、理事会でもしています。

なぜ全体での支援をするかというと、クラブワールドカップの出場権やアジアを制覇するということ、そしてACLの出場枠において、現状日本は国のランキングでは東1位の最高の枠を維持していますが、これはご存知の通り、8年間のACLのすべての試合の1試合1試合の勝ち点が全部勝ち点0か1か3かも全部計算されて積み上げているものになりますので、今回の出場枠で出られているクラブも場合によっては8年前のJクラブの貢献によって得られている枠もあります。逆に8年後の枠の為にも、今大会もすべての試合も勝ち抜けが決まっていても、また逆にもし残念ながらもう勝ち抜けが無理であることが決まっていても、目の前の試合で勝ち点3を取ることが今後8年間に意味があるということを改めて全クラブでも確認をしています。

そのような中で、配分金としてこれまでは5,000万円をACLサポート配分金としていました。背景としては、基本的にACL出場クラブは理念強化配分金を翌年度や翌々年度にもらえることになりますので、それでACLを戦うのをまかなっていくのが基本的な考え方になっていました。一方、ここ2大会決勝まで行くものの、残念ながら制覇までは至っていないことや、過去2大会のACL Eliteに参加したクラブの収益の状況を全部細かく確認しますと、やはりもう少しサポートがないと中々苦しいのではないかという話になり、今回ACL Eliteに出るクラブに1億円、ACL Twoに出るクラブに5,000万円、総額で5億円の増額に至っています。

それからもう1点、8月11日にプレリミナリーステージでガンバ大阪がアウェイで韓国と戦います。勝てばACL Elite、負ければACL Twoと言う非常に大事な1戦になります。ガンバ大阪の戦いではありますけれども、ACL Eliteに行ってもらったほうがクラブワールドカップの枠の可能性も広がりますし、先ほどお話したクラブランキングもポイントに傾斜がかかります。ACL Eliteの方が高い係数になるので、リーグ全体でこのガンバ大阪の1試合を支援しようという背景から、リリースに記載している各サポートとなっています。去年と重なる部分もあり、全体としてはJFA ・Jリーグのサポートになりますが、各項目にJリーグが実施するもの、JFAが実施するものを記載しています。

渡航費につきましては、ファイナルズには最大4クラブが行くことになりますので、直近のシーズンと同様に、最大2機のチャーター機を往路に手配することを決議しています。その他の試合についても、渡航費の一部をリーグ全体のお金から支援するという事と、先程も申し上げましたが、プレリミナリーステージに出場するガンバ大阪が今回ホームの収益機会もなく基本的には支出しかない中、AFCからのサポートも一定あるのですが、かなり赤字になる部分もありますので、リーグ全体でのサポートということで1,000万円の支援を決議しています。

また、各ステージを勝ち上がるごとにJFAから勝利給を支援いただきます。

それから、ホームの試合でしっかりお客様に入ってもらい、勝つ雰囲気を作っていこうということで、プロモーション支援を直近の2025/26シーズンから始めました。ホーム1試合あたり300万円の支援をリーグからしています。

フットボール領域におきましても、国内大会の試合日程の調整もなかなか皆様がイメージするような抜本的な調整は難しいところもあるのですが、当該6クラブだけではなく、国内大会の対戦相手となるACLに出場してないクラブも含め様々な調整が必要になると思いますので、できる限り細かな調整を全クラブの協力のもと実施しているというところです。

さらに、ACL Eliteに出場する4ないし5クラブは、しばらくJクラブ同士は対戦しません。やはり中東のクラブに2回連続優勝をとられていることもありますので、一定程度手を組んで一緒に分析などを頑張っていこうということで、このようなことを実施しています。加えてまだ決まっていないので記載していませんが、今年はJリーグでテクニカルスタディグループを作って、ACL出場クラブで連携しながらより一緒に勝っていくための分析をしていこうという話も調整中です。

運営領域に関しましては、JFAからも多大なる支援をいただいています。ローカルジェネラルコーディネーター(LGC)と、ローカルメディアオフィサー(LMO)が1クラブに1名ずつ必要ですが、これが4から6クラブに拡大しますので、引き続きJFA、 Jリーグとしても支援をしていこうという決議をしています。

〔質疑応答〕
Q:渡航費のサポートはチームの勝ち上がりにより金額が変わってくると思うのですが、サポート全体ではどのくらいの経費がかかる見込みで予算を計上しているのでしょうか?

A:樋口執行役員
直近のシーズンのJリーグのサポート実績ですと、11〜12億円くらいでした。勝ち負けによって変動があるのと、中東情勢も含めた支援もありましたので、多少前後しますが、おそらく今シーズンも引き続き10億強のサポートに加えて、配分金が5億円上がるので、17億円前後のサポートになるかと思います。

*(以下樋口執行役員より、訂正あり)
A:樋口執行役員
一つ訂正があります。質問の回答で費用12億円程度とお答えしましたが、理念強化配分金で配分されている金額が6億円ほど含まれているので、ACLのサポートに特化すると6.9億円が昨年の実績です。理念強化配分金も含めると12.7億円だったのですが、それを除き、ACLだけのサポートだけだと6.9億円。それに、今年は配分金が5億増えるので、11.9億円ぐらいになります。訂正いたします。

Q:中3日を可能な限り確保、ということを明文化したことに価値があるのではないかと思います。ACLがシーズンを移行してからの日程面での各チームからの要望や、シーズンが揃ったことにより揃えやすくなる部分であるとか、今どのように感じられていますか?

A:樋口執行役員
(シーズンが)揃ったことによる試合日程に関しては、現状そこまで起きてないです。今までもある程度ACLに出るクラブを想定しながら日程くんで結構細かく、このパターンはこう、このパターンはこうと分岐しながら入れていたので、そこまで大きくは変わらないと思います。ただ、ここ数年決勝で悔しい思いをしていること、色々なクラブが全体でACLを獲りに行きたいところもあり、他のクラブの協力の姿勢も少し変わってきているかなとも感じます。

3.「Jリーグフットボールガイドライン」の策定について
https://aboutj.jleague.jp/corporate/pressrelease/article/16024
https://jlib.j-league.or.jp/#/content/97

〔樋口執行役員より説明〕
イングランドプレミアリーグは、選手会、リーグ、クラブ、それからイングランドの審判組織が別法人、PGMOLという別法人になっているのですが、その審判組織と何度もディスカッションをしながら、毎シーズン、「イングランドプレミアリーグのサッカーはこうだ」「このような場合は、こうジャッジしていく」といった数十ページの一般にも公開されているガイドラインがあります。今回策定したガイドラインは、以前からこういったものを作りたいと思っていましたが、昨シーズン、より明確に作ろうと決め、今年、半年間で様々なディスカッションをしながら第一版として出しているものです。

こちらは第一版なので、皆さまがご覧いただきながら、「ここはこうなのでは?」といったご意見もたくさんあると思います。ぜひ今後、ディスカッションをさせていただき、毎年の更新に向けて一緒に良いものを作っていきたいと考えています。

いきなり数十ページのものを作るというより、選手の皆さんがスマホでざっと見られるような簡易なものという趣旨で作っています。ご存知の通り、国際サッカー評議会(IFAB)の競技規則は世界共通で作られているもので、ここにJリーグの精神を入れる余地は基本的にほぼありません。競技規則自体も、発生し得るすべての状況を言及しているわけではなく、IFABの競技規則自体も「精神」というものが非常に大事になっていますので、このあたりをぜひ色々な方々にご覧いただきたいと思い、大事なことなのでここにも記載しています。

本ガイドライン自体は、競技規則では対応できないものに対して我々Jリーグの考え方や目指す方向を定めているものです。この制作過程でも、選手の皆さまとも複数回議論していますし、審判の皆さまとも複数回議論し、また、主に強化担当の方中心ではありますが、クラブのスタッフともかなり議論しています。

選手の皆さんでは、日本プロサッカー選手会の幹部の皆様と何度もお話しをしています。2026特別シーズン中に、選手会副会長の柏レイソル・戸嶋祥郎選手、FC町田ゼルビア・中山雄太選手にはグループワークにも参加いただき、そこで色々と激しいディスカッションさせていただいたという背景もあります。クラブも強化担当のスタッフに、全クラブ集まっていただき、グループワークで「こういうものがいいのでは」といったことも含めてディスカッションしてきました。

ガイドラインの目的としては2つあり、先程申し上げた考え方や目指す方向というものをしっかりとステークホルダーと一緒に定めるということが大事ということです。イングランドプレミアリーグでは、「シェアード・レスポンシビリティー」という言葉をキーワードとして、私は強く認識しています。関わるみんなが「誰かが勝手に作ったものだから、私たちにはこれは関係ない」と捉えるものではなく、関わる方々みんなで一緒に作ってみんなで共同の責任、一緒に作って一緒に定めたものを一緒にちゃんと履行していこうという精神を、我々はとても大事にして作ってきました。とはいえ、まだ半年間なので、「私はステークホルダーだけど、ディスカッションしていない」という方も、まだまだ多くいらっしゃると思いますので、そういった方々を含め、また次に向けたディスカッションをより多くの方々としたいと思っています。

これをファン・サポーターの皆様に言語化して、明文化したものを出して、こういうことを考えながらやっているということを知っていただくということも大事にしたいですし、ファン・サポーターの皆様からもご意見いただくことができればという趣旨です。毎年改訂していきますので、どんどんページが増えていくと思います。

このガイドラインに深く携わっていただいた選手会の皆様、会長は吉田麻也選手ですが、Jリーグでプレーされていないということもあり、プレーされている戸嶋選手、中山選手のコメントを先に記載しています。審判委員長の扇谷健司さん、それからJFAとも強化部会や技術委員会でもご確認いただいており、宮本会長からもコメントをいただいています。最後に野々村からのコメントがございます。

パート2として、理念や先ほどACLの件でも申し上げた10年後に目指す姿等を簡潔に記載しています。

11ページですが、ここがすごく大事で、新たに発信するJリーグが目指すフットボールというものを3つに整理しています。「世界トップ水準のフットボール」を目指していこう。これはシーズン移行を機に、我々も世界のトップを言い訳せずに目指していこうということ、それからフットボールの水準だけではなく、興行、エンターテイメントとして「見ている人を魅了するフットボール」を展開していこうということ。最後に、強いとか魅力的であるということをJリーグらしく、日本らしいやり方で進めていこうということで、「Jリーグらしさがあるピッチ」。より具体的に言うと我々が言語化したのは、「熱狂」と「リスペクト」を日本なら、Jリーグなら、両立できるということが非常に大事なことと思っています。強くなりたい、楽しく魅力的なものを作りたい。それをJリーグらしく、色々な意見交換やピッチ上で熱くなることはあります。熱狂をゼロにしてクリーンなものにするのはガイドラインを作る上では簡単ですが、それで本当のフットボールが持っている熱が失われてはいけないと思いますので、熱狂だけど暴言ではなく、リスペクトを持ってしっかりとコミュニケーションを取れるというところを大事にしていきたいというのが趣旨です。

この3つを実現するための方針を4つにまとめました。一つ目がフットボールの話で激しいボールの奪い合い、連続性の中で技術を発揮していくということ。そして選手の安全を脅かすようなプレーはしないし、させない。さらに試合の時間の浪費や試合進行の妨害をしない、させない。最後に老若男女、誰もが楽しめるピッチを全員で作っていくというものです。次ページ以降はこの4つの方針に対してそれぞれ選手や、審判、場合によってはスタッフの方々が意識することを端的に記載しています。世界トップ水準のフットボールを目指していく中で、選手はそのプレーや、世界トップ水準のコンタクトの強さ、深さや連続性、テンポの速さが生まれるプレー、その中で発揮される技術を大事にする、笛が鳴るまでプレーを続けるということ、審判に対してもこの選手の意識を大事にして、試合を過剰に止めるのではなく、プレーを続けさせる勇気を持つということや、フェアプレーと、危険、悪質なプレーの判別や、激しい試合をしっかりとコントロールできるように、試合の中で判定にしっかりと一貫性を持たせるということを書いています。

二つ目の方針として、選手が意識することとして、相手の選手を傷つけるような危険・悪質なプレーはしないということ。もし危険なプレーがあったときには、審判がすぐに適切に試合を止められるように、審判を欺くような悪質な演技のような行為はやめる。審判も同様にそれをしっかり見極めるということと、厳正に対処するということ。逆に選手の安全が危ないと思った場合は、躊躇なく試合を止めるということが書いてあります。

三つ目は、試合の時間の浪費や試合進行の妨害をしない・させないということです。今回のワールドカップを機に競技規則のほうも大幅に改訂されていますが、審判とは適度なコミュニケーションは許されるが、執拗な抗議はやめる、もし体に痛みを伴う場合はピッチから出て、もし続けられるならすぐに立ち上がるということを書いています。審判も同様です。クラブの監督やスタッフも、テクニカルエリア等も含めて試合進行の妨げとなるような過度な抗議はやめるということを書いています。

最後に、先ほど申し上げた熱狂とリスペクトの両立という観点、それから公式映像を作る中で、カメラやマイクの台数もどんどん増えている中で、誰かが聞いていることをふまえ、子供が聞いても恥ずかしくないような言動をするということも書いています。当然、熱くなって様々なコミュニケーションを取るのでしょうが、相手の選手やスタッフや審判に対してリスペクトを欠くような行動、言動、振る舞いは行わないということ。

今回のガイドラインは基本的にピッチレベルに限定したものを記載しています。今後はもしかしたらもっと広げていくこともあるかもしれませんが、まずはピッチレベルに限定しています。ですが、ピッチの周辺やメディア対応、SNS等についても、この点についてのみ記載しています。スタッフも同様です。特にピッチ周辺のテクニカルエリアや、ウォームアップエリアの運用。ゴールが入って、喜びを爆発させるときに、ピッチに入るなとまではいうつもりはありませんが、執拗な抗議や、やってはいけない行為が見られたときは、しっかり見極めてやらない・させないということを徹底していきたいと思っています。

最後に、競技規則のポイント解説ですが、こちらのフットボールガイドラインと直接的な関係はありませんが、多くの皆さまに見ていただくものとして、競技規則の方でも最低限ここだけは知っといていただきたいことを簡潔に入れています。今回は競技規則の改定ポイントが多いのですが、その他ではハンドのジャッジが難解に、多様になってきています。コアなファン・サポーターでも手に当たったらすぐ反則と言う方もいらっしゃると思いますが、この場合は手に当たっても必ずしも反則ではない、ということをできる限り知っていただきたいと思い、今回取り上げました。

メディアの皆様にはぜひ今回のガイドラインを策定した趣旨、我々Jリーグが会議室で作ったものではなく、選手やクラブのスタッフの皆さま、審判の方々、JFAとも複数回の議論しながら作ったということをふまえ、今後より良いものにしていきたいと思いますので、ぜひ一緒に意見交換させてください。

樋口執行役員:
今回のガイドライン策定において、かなり深く携わったフットボールダイレクター足立さん、企画戦略ダイレクター小林さんからも一言お願いします。

小林企画戦略ダイレクター:
現在、開幕前で競技規則の改訂も含めてクラブ側にお伝えしなければいけないことが多く、J1のクラブには対面でJFAの審判部の皆さまと一緒に各クラブを回って、こちらのガイドラインと競技規則の改善について説明している最中です。ほとんど全てのクラブが終わっていますが、その中でもクラブの皆さまの反応は、納得感がある、非常にポジティブな印象です。きちんとクラブのスタッフ、選手、審判部の皆さまと一緒に作ったかいもあり、非常に選手たちも納得して話を聞いていただいている印象です。その際にこちらの文字だけでは伝わらないところ、特にハンドや具体的なコンタクトのところ、選手生命を脅かす危険なプレー、またはテクニカルエリアの運用についてはJFAの審判部と一緒に映像を使って選手、スタッフの皆さまに周知して回っています。そういった意味でもJFAの皆さまとも審判部の皆さまとも非常に連携が取れていると思っています。

樋口執行役員:
毎シーズン前のルール講習ということで、JFAの審判に関連する方々と一緒に回っています。

小林企画戦略ダイレクター:
J1が対面、J2、J3はこちらからコンテンツを用意し、見ていただき、別途質問等がある皆さま用に、何か分からないことがあれば、こちらのところでご質問くださいというWEB会議枠を2回用意しています。

樋口執行役員:
戸嶋選手、中山選手からもかなり色々なご意見をいただき、責任を共有できたと思っています。

Q:コンパクトさが特徴で、読みやすくまとまっていると思います。まとめる際に工夫した点はありますか。

A:樋口執行役員
選手の皆さんにちゃんと読んでほしいという思いが根底にあります。スマホで一見して、これを知らない選手がいなくなることを目指したいという気持ちがかなりあります。

A:小林企画戦略ダイレクター
選手には、本当にコンパクトにしてあるので、是非手元に届いた際にはもう一度読んでからシーズンに入って欲しいと伝えています。

Q:育成年代にも読んで欲しいですね

A:樋口執行役員
関わる親御さんや、ファン・サポーターの皆さまにも、熱狂とリスペクトはプレーする選手だけではなく、関連する方々、ご家族や応援する方々も大事なことなのでぜひ読んでいただきたいと思います。

A:足立フットボールダイレクター
これを見て、選手、関係者すべての皆さん、Jリーグに関わる人が何かあったときに立ち戻れる場所にしてほしいと思います。一見して、「そうだったんだ」「Jリーグってこうなんだ」「こうすべきなんだ」「こう目指そう」というものがみんなに共有でき、すぐにインプット、見直しができるものをと、このメンバーで話し合ったということがありますので、皆さんも何かあったときに読み返していただきたいです。

[江崎広報部長]
その他の報告事項ですが、まず1点目の規約規定改訂のお知らせは、メディアポータルの各種資料に掲載しています。全部で17ページとボリュームがありますが、内容については会見で説明していない大きな改訂は特になく、年次改訂がメインと、あとはシーズン移行に伴った改訂、一部、表彰規定の見直しを行っています。また、リーグ、カップ戦が協賛企業の企業名をしっかりと打ち出すということで、変更がなされています。

最後に2026/27シーズンのパートナーシップの件を樋口から説明させていただきます。

2.2026/27シーズンのパートナーシップの件
〔パートナーシップの件について樋口執行役員より説明〕
冒頭、野々村からも話がありましたが、昨今、様々なパートナーの方々からJリーグをより広く、より深くご支援いただいていますので、進捗についてご報告をさせていただきます。

こちらに表示しているパートナー企業は一部であり、このほかにもサポーティングカンパニー、未来育成領域、気候アクション領域など、さまざまな領域でご支援いただいているパートナー企業がいらっしゃいます。

コロナ禍明けのリーグ単体の協賛金収益については、ほぼ横ばいだった2024年から、野々村のもと、リーグ内の体制の強化をはじめ様々な改革を進めてまいりました。2025シーズンに13億円のプラス、それから今シーズンにつきましては、そこからさらに22% 15.5億円の上乗せの86億円という予算を組んでいます。

入場者数やクラブ全体の売上も好調に推移しており、それに伴い、人件費やプロモーションへの投資なども増加しています。そうした中で、Jリーグ全体の価値が高まっており、そこにご賛同いただけるパートナー企業も増えているという全体像です。

Jリーグも今シーズンからシーズン移行を機にパートナー制度の見直し、再設計を行っています。本日は明治安田Jリーグ(リーグ戦)に関わるところでのご説明になります。引き続き明治安田様にはタイトルパートナーとして、ご支援いただきます。また、オフィシャルブロードキャスティングパートナーおよびスポーツ振興パートナーについても変更はございません。

一方で、パートナー体系を見直し、これまでタイトルパートナーに次ぐ位置付けとしていたトップパートナーのうち2社を、新たに「プラチナパートナー」としてお迎えしました。これに伴い、従来のトップパートナーはプラチナパートナーとゴールドパートナーに再編しています。

皆さまもご存じかとは思いますが、スポーツ協賛は、10年ほど前までは看板掲出やロゴ露出といった「露出」が中心でしたが、どんどん進化をしておりまして、現在はテレビやデジタルなどさまざまなメディアを組み合わせた露出や、活動自体もものすごく進化しています。Jリーグを活用してパートナーの皆様の本業にどのように貢献できるかという視点が重視されるようになり、協賛の内容や取り組みはより多様で複雑になっています。

我々も今回新しくプラチナパートナーとしてお迎えする2社(NTTドコモ様、三菱 UFJ銀行様)の本業に対してJリーグがどう貢献できるかということを、色々なことを考えて貢献していくということが注目点かと思っています。

代表的な取り組みとして、明治安田様はタイトルパートナーとして2015年からご協賛いただいています。小学生向けのサッカー教室や幅広い年代向けのウォーキング・イベント、また献血イベントなど幅広い社会連携活動を継続的に実施いただいています。さらに2026年からは“J活”と銘打ち、これまでJリーグやスタジアム観戦に触れる機会が少なかった方々に向けた様々な取り組みを展開しています。明治安田様のおかげで、Jリーグを好きになったという方も数多くいらっしゃる状況で、良好なパートナーシップを築くことができていると考えています。

また、2026/27シーズンから、新たにNTTドコモ様と三菱UFJ銀行様をプラチナパートナーという形でお迎えすることになりました。両社はこれまでトップパートナーというカテゴリーでご支援いただいていました。

NTTドコモ様は2017年からトップパートナーとして連携を開始し、「dポイント」アプリで、応援するクラブのデジタルデザインにきせかえ、d払い・dポイントを利用すると、そのうちの数パーセントがクラブの強化費などに還元されるという仕組みを作っていただきました。d払い・dポイントでのお買い物が、クラブの応援に繋がるといったスキームを作っていただいています。

三菱 UFJ銀行様は、2026特別シーズンから、新たにトップパートナーとしてお迎えし、今回プラチナパートナーとなりました。明治安田様やNTTドコモ様がつくっていただいた、地域に根差して様々な活動をしていくところを、三菱 UFJ銀行様にも実施いただける形でして、各地域におけるクラブや支店、企業や自治体との連携を強化し、金融経済の教育の実施や地域産品の振興などを推進していただく形になります。国立競技場のMUFGスタジアムという名称とは別の契約で、Jリーグはご協賛いただいていますけれども、これまで「THE国立DAY」として開催していたイベントも、今シーズンからは「MUFG THE国立DAY」という名称で開催します。国立競技場のタイトルパートナーとしての三菱 UFJ銀行様と、我々Jリーグのプラチナパートナーとしての三菱 UFJ銀行様、それぞれの取り組みを相互により良い連携をさせていただきながら、より価値を高め、還元していきたいと考えています。

今回協賛金収益が大きく成長していること、新たにパートナー体系を再編したことに加え、明治安田様、NTTドコモ様、三菱UFJ銀行様の取り組みを、ごく簡単ではありますがご紹介させていただきました。

〔質疑応答〕
Q:本日の議題とは異なりますが、先日、J3・FC大阪が第3節のホームゲームを北九州で開催されるとの発表がありました。昨年のJ2昇格プレーオフも鳥取で開催されるなど、ホームゲームを本拠地以外で開催するケースが続いていますが、このような運営についてJリーグとしての見解をお伺いできればと思います。

A:窪田執行役員
ホームスタジアムを確保することはクラブの責務でございますので、できるだけ地元のホームスタジアムを確保していただき、そこで試合をしていただきたいというのがJリーグの考え方ですが、スタジアムの確保が困難な場合には、違うスタジアムを確保するということもクラブの責任として行っていただいています。今回なかなかスタジアムを確保できず、北九州のスタジアムを結果的にお借りすることになりましたが、地元クラブにご協力いただき、また対戦相手のクラブにもご理解をいただきながら試合を開催させていただくこととなりました。引き続き、FC大阪については、ホームスタジアムを確保できるように努力していただきたいと考えています。