『歴史的な一戦』と表現しても、差し支えないだろう。明治安田生命Ｊ１リーグ元年の松本にとっては、全てが歴史的な出来事だからだ。例えば、3-3のドローに終わった前節を振り返ってみよう。敵地、豊田スタジアムに乗り込んだ名古屋との開幕戦だ。Ｊ１リーグでの初試合、オビナによるチーム初得点、捨て身の攻撃に打って出た名古屋の圧力に苦しみながらも拾った初勝点――。そして、今節は初のホームゲーム。初ナイトゲームのおまけ付きだ。
今季の松本は、誰もが苦戦を免れないと予想している。ならば、その鼻を明かすためにも勝点をコツコツ積み上げていかねばならない。幸い、名古屋との試合後に村山智彦からは「やれる部分と足りない部分が分かった」と前向きな言葉が聞かれている。松本は決して多くのことが出来るチームではないが、そのスタイルに揺るぎはない。ピッチ上の選手全員が守備に汗をかき、チャンスがあれば全員が素早くペナルティーエリア内へと攻め込んで攻撃に関与する。エースとしての活躍が期待されるオビナが精力的にフォアチェックしたかと思えば、最終ラインの壁の飯田真輝が最前線へと切り込むこともある。また前節挙げた3得点のうち、2得点はセットプレーから生まれたもの。昨季からの得点パターン、セットプレーは今季も冴えを見せそうだ。
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